2023年06月

「青いカフタンの仕立て屋」

2022年のフランス=モロッコ(その他)映画。モロッコの古い町の路地を舞台に、そこで仕立て屋をしている夫婦と新しく来た若い職人の話。彼らは伝統的な礼装である民族ドレス:カフタンを作って販売している。妻は病魔に侵され余命いくばくもない状態である。男2人と女性の三角関係は映画の題材としてよくあるものだが、今回は一味違うテイストになっている。女性監督ならではの繊細さが胸に刻まれた。評価 〇プラス

「愛に奉仕せよ」

2022年韓国映画。中国の小説を北朝鮮を舞台に映画化した官能ドラマ。若い兵士と上官の妻との許されざる禁断の愛を過激な描写で描いている。かつて韓国映画もこのような路線の映画が数多く作られていた。これは舞台を知られざる北朝鮮の軍部にしたのがユニークだった。どこでもこのような事態 は存在する。評価 〇プラス

「大名倒産」

新作邦画。内容は読んで字のごとく。江戸時代末期 越後の小藩の殿様になった男が、大借金を返そうと奮闘する話。荒唐無稽ながらうまく喜劇にしていた。監督はいま注目の前田 哲。定評のある「観て損のない」作り方をしていた。気楽に観れば楽しい。評価 〇プラス

「ザ・フラッシュ」

新作のアメリカ映画。『マーベル』と並ぶ『DCコミック』からの超人キャラクター「ザ・フラッシュ」が主人公。今回は既に知っているという前提でストーリーが進む。幼い時の母の無念の死を悼んで、その時にタイムバックする術を使って過去に戻るが、思わぬ副反応が起きてしまう という荒唐無稽な話。バットマンやスーパーガールというキャラも加わって、好みのファンにはこたえられないだろうが、、、、。評価 〇

「聖地には蜘蛛が巣を張る」

2022年のデンマークその他の製作映画。舞台は2000年のイランの聖地マシュハド。連続娼婦殺人事件が起きる。女性ジャーナリストの主人公が、取材でそこに出向いて事件を調査する。20年前の(いや今でもか)男性優位のイスラム社会での弱者の立場が如実に出ていた。単に殺人犯の逮捕だけでなく、その奥に潜む社会の不条理を問っていた。評価 〇プラス

「科捜研の女 劇場版」

2021年の邦画。テレビでの人気長寿ドラマの映画化。科捜研の榊マリコ(沢口靖子)が、科学者の世界同時多発不審死という難問に挑む。豪華に見えるが、所詮テレビの枠を超えていない。アクションが売り物ではないので、大きなスクリーンで満足はない なあ。 評価 〇マイナス

「大怪獣のあとしまつ」

2022年の邦画。空想科学ドラマである「怪獣もの」で気になっていたのは、題名のように怪獣を倒した後の後始末だ。建物や橋の復旧等。この映画はそのとおり怪獣そのものの後始末を題材にしている。巨大怪獣の後処理を巡って、政治家や官僚たちが右往左往する様をコミカル&アイロニカルに描いている。本当に大変だ。但しエイリアンが出てきてはねえ。 評価 〇マイナス

「三姉妹」

2020年韓国映画。共にソウルに暮らす3姉妹の話。父親の誕生日を祝うために久しぶりに集まる。それぞれに悩みを抱えていた。幼少期の父からの暴力に対するトラウマを皆封印していたが、それが一気に爆発してしまう。ただ、その後は良い方向に行くだろうと推測される。評価 〇プラス

「キングメーカー 大統領を作った男」

2022年韓国映画。40年前の韓国での大統領選挙前の与党と野党の候補の攻防を描いている。といっても当時は民主主義が未成熟な時代で、与党候補の、警察を含めた目に余る様々な妨害・画策があった。対立した野党候補者をトップにしようとした脱北者の参謀の眼から映している。評価 〇プラス

「デイアンドナイト」

2019年の邦画。監督は今注目されている藤井道人。ある地方の町で、大企業の不正を告発した父が自殺したとの知らせを受けて帰郷した息子が主人公。その小さな町工場も倒産寸前になっていた。児童養護施設を運営する青年と共に父の敵討ち(?)考えていたが、話は思わぬ方向へ進む。様々な社会問題を問っていた。評価 〇プラス

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