2020年01月

「ロマンスドール」

新作の邦画。究極の愛のドラマ。主人公はラブドールの制作工場で働く青年。ある時モデルになった女性に恋をして結婚する。しかし、青年は妻に自分の職業について話してなかった。平穏な時をすぎて妻が体調不良を訴える、、、、。その後の展開はあえて書かないが、映画の冒頭である程度分かる展開になっている。この男性の心理描写を中堅の女性監督タナダユキ氏(原作小説と脚本も兼ねる)が描いているのが凄い。主役の高橋一生と蒼井 優、脇役のきたろう、ピエール瀧などが皆うまく演じていた。今年9本目ながら最高! 評価 ☆

「それだけが、僕の世界」

2018年韓国映画。幼い時に母に捨てられた男が主人公。落ちぶれた元ボクサーの彼はある時にその母と再会する。母は存在すら知らなかった弟の面倒を見ていた。弟はアスペルガー症候群で、口はうまくきけないがピアノ演奏の天才だった。母は癌を患っていて、弟を兄に託すことを願っていた、、、。家族のあり方を問う意欲作で、こんなところにも韓国映画の底力を見た気がした。 評価 〇プラス

「マイ・プレシャス・リスト」

2016年のアメリカ映画。天才ながらコミュニケーション能力に欠ける女性の幸せ探しを描く青春ラブコメディ。IQ185で大学を出た主人公のキャリーは、引きこもり気味。セラピストから6つの課題を書いたリストを渡され、それを実行しようとするが、、、。ニューヨークを舞台にオフビート感覚の若者のドラマで、おじさんには共感できるところが少なかった。 評価 〇マイナス

「グッバイ・シングル」

2016年韓国映画。落ち目になっているテレビ女優が年下の恋人ともうまくいかずに落ち込んでいた。その時偶然妊娠して困っている10代の若い女性と知り合う。生まれた子供を引き取る契約をして、人気&注目されるように自分の妊娠を偽装して話題にするが、、、という人情コメディ。 ドタバタの中で生きることの意味をさりげなく教えてくれている。題名がややズレているかも。英語題名は『家族』。評価 〇

「キャッツ」

二度目は日本語吹き替え版で観た。やはり母国語で字幕なしで観られるのもいい。最近は歌までも日本語で上手に違和感なく演じているので、全く問題なかった。土曜日にも書いたが、舞台版をそのまま映画化するのではなくて、ある種のストーリー性をもって作られたこの映画版を私は評価したい。長年舞台で疑問に思っていた箇所が払拭できた。それが改悪とか茶番だと巷で評価されているが、それはそれで認めたい。ミュージカルの醍醐味を味わえた。評価 ◎

「CATS  キャッツ」

ご存じ舞台ミュージカルで有名な作品の映画化。ただ舞台のものをそのまま制作したのではなくて、いろいろと変えている。それが悪評になっているのかアメリカを始め世界ではヒットしていない。最後に公開される日本ではどうだろうか? 私は『劇団四季』の「キャッツ」を何度も観ているが、それと映画版は違う次元で作られていると思った。よってこの映画は認めたい。字幕版で観たが、日本語吹き替え版でも観るつもりだ。評価 ◎マイナス

「ラストレター」

岩井俊二監督の新作。25年前の同氏の名作「Love Letter」とどこか呼応する映画。氏の故郷である仙台市を舞台に、中年になった男女が懐かしい高校の同窓会での再会を機に、甘酸っぱい青春時代を振り返りながら現在のそれぞれの境遇を見つめ直す というノスタルジックなファンタジー作品。賛否両論はあるだろうが、いろいろと様々な映画を撮ってきた岩井監督の原点回帰的なこの作品を私は素直に受け入れた。評価 ◎

「フォルトナの瞳」

百田尚樹の小説の映画化。題名は「死が近い人間が透けてみえる」という超能力を意味する。その能力を飛行機事故から生還した青年(神木隆之介)が得てしまう。その能力に目覚め、先輩の命を助けたことから自分の体に変調を来す。病院で同じ能力を持っている医師から「運命に逆らわないように」諭される。その後恋人(有村架純)ができ、彼女の体が透けて見えてきた、、、、。その後の展開はあえて書かないが、映画はその後のエピローグがあった!  評価〇プラス

「7人の7追撃者」

2018年韓国映画。題名からどのような映画を想像するか? 私は一人(一つ?)のものを7人の人が追いかける というようなイメージだったが、全く違っていた。ある借金まみれの男が、母の手術代金が必要となる。そこに取り立て屋やそのボス、さらに政治家や殺し屋などが絡んで複雑になる という金を巡ってのドタバタアクションコメディ。なかなか面白かった。 評価 ◎

「リチャード・ジュエル」

クリント・イーストウッド監督の40本目の新作。1966年のアトランタオリンピックの時に、同市で起こった爆破テロ事件の真実を描いたサスペンス映画。太っちょで独身の警備員リチャードがコンサート会場で不審なバッグを見つけ、その爆弾での被害を少なくしたことで一躍ヒーローになるが、FBIは彼こそがその爆破犯人だとしてマスコミにリークする。それが冤罪だとは思えない方向に向かう。警察などの権力の怖さと共に一庶民の立場の危うさを実感した。さすがイーストウッド作品だ。直訳の邦題で集客力が心配だが、必見の映画だ。評価  ◎

ページ上部へ