2024年05月

「missing ミッシング」

新作邦画。「行方不明」や「失踪」を表すが、ここでは「誘拐」が近いかもしれない。でも映画の内容からは幼い娘が「誘拐」されて、それを追う夫婦の話なので、どちらも当てはまる。犯罪の中で最も卑劣なものが、この誘拐だと思っている。誘拐された子の親の心情は予想以上のものだろう。本人以外にも周囲の人々に与える影響には大きい。またマスコミ(テレビ局)やSNS の対応などにはゾッとし、嫌悪感しかない。よくぞこのような映画を撮ったものだ。評価◎

 

「リバー、流れないでよ」

2023年の邦画.京都の北の町はずれで起こった2分のタイムワープのドタバタを描いたSF群像コメディ。ある日突然、旅館とその周辺だけで起こった事件、何度も同じ時間を共有するに連れて少しずつ謎が解けていくという推理劇でもある。無名の役者ばかりを用いたことで、臨場感が増した小品。    評価 〇プラス

「聖なる復讐者」

2022年の韓国映画。双子の弟を殺した犯人を捜すべく危険な少年院に入った青年が、その真相を探る壮絶なサバイバルを繰り広げる犯罪ドラマ。設定に無理があるせいか、あまり同調できなかった。 評価 〇 マイナス

「ノルウェイの森」

2010年の邦画。村上春樹のベストセラー小説の映画化。高校生の親友が自殺し、その彼女と再会した主人公の大学生が、二人で友人の死を改めて悼むと共に喪失感にどう向き合うのかを試行錯誤する様子を描いた究極のラブストーリー。村上氏の自伝的な背景があるようだ。監督はヴェトナム系フランス人で、その映像が美しい。評価 〇

「関心領域」

今年のアカデミー賞において国際長編映画賞&音響賞を獲得し、また多くの映画祭でも高い評価を受けた映画。ポーランドのアウシュビッツにおいて、収容所の隣にはナチスドイツの将校の一家が普通に暮らしていた というある意味衝撃的な事実を淡々と見せている。硬い邦題だが、ほぼ直訳だ。私には辛いというより退屈だった。残念! 評価 〇マイナス

「グラン・ツーリスモ」

2023年アメリカ映画。日本発の人気ゲーム『グラン・ツーリスモ』から生まれた実話を基に映画化された。ゲームに夢中になっていた世界各国の若者を集め、様々な試練を超えて合格した者たちが本当のG-1レースにプロのレーサーとして挑む様を描いている。「瓢箪から駒」状態だが、実際の話ということで再度驚いた。日産も全面的に協力していた。評価 〇プラス

「ジャッキー・ブラウン」

1997年のアメリカ映画。 アフリカ系の女性ジャッキーが主人公。キャビンアテンダント(スチュワーデスといった方がわかりやすいか?)の彼女が、違法な密輸に関していることを司法当局と犯罪者との双方に目をつけられる。そこに犯罪者を支援している弁護士が絡んで、意外な展開になっていく。当時では珍しい女性をヒロインにした異色の犯罪ドラマ。評価 〇

「スクロール」

2022年の邦画。男女4名の青春群像作品。将来への希望が持てずに、夢と現実のギャップに悩む若者たちを静かに見つめている。映画での「私」は、その一人の女性で、彼女の眼を通して語っている。 評価 〇

「猿の惑星 キングダム」

新作のアメリカ映画。このシリーズが新しくなっての4作目。前の時代から300年経っている。相変わらず地球は猿たちが主導権を握っている。人間たちは無知の者として、野に離されながら生きている。そんな時、ある一族の部落が襲われ、大半が捕虜とされて連れていかれる。主人公のノアは、彼らを助けるために賢者の老猿と、知的な人間の女性と共に旅に出る。新たな展開があるが、どうしても違和感がある~例えばサルたちは英語を話す。サルたちは皆裸 というか何も身に付けていない。火を怖がらず、扱う。武器はこん棒。一方、人間は皆薄手の衣装で局部を覆っていて、、言葉を話せない などなど~設定に無理がある。 まあお約束のSF映画ではあるが、、、。  評価 〇

「碁盤斬り」

新作邦画。題名のようにそれがある意味集大成になっていた。 但し予告編では全く分からなかった。江戸時代、彦根藩の家来だった主人公が、濡れ衣を着せられ、脱藩して娘と江戸の長屋で住んでいる。彼は囲碁が強かった。細々とひっそりとした日常で悶々としていた。ある時、藩の若手から新たな事情を訊かされ、汚名返上の旅に出る。その時に50両の紛失事件がおきる、、、。 ドラマチックな展開だが、どこか落語のネタを模しているようだった。いわゆる人情ものだった。評価 〇プラス

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