2024年02月

「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」

2023年の邦画。新宿・歌舞伎町を舞台に、バーのママ兼探偵のマリコが活躍するドラマ。種々雑多な人々が集う中で、エイリアンを奪った科学者を捜す依頼をFBIから受けたマリコに、更なる困難が降り注いでくる。それらを紐解くと、人類を左右する事件が根底にあった。荒唐無稽もここまでくると、ただ見るしかないよな。評価 〇

「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」

2021年イギリス映画。猫をモチーフにしたイラストで人気を集めた英国人画家ルイス・ウェインの生涯を綴る伝記ドラマ。副題のように妻とネコがきーになる。20世紀の初頭、母と4人の姉妹に囲まれて育ったウェイン。自分の気持ちを素直に伝えられるのは妻と猫だった。妻とは短い夫婦生活で、癌で死んでしまう。その痛手を慰めてくれたのは猫をスケッチすることだった。全体的に暗くて、変人として描かれてあった。評価 〇マイナス

「離ればなれになっても」

2020年のイタリア映画。3人の男と一人の女が織りなす40年を描いた大河作品。美しい少女と少年たちが共に育ち、一組のカップルが生まれる。ただその後彼らが時代の荒波の翻弄されながら、別れと出会いを繰り返していく。ラストはそれぞれ中年になった彼らが再会して、昔の友情を取り戻す、、、。本国イタリアで大ヒットしたそうだ。 評価 〇プラス

「落下の解剖学」

封切のフランスの映画。昨年のカンヌ国際映画祭で最高のパルムドールを獲得し、今年のアカデミー賞でも作品賞や主演女優賞にノミネートされている。ストーリーはシンプルで、ある雪山の山荘で男が死んだ。その男の妻に殺人容疑がかかり、唯一の証人は視覚障害のある11歳の息子だった というもの。果たして事故か、自殺か、殺人かを問う裁判劇。原題も同様だが、他の邦題にして欲しかったなあ。2h32は長かった。 評価 〇マイナス

「それでも私は生きていく」

2022年のフランス映画。シングルマザーの女性が老父の介護と新しい恋のはじまりという二つの局面の中で揺れ動くさまを静かに撮っている。元高名な哲学者だった父が体だけでなく認知症になっていく様を見て、娘の力だけではどうしようもなくなる状態は今の日本と同様だった。妻子ある旧友との恋も困難な状態で、結局題名のような感じにしかならなかった。評価 〇

「小さき麦の花」

2022年中国映画。地方の寒村を舞台に、名もなく貧しい夫婦の苦難の日常を綴ったドラマ。自然の脅威や時代の変革の波にさらされながらも、結婚したての二人が互いに寄り添って生きていく姿は、とても今の時代とは思えなかったが、このような人々もまだ多くいるのだろう。中国でも異例のヒットをしたようだが、それはなぜかな? 報われない人生というのは哀しい。 評価 〇プラス

「ナイアド ~その決意は海を越える~」

新作洋画。題名は主人公のダイアナ・ナイアドから来ている。実話に基づく話。マラソンスイマーを引退して30年。60歳になったダイアナが一度失敗したフロリダ海峡横断165Kmに再度チャレンジするストーリー。今度は3度の失敗を経て、2003年63歳の5度目で達成した。ほとんど事実なので、改めてその凄さに感動した。今年のオスカーでも主演女優賞(アネット・ベニング)と助演女優賞(ジョディ・フォスター)がノミネートされているのも納得。二人の女優に乾杯! 評価 〇プラス

「雑魚どもよ、大志を抱け!」

2023年の邦画。今注目されている脚本家&監督の足立 紳の作品。彼の自叙伝的な小説「弱虫日記」を自ら映画化した。昭和末期の地方(山梨?)の町を舞台に、小学6年生の7人の様々な悩みと成長をノスタルジックに綴ったほろ苦い青春ドラマ。無名の少年たちが40年前の時代に確かに生きていた! 評価 〇プラス

「夜明けまでバス停で」

2022年の邦画。題名のようにバス停のベンチに座って寝ている女性のポスターが目を引く。2020年に実際に起こったホームレス女性の殺人事件を題材にした社会ドラマ。コロナ禍で住まいも仕事も失った女性を主人公に、社会に埋もれている人々を静かに描いている。映画では一筋の光明があった。評価 〇プラス

「身代わり忠臣蔵」

新作邦画。皆が知っている赤穂浪士と吉良上野介の戦いの顛末を変えずに、フィクション化した喜劇。松の廊下で切られた吉良はそれが原因で死んでしまう。吉良家の存続のために、瓜二つの弟をその代役(身代わり)にする、、という発想がユニークだ。さらにその代役が大石内蔵助と吉原で知り合ったことから二人で筋書きをつくる、、、。コメディとしては成立しているが、演出がもたもたして爆笑にはならなかった。 評価 〇

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