院長コラム

「バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー」

2021年のフランス映画。邦題が語っているように、ハリウッドのアメコミ映画をモチーフにしたパロディアクション映画。撮影現場の事故で記憶を失くした俳優が、そのコステュームを見て自分はスーパーヒーローだと思い込んだことから起きる大騒動を描いている。笑いと下ネタ満載で、この手のコメディとしてはよくできていて、期待以上に楽しめた。評価 

「アフターサン」

新作のイギリス=アメリカ映画。海外で高く評価されている。20年前のビデオテープに残る11歳の少女とその若い父とのひと夏の想い出を綴っている。主人公の女性が過去を振り返って、離婚した父と二人でトルコの小さなリゾート地で過ごした夏を見せてくれる。何もなかった二人の時間を見せているだけで、当時を振り返って大人になった女性(この映画の脚本と監督をしている)の気持ちは解らなかった。残念。題名は『アフターサンクリーム』すなわち日焼け止めのクリームからきている。評価 〇マイナス

「劇場版 ラジエーションハウス」

テレビシリーズの映画化。この手の映画は予備知識がないと人間関係が解りにくいかもしれない。未知の感染症が発生した現場に居合わせた主人公の放射線技師(実は医師の免許も持っている)が仲間と共に、その原因を突き止め島民たちを救う というストーリー。テレビ版の延長で可もなく不可もなし。評価 〇マイナス

「クリード 過去の逆襲」

新作洋画。かつてのボクシング映画「ロッキー」シリーズから派生しているこの映画も2015年からの3作目となる。チャンピオンのまま引退したアドニス・クリードが再びリングで戦う羽目になる。主役(マイケル・B・ジョーダン)が監督も兼ねている。副題のように過去の汚点が蘇って主人公を苦しめる。今回の出来は普通程度になってしまった。残念。評価 〇

「犯罪都市」

2017年韓国映画。2004年のソウルを舞台に、二つの暴力団の抗争の中に3人の中国マフィアのヒットマンが乗り込んでくる。彼らの超暴力に韓国ヤクザたちはたじたじになる。それらを一掃するために暴力団対策の刑事(マ・ドンソク)たちが活躍するアクション映画。実話に基づいた脚本が凄い。 評価 〇プラス

「ベルイマン島にて」

2021年フランス=ベルギー映画。題名のようにスウェーデンの巨匠 故イングマール・ベルイマン監督ゆかりの島を舞台にした映画。スランプに陥っている映画監督の夫妻の愛憎と創作での葛藤を描いた心理ドラマ。二人の悩みを妻が次回作として構想中の劇中劇を含んだ映像で見せてくれて、カオス的でもあったアート系の作品。評価 〇

「ボストン市庁舎」

2020年のドキュメンタリー映画。 題名のようにアメリカ・ボストンの市庁舎で営まれている健全な市政のあり方や職員&市民の姿を映している。4h35はさすがに長かった。これがあらゆる国の行政の手本となるのであれば、多くのそれを扱っている人々に観てもらいたい映画だ。評価 〇

「ワイルド・スピード ファイヤーブースト」

洋画の新作。このシリーズも10作目になる。いつも楽しみにしている映画だ。車を使っての派手で荒唐無稽なアクションは、いつ観ても心が躍る。今回初めて4D日本語吹き替え版で鑑賞した。世界でロケして意味のある大作になっていた。これまでのキャラクターも出ていて、集大成の趣がある。但し、今回は完結していなかったのが残念。2年後を待とう。 評価 ◎

「スワンソング」

2021年のアメリカ映画。実在の美容師をモデルに、描いたハートフルな作品。老いたゲイのヘアーメイクアーチストの最期の仕事とは? それは死んだ親友に死化粧をすることだった。それをするために老人施設を抜け出して旅をするロードムービーでもあった。このような小品が見られるのも嬉しい。評価 〇プラス

「わたし達はおとな」

2022年の邦画。劇作家:加藤拓也の長編映画デビュー作品。大学生のカップルが、思わぬ妊娠から溝ができていく様を描いている。妊娠の事実を知った二人がそれぞれの気持ちを伝えようと話し合うのだが、妙な理屈をつける男には辟易した。20代の恋愛の危うさと、もどかしさをリアルに見せるという趣旨の通りではあった。題名は反語的だ。評価 〇

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