2020年03月

「天空の城 ラピュタ」

ご存じスタジオジブリ映画。1986年の宮崎 駿監督作品。34年前のアニメで古さを感じさせるが、内容的には凄い!の一言だ。伝説の浮島:ラピュタを巡る人間の欲と野望の下での争いを描いた痛快娯楽冒険活劇。改めて宮崎監督の発想の豊かさと人類への警鐘の気持ちを感じた。2時間を超える長さで子供向きではないが、やはり一度は見ておきたい映画だ。 評価 ◎

「希望の灯り」

2018年のドイツ映画。元受刑者が大型スーパーに勤めることから映画が始まる。その男性が主人公。孤独な彼だが、真面目な仕事ぶりで仲間もできる。訳ありの人妻とも交流ができるが、、、。寡黙で台詞が極端に少ないが、それはそれでいい味を醸し出していた。日常生活の中で普通に生きるということの難しさとその意義を静かに問っていた。評価 〇プラス

「弥生、三月 君を愛した30年」

邦画の新作。題名のように高校1年からの長い男女の関係を、ある年の3月のある日を綴った作品。1986年3月の出会いから、1988年3月の卒業、その後お互いの結婚によるブランクと再会。その間には共通の同級生サクラの墓参り、そして2011年3月の東日本大震災による被害もあった。ラストは2020年3月 50歳になった二人への生前のサクラからのテープでのメッセージ。 抒情的に流れている感が強く、優柔不断な二人に共感はできなかった。 評価 〇

 

「道」

1954年のイタリア映画の名作。アカデミー外国語映画賞を獲得したことでも有名。監督:フェデリコ・フェリーニ。内容はご存じの人も多いだろう。久しぶりにNHKBSで放送されたのを見た。今から66年も前で、その当時のイタリアの山村の風景が痛い。人も荒んでいるし、貧しい。大道芸人の生活も厳しい。しかし、その中でも光るものを感じた。それは人の純粋さやひたむきさかもしれない。評価 ◎

「美人が婚活してみたら」

2019年の邦画。題名から違和感を持つ人も期待度が高まる人もいるかもしれない。美人ながら32歳で独身のヒロインの浮ついた婚活の様子を、結婚生活で悩む友人の現実と対比させながら描いたライトコメディ。主人公の黒川芽以って美人女優なの? 友人役の臼田あさ美の方がやはり魅力ある(大いに主観が入っているが)。婚活って本当に大変だ。昔はおっせかいな仲人さん(?!)がいたのになあ。今を嘆くなかれ。 評価 〇

「ブラインド・マッサージ」

2014年中国映画。題名から風俗を思い浮かべる輩も多いと思うが、いたって真面目な社会ドラマ。中国本土でも視覚障碍者は多くいて、仕事は日本と同じあんまというかマッサージ業が主体のようだ。南京のマッサージ院を舞台に、そこで働く男女の人間模様を鮮烈なタッチで描いたヒューマンドラマ。ノンフィクションではないようだが、実際に目の不自由な人々が参加していてドキュメントを観ているようだった。 評価 〇プラス

「ボクは坊さん。」

2015年の邦画。祖父の急死で寺の住職となった青年の実話の映画化。四国の寺で生まれ育って一応京都の寺で修業をした主人公であるが、同僚たちの中には修行を終えて他の道に進んでいった者もいる。そんな時急遽後継ぎになった伊藤淳史扮する主人公が、住職となって初めて知る僧侶の世界に戸惑いながらも成長していく様を描いていた。決して甘くない現実と人間の死という厳粛さを感じた。特に、寺の総代(イッセー尾形)とのエピソードには深いものがあった。 評価 〇プラス

「一度死んでみた」

新作の邦画。題名のようにある新薬で2日間だけ死ぬことができることから起きるドタバタ喜劇。大風呂敷過ぎてあまり共感できず、サプライズもなかったなあ。この手のコメディはやはり観客の賛同をもらうことが難しい。俳優は皆頑張っていたが、、。 残念。評価 〇マイナス

「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」

2018年の邦画。長い題名で、ある意味映画の内容を総て表しているようだが、プラスアルファがあるとすればそれは何だ という感覚で映画に臨んだ。安田 顕と倍賞美津子の親子の関係が素晴らしい。次男で末っ子だった主人公の、母親への気持ちが痛いほど伝わった。特に中学生の時に白血病で入院したことと母が末期のがんと分かってからの最期の2年間は、共に厳しいが懐かしい大切な思い出になるだろう。 評価 ◎

「37セカンズ」

素晴らしい邦画を観た! 原題は『37秒』のことで、その意味は映画の終盤に明らかになる。私は障碍者の女性の話 ということしか知らずに観にいった。ドキュメンタリー映画かな? とも思ったが、堂々とした俳優たちの演じたフィクションだった。今の日本の一面を見せると共に人が生きる意味を含んだ感動の映画だった。是非予備知識なしに観て欲しい。 評価 ☆

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