2023年03月

「ハッピー・オールド・イヤー」

2019年のタイ映画。断捨離を通して成長していく若い女性を描いた青春ドラマ。主人公の20歳の女性は、山のようになった家の中を改装してシンプルな家を目指す。そこには別れた夫(父)を忘れられない母の姿があった。兄も含めて、それぞれの過去を断ち切るべくファンキーな女友達と共に片付けを始める。新しい感覚の映画で好感が持てた。 評価 ◎

 

「阿弥陀堂だより」

2002年の邦画。東京から夫の故郷である信州の山里に移住した夫婦が、そこで素朴な人々との触れ合いを通して人生の生きる意味を静かに問っている佳作。田舎の風景が美しく、また懐かしい。主人公の女性(樋口可南子)は、都会の生活で心に傷を負った医師で、村民を診ながらも自らも癒されていく。夫役の寺尾 聡も素晴らしい存在感だった。 評価 ◎

「ロストケア」

新作邦画。題名は映画の中でも言っていたが『喪失の介護』とのこと。民間の介護士の男性が、あることからそれまで自宅介護していた41名を殺したことで逮捕される。しかし、検事の取り調べで、彼は「それらの命を救った」と供述した。「安楽死」の問題を含めて、不治の病や痴呆症の老人を自宅で介護しているその家族の窮状を考えたら、その人を殺すことが絶対の悪か? という問題提起がこの映画の本質でもあった。脚本や演出、キャストなど皆上手くて臨場感があった。必見の映画だ。 評価 ◎

「レディ・アロー」

2022年のオ―ストラリア映画。無名の俳優ばかりだ。邦題もシンプル。アーチェリー選手の主婦が主人公。夫婦と娘との3人で貸別荘を訪れた際に、武装グループに夫を拉致されてしまう。主人公は弓矢で一人戦う、、。それ以上でも以下でもなかったが、殺し方(?)は、かなり残酷にみえた。評価 〇

「天気の子」

2019年の大ヒットした日本のアニメ作品。監督は新海 誠。それまでも単独で多くの長編アニメ作品を作っていたが、今回大手の東宝で手掛けた第2弾の野心作。天候の調和が狂っていく時代。不思議な能力を持つ少女と家出少年が繰り広げる愛と冒険を描いたファンタジー。劇場で観て、久しぶりに自宅で見たが、やはり同じような感想しかない。 評価 〇

「エール!」

2014年のフランス映画。高校生のポーラの家族は彼女以外(両親と兄)耳が不自由。(それをCODAコーダという)ある日、コーラス部の顧問がポーラに歌の才能を見出し、音楽学校への受験を勧めるが、、、、。この映画がアメリカでリメイクされ、昨年のアカデミー賞作品賞を獲得したのが「コーダ あいのうた」だ。フランスの原作映画は実に素朴だった。農家での日常もいかにもフランスらしかった。評価 〇プラス

「エンドロールのつづき」

2021年インド映画。インド版『ニュー・シネマ・パラダイス』と宣伝されているが、そう思ってみるとかなり違う印象だった。1980年代、田舎町で貧しい暮らしをしている一家4人の9歳の少年が主人公。家族で行った映画館での映画が忘れられなくて、映画館に入り浸る。フィルムの原理を知り、さらに深くのめりこむ。映画館の衰退状況を目のあたりにしても、少年は未来に向かって町に出る、、、、。今は映画監督として名を馳せた人の回顧の話のようだ。  評価 〇プラス

「シン・仮面ライダー」

新作邦画。内容は言わずと知れたもの。50周年記念だそうだ。 監督は「シン・ウルトラマン」などを手がけた庵野秀明氏。それぞれの想いがあるのだろうが、映画的には不親切な内容で、私は全くノレなかった。残念。評価 〇 マイナス

「ワース 命の値段」

2019年のアメリカ映画で、封切り作品。原題は”WORTH” 『価値』ということ。2001年の9.11の大惨事の後、犠牲者になった人々の残された家族に補償金を支払うという国家的な大事業に携わった弁護士たちの苦悩と仕事ぶりを描いたシリアスな作品。ドキュメンタリータッチで臨場感があった。主人公の弁護士がユダヤ系だったことへの反発も見せていた。 評価 〇プラス

「湯 道」

新作邦画。風呂に入るにもある種の決まりがある? 「茶道」などと同じくその道を極める? というコンセプトながら、根本的には日本人ならではの人情喜劇だった。寂れた町の銭湯を舞台に、営む兄弟とそれを慕う人々が集って盛り上げる というもの。まあ「ぬるい」内容だった。 評価 〇

ページ上部へ