2025年10月

「ヒポクラテスの盲点」

新作邦画。ドキュメンタリー映画。新型コロナウィルス感染症の爆発流行に際して、日本政府が取ったワクチン接種の是非を問う科学者としての医師たちの行動を克明に描いている。特にそのワクチンによる死亡や後遺症の影響に対して多角的な視点から迫っている。結局被害者に対して誰も責任を負わない という姿勢が一番問題である。また過去に起こった薬害に対しての反省や教訓が全く生かされていないことを痛感した。このような映画を製作する意義を強く思った。観MUSTの映画だろう。評価 ◎

「プロジェクト・サイレンス」

2024年の韓国映画。どんなプロジェクトか? という疑問を持たせるが、崩壊寸前の大橋を舞台にしたパニックスリラー。ソウルの深い霧の日、無謀運転による自動車事故が発端。橋の上で救出を待っている中で、国家権力が秘密裏に開発した殺人犬たちが檻を抜けて脱げ出してしまう。統制の効かなくなった犬たちがさらなる事件を巻き起こす。よくできている群像劇で、96分という短さもよかった。題名には違和感あり。 評価 〇プラス

「映画 マイホーム ヒーロー」

昨年の邦画。人気コミックからのテレビドラマの劇場版。主人公の父親が、娘の付き合っていた悪い男を殺して7年後が舞台。山中に埋めた死体が発見され、殺した男が隠した と思われる大金を巡ってヤクザがやってくる。彼らを相手に親子は戦う。あり得ない話だが、サバイバルサスペンス映画として面白かった。評価 〇

「市民捜査官ドッキ」

2024年韓国映画。オレオレ電話詐欺で3200万ウォン搾取された主婦ドッキが、詐欺集団を見つけ出して、被害額を取り戻そうとする話。2016年に実際にあった事件を題材にしたサスペンスコメディ。ドッキおばさんは主婦仲間と共に、アジトである中国・青島まで出向いての活躍で、警察以上の捜査をしていた。 文句なしに楽しめた。 評価 〇プラス

「映画を愛する君に」

2024年のフランス映画。フランスの映画監督の自伝的シネマエッセイ。一人の少年の成長・生き様を通し、世界の映画の名作を紐解きながら、映画の魅力とその魔法を見せている。まあ個人的なことなので、共感する部分もそうでないところもあったが、このような彼の「映画人生」の趨勢を見ることは参考になる。こうして彼は大人に、そして監督になった。映画では「ニュー・シネマ・パラダイス」が代表的かな?!  評価 〇プラス

「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」

昨年12月お正月映画として公開された邦画。人気児童小説の映画化。不思議な駄菓子屋で願いを叶う駄菓子を買った人々の顛末をコミカルに描いている。あまり話題にならなかったような出来だった。 評価 〇マイナス

「DOG DAYS  君といつまでも」

2024年の韓国映画。題名のように人と飼い犬の様々な出会いと、それらが起こす奇跡を描いた群像劇。犬を通して孤独な人々が繋がっていくハートウォーミングな物語。好みの映画で、感動もあった。 評価 ◎

「ザ・チェイサー 追撃者」

2024年のアメリカ&イギリス映画。アメリカの連続猟奇殺人事件が未解決のままの状態の後で、それに類似した事件がロンドンで起こる。かつてアメリカで担当していた刑事が、イギリスに赴き、そこの刑事と改めて捜査に乗り出す。 地元の模倣犯を捕まえるが、実の犯人は、そのアメリカ人刑事だった というオチは遺憾し難かった。評価 〇

「アフター・ザ・クェイク」

新作邦画。村上春樹氏の短編小説の映画化で、4つのエピソードを紡いだオムニバス映画。① 1995年の阪神淡路大震災直後、妻から突然の離婚を言い出された男、傷心のまま北海道に旅して体験したこと ② 2011年 流木を集めて焚火をする中年男と10代の少女 ③ 2020年 自分は「神の子」だといわれ続けた男 ④ 2025年元銀行マンでいまは新宿のネットカフェで暮らしている老人が、ある日「カエル君」と再会する。 時代や場所を超えての様々な筋立てで、それぞれ関連があるように見えないが、「喪失感」という点では一致するか?! 評価 〇

「ワン・バトル・アフター・アナザー」

新作アメリカ映画。反体制組織の元革命家(レオナルド・ディカプリオ)が主人公。彼が名前を変えて一人娘と移民の多い村に静かに暮らしていた。ある日、過去に異常な執着心を持つ軍人(ショ-ン・ペン)が、その娘を誘拐する。娘を奪還するために、主人公は多くの手を借りながら再び戦闘に身を投じる という筋立て。しかし、2h42は長すぎて、後半のチェイス&銃撃シーンだけが後に残った。評価の高い監督作品だが、私にはどうもね。  評価 〇

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