2019年11月

「最高の人生の見つけ方」

10月に同名の邦画が封切られたが、これはその映画の基になった2007年のアメリカ映画。ジャック・ニコルソンと今も元気なモーガン・フリーマンの二人が主演している。大筋では日本版と変わらないが、白人と黒人の男たちのドラマで、よりスケールが大きかった。余命少ない二人の老人がそれまでにやり残したことをするために協力していく姿が素晴らしかった。その意味では邦画版もそのエッセンスを生かしていたというよう。改めてオリジナルの良さを確認した。私の年間ベストテンでは邦画「おくりびと」に続いての第2位にしていた。評価 ☆

「”樹木希林”を生きる」

亡くなって1年以上経つが、彼女のことを書いた本が今も売れ続けている。この映画はその彼女の晩年の1年をNHKの職員が一人で密着取材をしたドキュメンタリー。4本の映画(いまどれも完成し公開された)制作現場と共に日常の樹木希林さんを静かに見せてくれている。いまだからこそこの映画を撮った意義が感じられる。凄い人だった。 評価 〇

「エンド・オブ・ステイツ」

今年のアメリカ映画。かつて2度も大統領の危機を救ったシークレット・サービスのマイク・バニングが主人公で、シリーズ第3弾。今回も大統領の警護中、大統領が休暇を取っていた湖で空から大量のドローン爆弾に襲われ、大統領とマイクだけが一命を逃れる。しかし、マイクがその暗殺の容疑者として指名手配されてしまう。サスペンスと凄いアクションが売りのこのシリーズ、ストーリーはシンプルで楽しめるかどうかだが、私は好きです。評価 ◎

 

「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」

昨年公開された日本映画。九州を舞台にした架空の遊園地「オズランド」を舞台にした人情ドラマ。一流ホテルに就職した女性が系列の地方の遊園地に配属され、恋人を残して赴任する。初めはやる気もなく意気消沈していたが、そのうちに仕事のやりがいに目覚めていく成長の話。よくあるテーマではあるが、それなりに見せてくれた。評価 〇

「沈黙、愛」

2017年の韓国映画。有名歌手ユナとの再婚を控えた大物実業家イム・テサン。だが、ユナが何者かの殺され、容疑者として素行の悪いイムの最愛の娘が逮捕される。イムは弁護士を雇って真相解明に乗り出す。そこで事実を知り、それを違う方向に向けていく、、、。凄い究極の「愛」を見せてくれた。 評価 ◎

「ホテル・ムンバイ」

2008年にインドのムンバイの五ツ星ホテル(タージマハール・ホテル)で起こったイスラム過激派の若者による無差別テロ事件と、そこにいた大勢の客とスタッフの生還のドラマ。ドキュメンタリー的な緊張感が溢れているが、その中でも核になる人々がいた。その意味で映画の展開はわかり易かったし、結果も予想の通りだった。観終わった後の解放感もあり、上手く作られた作品になっていた。評価 ◎

「2重螺旋の恋人」

2017年のフランス映画。監督は鬼才のフランソワ・オゾン。主人公の女性クロエは自分が通っている精神分析医のポールと同居するようになる。ある時にポールによく似た男(ルイ)と出会う。二人は訳あり(?)の双子だった。おとなしいポールよりも粗野なルイに心惹かれ、やがて肉体関係を持つようになり、三角関係に陥るか、、、と思ったら、後半は思わぬ展開になった。ネタバレになるのであえて書かないが、きっと観客は皆驚かされるだろう。心理サスペンスドラマ。 評価 ◎

「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」

中国映画。役所広司が中国人(?)として主役を張っている。ヒマラヤ救助隊の隊長役で、エベレストの山頂付近に墜落した飛行機から機密文書を探すミッションを仲間と請け合うストーリー。極寒の場所でのアクション映画であるが、荒唐無稽すぎて私はダメだった。あんな装備で大丈夫? 観ている方が寒くなった。評価 △

「パパはわるものチャンピオン」

2018年の邦画。現役のプロレスラー 棚橋弘至が主演した人間ドラマ。かつてはトップレスラーとして活躍していたが、けがのため覆面悪役レスラーとして今しがない生活を送っていた男が、息子のために再びヒーローとして輝けるか?! というストーリー。演技的にも見られる出来だった。評価 〇

「アイリッシュマン」

NETFLIXで11月末から全世界で配信される新作映画。USAを始め日本でもその前に1~3週間限定で劇場公開されている。マーチン・スコセッシ監督の3時間半の犯罪映画。しかし、その長さを感じさせなかったほど面白かった。1950年代から現在(?)までの長きに渡ってアメリカの裏社会で生きてきたヒットマンの人生を描いた大河ドラマ。評価 〇プラス

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