2021年08月

「うなぎ」

1999年の邦画。カンヌ国際映画祭でパルムドール(最優秀作品賞)に輝いた今村昌平監督の映画。最近WOWOWで放送されたので改めて観た。妻殺しの罪で服役し、出所した男(役所広司)が監察官のつてで田舎で理髪店をしながら再生する話。人間不信になってペットのウナギにしか心を開かなかった主人公が、周囲の人々との交流で次第に変わる様子を描いている。似たようなシチュエーションでやはり主人公が役所氏だった今年公開の「すばらしき世界」と比べてみたが、どちらも良かった。評価 〇プラス

「リンドグレーン」

2018年スウェーデン映画。本国だけでなく世界で愛され続けている女流作家アストリッド・リンドグレーンの若き日々を描いたドラマ。幼いころから文学の才能を発揮していたが、やはり世間では女性の立場は低かった。上司との恋愛の果てに子供をデンマークで産み、未婚の母となる。自立の道は厳しかったが創作に情熱を注いで世に出るまでを淡々と見せてくれた。本当に普通の女性だったので親近感を覚えた。評価 〇プラス

「ジョーンの秘密」

2018年イギリス映画。実話を基にした小説の映画化。静かな余生を送っていた80代のジョーンの元にMI5の職員たちが突然自宅にやってくる。50年前の第2次世界大戦前にスパイ活動をしていた という容疑だった。アナーキストの団体の男に核兵器開発の情報を漏らしたことからソ連のスパイと疑われたようだ。実際に彼女は強国のバランスを考えてその情報を渡していて、そのことが今の平和(力の均衡)を保っている という信念があった。 ユニークな考え方も一理あるのでは? と思わせた。評価 〇プラス

「孤狼の血 LEVEL2」

広島を舞台にした新作邦画。呉原市を中心にしたやくざの抗争とそれに絡む警察の関与。前作から受け継いだ若い刑事(松阪四季)が独自の考えでそれをコントロールしようとするが、規格外の凄い奴(鈴木亮平)が出所してきた。二人の対決が軸の緊張感のある映画。目をくりぬくというシーンが何度も出ていて、今回はそれが「目玉」だった!?  評価 〇プラス

「ある女優の不在」

2018年イラン映画。イランで有名な女優のところに、ある少女から自殺を予告する動画が届く。驚いた女優は少女が住む北西部の村に向かう。そこで見たものは男女差別が歴然とする様だった。カンヌ国際映画祭で(「ドライブ・マイ・カー」と同じ)脚本賞を受賞した作品。私にはプラスアルファが足りなかったように思えた。 評価 〇マイナス

「ドライブ・マイ・カー」

公開前より話題になっていた邦画。今年の「カンヌ国際映画祭」で日本映画として初めて『脚本賞』を獲得した。村上春樹の同名の短編小説の映画化だが、大幅に加筆・脚色して3時間の見ごたえのある映画になっている。さすが濵口竜介監督だ。広島県内でロケしているのも嬉しい。文句なしに今年の1本! 評価 ◎プラス

「弱虫ペダル」

同名の人気漫画の実写映画。東京の高校生男子が秋葉原までいつも自転車で往復していたことから脚力がつく。その後自転車部に入って友人やライバルができる。自動車ロードレースの大会に出て結果を残すようになるまでを描く青春ドラマ。成長する過程はわかるが、自転車を題材にしている割に(?)ストーリーが一本調子で起伏もいまいちだった。評価 〇

「転がるビー玉」

2019年の邦画。再開発が進む東京・渋谷を舞台にした青春ドラマ。取り壊しが決まった格安のマンションでルームシェアする3人の若い女性が厳しい現実に直面しながらも、それぞれ夢を追う姿を淡々と描いている。特に感動はしなかった。題名が意味深だ。 評価 〇マイナス

「ザ・スーサイド・スクワッド ”極”悪党、集結」

DCコミックからの実写もののシリーズ第2作。といっても登場人物の何人か(ハーレイクイン その他)以外は前作との関連はない。特別な能力を持った死刑囚たちが恩赦のために政府の傭兵として中南米の独裁国の崩壊に挑むストーリー。ただそこにはエイリアンに支配された塔があった。ハチャメチャなアクション。評価 〇マイナス

「キネマの神様」

山田洋次監督89作目の新作。原田マハ女史の原作を大幅に変えている。「松竹映画100周年記念」と銘打って制作された。古き良き活動映画時代とそれから50年後の現代を描いている。いかにも人情派の山田監督らしいとも言えるが、感覚が古いともいえる。このコロナ禍で主演に予定されていた人が亡くなるなどして話題性は多かったが、、、。決して悪い作品、悪い出来ではないのだが、、、、。 評価 〇マイナス

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