2020年07月

「パリに見出されたピアニスト」

2018年のフランス=ベルギー映画。最初ドキュメンタリー映画かと思ったが、フィクションドラマだった。題名が凄くてどんな内容か興味があったが、若いピアニストの話だった。パリの貧しい家庭に育った青年が、ある日駅の構内に置かれているピアノで演奏している時に、プロの音楽家にその才能を認められてスカウトされる。そこから激しいレッスンをうけて花開くまでを追っている。いわゆるサクセスもので特に目新しさはなかった。評価〇

「パリの家族たち」

2018年のフランス映画。パリを舞台にした群像劇。働く母親たちを主人公に、仕事と家庭の狭間で葛藤する彼女たちが多様化する社会の中で生きていく姿を淡々と描いている。その中で『母の日』を作ったアメリカ人:アンナ・ジャービスと母親像が有名なホイッスラーの絵画の話が印象的だった。様々な母と子供たちの姿はとても一筋縄ではいかないことも教えてくれた。評価 〇プラス

「12か月の未来図」

2017年のフランス映画。堅物の教師が文部大臣の肝いりで、ある地区の学校に1年の約束で赴任する。そこは移民と貧困が蔓延している地区で、生徒たちの教育が困難なところだった。今までの教育実践が役に立たないと知った中年教師は、自ら考え方を変えて生徒たちの中に入っていく、、、。フランスが、いや世界中で直面している社会問題を未成年の教育の場から考えさせられた佳作。若い女性教師とのほのかな恋心が切なく美しかった。 評価 〇プラス

「おかあさんの被爆ピアノ」

この時期、広島の人間は「8・6」を改めて思い起こしている。直接被爆を受けた身内がいるわけではない市民たちも同様だ。その意味ではアップデート的な映画だ。「被爆ピアノ」という言葉も我々には馴染がある。戦後75年経て、原爆の実体験を語る人々も年を取っていく。そんな時期にその日を忘れないための一つとして、被爆を受けてもいまなお楽器として利用できるピアノを通して「原爆を受けたこと」を忘れさせないことは将来に対しても重要なことだろう  というようなことを考えさせてくれた映画だった。 評価 〇プラス

「最高の花婿 アンコール」

2018年フランス映画。題名の如く続編。前作で4人の娘を持つヴェルヌイユ夫妻の総ての花婿がいわゆるフランス人ではない多国籍だったが、今回はその4女の黒人の夫の実家であるアフリカの妹が同性婚をする話と娘たちがそれぞれ夫の国~イスラエル、中国~と転勤先のインドに移る予定があることを知り、両親がフランスの良さをアピールする という2つの話を中心にみせるコメディ。前作ほどの驚きと楽しさはなかったなあ。 評価 〇

「バーニング 劇場版」

2018年の韓国映画。NHKとタイアップしていてこのテレビ版が2018年の暮れに放送された。それでは何か中途半端だった。この劇場版でそれが解消されるかと期待して観たが、やはり混沌として真実(?)というか作者の意図が伝わらなかった。残念だった。評価 △

「負け犬の美学」

2017年フランス映画。中年ボクサーの生き様を描いている。輝かしい栄光とは無縁の中で老いていくボクサーが主人公。妻も働いていて幼な子もいる中で、彼は生活のために欧州チャンピオンの練習相手という過酷な仕事を自ら引き受ける。最後の華を咲かせようとするが現実はやはり厳しい。悲哀に満ちた人生を淡々と描いていた。邦題の内容を受け止めたい。評価 〇

「愛と銃弾」

2017年イタリア映画。南イタリアのナポリを舞台にした異色の犯罪ドラマ。登場人物たちが途中で歌で心情を語るミュージカル仕立てになっているのがユニークで、しかもコメディタッチだった。マフィアの権力争いで殺伐とした殺し合いの中で、殺し屋が幼馴染の初恋の女性看護師に出会ったことで、彼女を守るために組織を裏切る、、、という筋立て。いかにもイタリアらしい厳しさと愛のロマンスが盛り込まれていて2h20の長さを感じさせなかった。 評価 〇プラス

「悪人伝」

韓国の新作封切り映画。『やくざと刑事が悪魔を捕まえる』というユニークなコンセプトで、実際これが原題(英語タイトル)になっている。この発想素晴らしい! 連続殺人犯を追っているやり手の敏腕刑事と偶然その殺人犯に襲われて傷を負った組長が共同して犯人を追う というストーリー。ラストまで息を付けないほど面白かった。エピローグもニヤリとさせて納得だった。 評価 ◎

「ロボット2.0」

2018年のインド映画で続編。インド映画史上最高額(90憶円)の製作費をかけ、歴代第2位の記録的大ヒットしたそうだ。今回はスマホが次々に消える事件が起き、それらが一体化して巨大なモンスター鳥になって人々を襲う という事件が起きる。それは鳥を愛した博士が鳥の保護を訴えても相手をされず、自殺して鳥の保護者として復活して人類に復讐をしていた。それを阻止するにはかつて人類を救ったスーパーロボット:チッティしかない。チッティは更なるスーパーパワーを装備しヴァージョン2.0として復活して戦う。荒唐無稽なドラマだがVFXが凄すぎて訳がわからない大バトルになっていた。 評価 〇

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