2020年11月

ヒキタさん!ご懐妊ですよ」

昨年の邦画。題名から内容は解る。作家のヒキタクニオが自身の体験を綴った同名のエッセイを基に映画化された。年の離れた若い妻(北川景子)と結婚生活を送る中年の作家(松重 豊)が、妻の気持ちに応えて突如”妊活”に目覚めて悪戦苦闘する様をユーモラスに見せている。とくにプラスアルファがあるわけではないが、「不妊治療」という当人にとっての重大な出来事の様子が垣間見られた。 評価 〇

「最初の晩餐」

2019年の邦画。父親の通夜の席で家族の複雑な背景が浮かび上がる様を描いている。父親の葬儀のために故郷に帰ってきた青年(染谷将太)は居心地の悪さを感じていた。父(永瀬正敏)が再婚し継母(斉藤由貴)との仲が決して良くないことはなかったが次第に疎遠になっていたからだ。その通夜の席で継母が用意したのは仕出し屋の食事を断り、自ら作った目玉焼きだった。それが新しい関係になった際に最初に出された夕食のおかずだった、、、。その当時を回顧していまだから思える感情があった。 佳作 評価 〇プラス

「帰れない二人」

2018年の中国映画。題名のように男女二人の20年に及ぶ愛の軌跡を淡々と描いている。急激に変化する中国の社会にあって田舎に住んでいる者たちにとってもその影響を受けざるを得ない。町の顔役とその愛人という立場から、それぞれが刑務所に入っての別れ、再会そしてその後の二人の腐れ縁など恋愛叙事詩になっていた。国際的な評価が高いジャ・ジャンクー監督作品。 評価 〇プラス

「ザ・ネゴシエーション」

2018年の韓国映画。題名は『立て籠もり犯人と交渉する警察側」の意味。その任務をしていたが失敗(?)した女性警察官が主人公。その後彼女は冷酷な人質事件の首謀者の指名で再び交渉に立つようになるが、その裏にはさらなる犯人たちの思惑があった。双方の緊迫した心理合戦も見ものだが、何より敵対する男と交渉人が、大人気のTVドラマ「愛の不時着」のコンビなのが注目された。なかなかのポリスサスペンスだった。 評価 ◎

「ホテル・エルロワイヤル」

2018年アメリカ映画。1969年のカリフォルニアとネバダ州の州境にある寂れたホテルが舞台。そこにセールスマンや神父(?)ら秘密を抱いた人々が集う。それぞれの目的や思惑があり、殺人事件が起きてしまいパニックになるが、一応納得の収束をみる。2h22とチト長いが、その演出には輝きがあって面白かった。評価 〇プラス

「ドクター・デスの遺産 BLACK FILE」

邦画の新作。癌などで末期の病人に対して「安楽死」の目的で殺人を犯している(かもしれない)人を追う敏腕の刑事たち と書くとおさまりがつくが、実際には非常に小さな展開だった。ポスターやチラシ、そしてあらゆるメディアで明らかにされていない犯人(を演じた俳優)がサプライズだったが、それ以上のものはなかった。評価 〇

「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」

超大ヒットしている話題のアニメをやっと観にいった。やはり思い入れのない老人にはどうってことのない映画だった。孫には大人気で熱く語ってくれたが、私にはどうもね。あまり残酷なシーンが多くなくて安心した。「ハリーポッター」のようにシリーズ化されるのだろう。恐るべし。 評価 〇

「MANRIKI」

2019年邦画。『万力』を英語で綴っている。”チーム万力”という演劇集団が作った長編映画。万力を用いて小顔強制施術を行うという美しき整顔師(斎藤 工)を軸に、女性の美の探求と欲望との狂騒をシニカルに描いた問題作。ムーンという感じだった。生理的に男にはわからない世界?!  評価 〇マイナス

「鉄人28号」

2005年の邦画。題名で懐かしく思うのは50歳以上の男性か。15年前にこのようなアナクロな映画が作られていたとは。今をときめく日本のアニメやCGの時代にこのような映画の企画が通るとは、驚きだ。私はそれよりも配役に注目して見た。池松壮亮君主演で、蒼井 優も重要な役で出ていた。ただそれだけ。 評価 △

「劇場版 おいしい給食 Final Battle」

今年の邦画。テレビで放送した「おいしい給食」の最終劇場版。このゆるくてノスタルジックなテレビドラマを見ていた者にとっては納得の映画化だが、普通には「何?これ?」だろう。30年前の日本で、給食マニアの中学教師が教え子の生徒と給食を巡って争うコメディ仕立てのドラマ。今回は給食廃止の決定を教育委員会から受けた主人公の男性教師がその撤回を求めて生徒たちと奮闘する様を描いている。 評価 〇

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