2021年05月

「クルエラ」

ディズニーの実写新作。上映する劇場が少ないことに驚いた。かつては1961年のアニメ「101匹わんちゃん」で悪役を演じたクルエラ(デ・ビル)を新しい解釈で見せてくれる。悪役が必ずしも「悪」ではないという風潮がある現在どうしてクルエラが誕生したのか? という内容で、1970年代のロンドンを舞台に描いている。二人のエマ(ストーンとトンプソン)の競演がニクイ。面白く観られた。評価 〇プラス

「レディ・マエストロ」

2018年のオランダ映画。実在した女性の指揮者アントニア・ブリコの半生を描いたドラマ。アントニアはオランダ系アメリカ人としてニューヨークで育ち、音楽家(のちに指揮者)を目指していた。彼女の生い立ち~養女だった~や女性への偏見が満ちていた1920年代、単身でヨーロッパで修業する。徐々に頭角を現して一部で認められるようになったが、それでも性差別の壁は大きかった。見所のあるスケールの大きな内容で今でも同様の問題が存在している。その意味でいま観るべき映画でもあった。 評価 ◎

「僕の中のあいつ」

2019年韓国映画。やくざの企業の社長が純な高校生と心が入れ替わって繰り広げられるドタバタ騒動。コメディであるがアクション部分もかなり凄い。この手の設定はまさに映画ならではで、プラスアルファも感じられて面白い作品になっていた。さすが韓流! 評価 〇プラス

「サンドラの小さな家」

2020年のイギリス映画。劇場で最終日に観た。DVのために夫と別居して、幼い娘二人と生活している母親サンドラが主役。いろいろな仕事を掛け持ちしているが生活は厳しい。その中で3人で一緒に暮らせるようにNETの情報から家を建てることを思いつく。大変な作業で、クリアしなければならない問題が多々あったが、様々な援助の手が差し伸べられる、、、。困難な時代に夢を持って生きる女性の姿が愛おしかった。冒頭腰痛でサンドラに介助してもらっていた老女医師が素晴らしく、助演女優賞をあげたくなった。 評価 ◎

「マルモイ ことばあつめ」

2019年の韓国映画。日本統治下の昭和10年代の朝鮮を舞台に、失われていくかもしれない母国語~特に地方地方の豊かな方言~を守るために、厳しい日本軍の弾圧と監視の中で朝鮮語の辞書作りに奔走した人々の不屈の戦いをみせてくれる。映画の中では日本語も頻回に出てくる。加害者の立場で観ざるを得ないが、それでも志のある映画になっていた。評価 〇プラス

「赦しのちから」

2019年のアメリカ映画。不幸な環境にいた黒人の少女が中距離のランナーとして認められるまでを描いた実話に基づいた映画。そこには元バスケットボール部のコーチとその妻と”神”がいた。バスケ部を不祥事で首になったコーチがクロスカントリー部の顧問となり、喘息を持つ女子高校生と起こす奇跡を描いているが、信仰の力が支えになった というくだりが少し面映ゆかった。 評価 〇プラス

「いのちの停車場」

吉永小百合122本目の映画。ある事情で故郷の金沢で在宅医療に携わるようになった女医の話。同名の原作本があるようだが、それをうまく脚本化していないように感じた。同じ医者のはしくれとして突っ込みどころの多い設定だった。残念! 評価 △

「水を抱く女」

2020年のドイツ映画。原題は”Undine”『ウンディーネ(オンディーヌ)』。女性の名前でヨーロッパでは水の精の神話があるという。ベルリンで都市開発を研究している女性ウンディーネの究極の恋愛を描いている。90分という短い中での濃密なドラマで最後まで楽しめた。邦題の妙?! 評価 〇プラス

「夏時間」

韓国映画。夏休みに入った時、父の提案(実は事情があった)で祖父が一人で住む家に弟と3人で引っ越した中学生の女子の目を通してみたひと夏の体験。特に何ってことのない平穏な時が刻まれる。最後にはその祖父の急死~葬式があるが、これもまた日常の一コマだ。淡々と過ぎていく時が貴重であり懐かしかった。評価 〇

「ファーザー」

洋画の新作。今年のアカデミー賞で2度目の主演男優賞をアンソニー・ホプキンスが獲得したことで話題になっている映画。ロンドンで暮らしている81歳の老人アンソニーが主人公。彼の老いを心配してくれる娘のアン(オリヴィア・コールマン)が面倒をみている。アンソニーはアンが手配する介護人を拒否したり、見当識や記憶力の衰えを感じながらも生活しているが、次第に夢うつつの状態が強くなっていく、、。戯曲の映画化であり、それぞれの演技は素晴らしいが、やや退屈だった。 評価 〇マイナス

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