院長コラム

「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」

8月6日「原爆祈念日」の夜WOWOWで放送された。13歳の時に広島で被爆し生き延びたある日本女性のドキュメント。その後縁があってカナダ人と結婚された。アメリカ大陸に移り住んで自らの被爆体験を語り伝えるとともに反核運動に尽力している様を、この映画の共同制作者である竹内 道さんのファミリーヒストリーと共に綴っている。広島市民だけでなく日本人には必見の映画だ。評価 ◎

「はちどり」

2018年の韓国映画。時は1994年。その時に14歳だった少女が「はちどり」のように常にはばたいていないと生きていけない(精一杯生きている)様子を淡々と綴っているアート系の香りの強い映画。家族、同級生や後輩、そして塾の女性教師などとの交流が細かく描写されていて、監督の自叙伝的な内容だった。「ポケベル」などの小道具も効いていた。 評価 〇プラス

「軍旗はためく下に」

1972年の邦画。結城昌治の直木賞受賞作を基に深作欣二監督が映画化した鮮烈な反戦映画。ある軍曹が第2次世界大戦末期パプアニューギニア戦線で「敵前逃亡」により処刑された。そのため戦後残された家族に遺族年金が支払えないことを受けて、その真相を知るべく生還した兵士たちを一人ずつ訪ね歩いた未亡人が知ったこととは! もっと様々な凄い事実がいろいろとあるのだろう。衝撃的な問題作。このようなテーマでの映画化は今はもう難しい。 評価 ◎

「ステップ」

邦画の新作。4月公開が3か月延びての公開。若いお父さん:健一が妻の急死により、娘の1歳半から小学校卒業までの10年余りを奮闘する話。重松 清氏の原作。娘:美紀を3人の少女が演じていて、どれも可愛い。母のいない生活での不自由さをみせながらも二人で懸命に明るく生きている姿が愛おしかった。ただ、これから思春期に入る美紀であり、再婚を考えている健一と共に、更なる困難があるだろう。 義理の父役:國村 隼 好演。評価 〇プラス

中島みゆき 夜会VOL.20『リトル・トーキョウー』

ご存じ1989年から続いている「夜会」の最新版で、2019年1月~2月に東京で行われた第20弾の舞台のライブ映像。臨場感のある画面を再現している。アップも多様しているので一人ひとりの顔の表情がわかる。全曲中島みゆきさんが作っている。相変わらずシュールな筋立てであるが、わかり易い方だった。東京に行かなくても味わえるのが嬉しい。評価 〇プラス

「海辺の映画館 ーキネマの玉手箱」

尾道出身の大林宣彦監督の新作にして遺作。映画館が廃館になるのに際して多くの人が集まる。そこにいた3人の若者がスクリーンを通して過去の日本にタイムスリップして、これまでの殺戮と戦争の実態を体験する。その根底には「戦争反対」があった。映画の最後は原爆投下の広島と「さくら隊」のエピソードもあり、大林監督が生前それを撮りたかったことを思いだした。まさに監督の集大成と言ってよいだろう。3時間と長い。評価 〇

「いちごの唄」

2019年の邦画。高校生の二人の男子が共に憧れていた同級生の女子がいた。ある日、その女子を守るために一人が交通事故に巻き込まれて死んでしまう。数年後生き残った二人が東京で偶然再会して、その後も「七夕の夜」に再会することになる。そして事故に関してお互い知らなかった事実が判る、、、という甘酸っぱい思い出を見せてくれた佳作。脚本家の岡田恵和氏とミュージシャンの峯田和伸氏の共著を基に映画化。NHKの連続テレビの『ひよっこ』のキャストが多く出ているのに驚いた。 評価 ◎

「パリに見出されたピアニスト」

2018年のフランス=ベルギー映画。最初ドキュメンタリー映画かと思ったが、フィクションドラマだった。題名が凄くてどんな内容か興味があったが、若いピアニストの話だった。パリの貧しい家庭に育った青年が、ある日駅の構内に置かれているピアノで演奏している時に、プロの音楽家にその才能を認められてスカウトされる。そこから激しいレッスンをうけて花開くまでを追っている。いわゆるサクセスもので特に目新しさはなかった。評価〇

「パリの家族たち」

2018年のフランス映画。パリを舞台にした群像劇。働く母親たちを主人公に、仕事と家庭の狭間で葛藤する彼女たちが多様化する社会の中で生きていく姿を淡々と描いている。その中で『母の日』を作ったアメリカ人:アンナ・ジャービスと母親像が有名なホイッスラーの絵画の話が印象的だった。様々な母と子供たちの姿はとても一筋縄ではいかないことも教えてくれた。評価 〇プラス

「12か月の未来図」

2017年のフランス映画。堅物の教師が文部大臣の肝いりで、ある地区の学校に1年の約束で赴任する。そこは移民と貧困が蔓延している地区で、生徒たちの教育が困難なところだった。今までの教育実践が役に立たないと知った中年教師は、自ら考え方を変えて生徒たちの中に入っていく、、、。フランスが、いや世界中で直面している社会問題を未成年の教育の場から考えさせられた佳作。若い女性教師とのほのかな恋心が切なく美しかった。 評価 〇プラス

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