2019年09月

「英国総督 最後の家」

2017年のイギリス映画。1947年の独立前夜のインドを舞台にしたヒューマンドラマ。第2次世界大戦が終了して植民地だったインドを 英国が返還するにあたって、ヒンズー教徒とイスラム教徒の居場所をどうするか という大問題に対して、最後のインド総督になった マウントバッテン卿とその家族の視点から、激動する歴史に翻弄される人々の姿を描いていた。凄いことだったなあ。感動した。 評価 ◎

「Mr.Long/ミスター・ロン」

2018年、日本・香港・台湾・ドイツ映画。台湾の一匹狼の殺し屋:ロンは、東京の台湾マフィアのボスの暗殺のために来日する。しかし、その暗殺に失敗して命からがら逃げのびる。偶然田舎の寒村に住みつき、身を隠して静養しながらそこに住んでいる住民たちと親しくなる。得意の料理の腕を見込まれて屋台の主人にまでなるが、敵の追撃が及んでくる。日本を舞台にしているが無国籍風のアクション映画。SABU監督のもとにヒューマンタッチの良い作品に出来上がっている。後味も悪くなかった。評価 ◎

「生きてるだけで、愛。」

昨年の邦画。原作はマルチで活躍している芥川賞受賞の本谷有紀子の小説。主役の女性を趣里が演じている。過眠症でひきこもり気味で現在無職の寧子は、ゴシップ雑誌の編集者と同棲している。ある日、彼女の元に男の元彼女がやってきて、寧子に仕事をあっせんして、彼と別れるように命じる。バイトを始めた寧子だったが、、、、。今の若者の恋愛事情を捉えているようだが、年配者にはその生き方がよくわからなかった。評価 〇

「アド アストラ」

この題名については映画の冒頭に説明があった。「宇宙の彼方へ」というような意味。この秋ブラピの2作目の公開だ。宇宙の話でやや難解だが、話の本質には「親子や身内の情」が横糸にある。あそこまで宇宙の開発が進んでいるかどうかはわからないが、強国の思惑が見え隠れしていた。 評価 〇プラス

「スウィンダラーズ」

2017年韓国映画。韓国で実際にあった史上最大のマルチ商法詐欺事件を題材に、詐欺師を捕まえようとした男たちとエリート検事(本当のワル)の先の読めない駆け引きを描いたクライムアクション映画。タイトルは「詐欺師たち」とのこと。韓国映画らしい濃い内容で、私も幾度か騙されてしまった。 評価 〇プラス

「記憶にございません!」

三谷幸喜の脚本&監督の新作。8本目。題名のような言葉のせいもあり超人気のない総理大臣が、投石により頭部を負傷して記憶がなくなる。まさに題名の如くだ。しかし、その分「いい人」になってしまい、これまでの悪政を自ら改めるように努める喜劇。根本的には大笑いするようには作ってないのが、観客にはどう映るか。相変わらず俳優が豪華だ。評価 〇プラス

「ブラインド 朗読する女」

2017年アメリカ映画で日本未公開。中途失明者の作家ビルは、ある時夫の詐欺の罪で自らも100時間の社会奉仕活動を命じられたスザンヌと知り合う。最初はお互い反目しあうが、そのうちに恋が芽生える。スザンヌの夫は悪い男で友人と浮気もしていた。大人の恋を描いた古典的な内容。アレック・ボールドウィンとデミ・ムーアの主演で、これまた懐かしい。評価〇プラス

「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」

2017年タイ映画。題名のごとく頭脳明晰な貧しい女子高校生が異性の友と、成績不良の同級生たちを上級試験に合格させるべく奇想天外なアイディアでカンニングをする話。

「そんなことしていいのか?」と思う反面、「うまくなればいいけれど」という矛盾した気持ちで映画を見ていた。タイでは大ヒットしたようだ。評価 〇プラス

 

「人間失格 太宰治と3人の女たち」

副題のとおり。作家:太宰 治が、最後の小説「人間失格」を書きあげるまでの数年間を描いた一応のフィクション。でもかなり事実に近いのかもしれない。流行作家になっていた当時の太宰には妻と2人の子どもがありながら、多くの女性と浮名を流していて、「生」と創作意欲を得ていた。その中で特に親しかった2人の女性を中心に描いている。当時の文壇の様子もうかがえた。それらが許させる時代だったということか? 音楽がユニーク。 評価 〇

「野のなななのか」

2014年の大林宣彦監督作品。北海道の芦別を舞台に、そこで暮らしてきた老人の死をきっかけに、彼の戦争体験を回想形式で描いた監督の「戦争三部作」の第2作。監督の映画に縁のあった俳優陣が総動員されて、独特の「大林ワールド」を形成していた。これまた3時間弱の大作。その第3作目はついに広島の原爆を扱っている とか。完成を期待している。 評価 〇

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