2021年04月

「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」

2017年イギリス映画。二人の女性によるラブロマンス。厳格なユダヤのコミュニティのもとで育った二人。一方のロリートはラビの娘として生まれ、父の影響のないアメリカに住んでいる。その父の急死を知り久しぶりに故郷のイギリスに帰ってくる。そこで昔恋仲だったエスティが若いラビの妻として迎えてくれた。禁断の恋の再燃とその苦悩、そして将来のことなどを見せてくれる。二人のレイチェル(R・ワイズ とR・マクアダムズ)が上手く演じていた。評価 〇

「ルル・オン・ザ・ブリッジ」

1998年のアメリカ映画。懐かしさ一杯。というのもその年の私のベストテンの上位にしたので。人気作家ポール・オースターの監督(単独)デビュー作として当時の単館ロードショーで話題になった。瀕死の重傷を負った中年のミュージシャンが辿る特別な石を巡っての ある女性との数奇な出会いと別れ、そこには満たされないもう一つの人生があった、、、、。 ラストは切ない。いま見ると多少色あせていた。 評価 〇プラス

「セラフィル・フォールズ」

2006年のアメリカ映画。西部劇の様相を呈したヒューマンドラマ。南北戦争後の混乱の時代に妻子を殺された男の復讐劇。冒頭から追われる男と追う者たちの攻防が続く。次第にそれらの人間関係が明らかにされながら悲しい過去と戦争のむなしさを問った秀作。題名がよく解からないのがマイナスか。 評価 〇プラス

「記憶屋 あなたを忘れない」

昨年の邦画。恋人から忘れられてしまった青年が主人公。その原因を探るうちに人の記憶を消すことができる『記憶屋』の存在を知り、その正体に迫る というサスペンスではあるが、決してホラーにはなっていない。むしろ消さねばならなかった暗い記憶の方に救いを求めていた。広島の呉も舞台になっていて呉弁と共に懐かしかった。エンドクレジットの名曲には驚かされた。評価 〇

「ソニック・ザ・ムービー」

2020年のアメリカ映画。日本の人気ゲーム「ソニック」シリーズを基にした冒険活劇ドラマ。アニメと実写をうまく組み合わせている。異星からやってきたハリネズミのソニックが田舎町の警官と共にバディを組んで、ソニックを調査に来た悪の天才科学者(ジム・キャリー)らと戦うアクション作品。可もなく不可もなし。評価 〇

「太陽の蓋」

2016年の邦画。昨日紹介したのと同様に東日本大震災および福島の原発事件を扱った社会派ドラマ。ノンフィクションの形でその5年前の災害、それに対する当時の民社党政権の対応と福島の住民たちの状況など5日間描かれていて、その数年後の検証もインタヴュー形式で行われていた。このような映画は貴重だ。評価 〇プラス

 

「家路」

2014年の邦画。どこか懐かしい印象のある優しい言葉である。この映画は東日本大震災による原発事故で、故郷も農地も追われた福島の農家の物語。生き残った家族のそれぞれの想いを綴ったヒューマンドラマで、まるでドキュメンタリーのよう。他の土地に追われて行く者と汚染の下でも農業を続けていこうとする者、どちらも辛い現実がある、、、、。 評価 〇プラス

「30年後の同窓会」

2017年アメリカ映画。邦題のイメージと大分違った内容だった。3人の中年男が主人公。一人の男の息子が海外派遣先で死亡して戻ってくる。それを30年ぶりに再会した2人が慰め合う というシリアスな話。ある種のロードムービーでもあった。息子の死からそれぞれの人生を振り返る という点では面白いが、題材がやはり暗いというか日本では馴染にくかった。 評価 〇マイナス

「シェイクスピアの庭」

2018年イギリス映画。演劇界を退いたシェイクスピアが故郷に帰り余生を送ろうとするが、彼の名声を聞きつけた者たちがほっておくことはなかった。自らシェイクスピア俳優であり、監督も出がけているケネス・ブラマーが今回も監督と主演を演じている。シェイクスピアのことを知っている人にはたまらない魅力があっただろう。評価 〇

「ハニーランド 永遠の谷」

2019年のマケドニア映画。海外でも高く評価されたドキュメンタリー作品。北マケドニアの厳しい山岳地帯において、養蜂で生計を立てている女性の一家を静かに見つめている。これといった劇的な出来事はないが、目の見えなくなった母親の死に際して昔からの風習を持って接していくなど本来の人間の営みを見せてくれた。評価 〇マイナス

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