2022年11月

「母性」

新作邦画。湊かなえ原作のベストセラー小説の映画化。湊女史の小説の映画化はこれまでも大変衝撃的なものが多かった。今回も女子高校生の首つり自殺から始まる。それに至るまでを母と娘の立場で描いている。その母の母も義理の母もまたまた大変な人物だった。題名の「母性」を強く意識してしまったが、私のような男には理解し難い壁を感じた。 評価 〇

「ゴヤの名画と優しい泥棒」

2020年のイギリス映画。1961年にイギリスで起きた名画盗難事件を基に描く人情喜劇。邦題がすべてを表している。その当時の社会情勢と今では考えられない警備の杜撰さやその後の対策など懐かしい気もした。評価 〇

「モーリタニアン 黒塗りの記録」

2021年イギリス=アメリカ映画。実話に基づく作品。原題は題名の前半部分で『モーリタニアの人』という意味。あの9.11アメリカ同時多発テロ事件の容疑者として捕らえられたアフリカ:モーリタニアの青年。米軍のグアンタナモ基地に拘束されて4年。そのことを知った弁護士が彼の無実と釈放の争いを始める。ラストは現在釈放されて平穏な生活をしている姿を見せてくれる。真実は不明だが、このような冤罪も多数あるのだろう。骨のある社会派ドラマだった。評価 〇プラス

「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」

2021年アメリカ映画。「バイオハザード」シリーズの最新作だが、新たなキャスト&スタッフでリブートした作品。よってミラ・ジョヴォヴィッチは出ていない。「アンブレラ社」による事故を聞きつけたヒロインは故郷の「ラクーンシティ」に戻ってゾンビに遭遇する、、、。無名の俳優ばかりでB級のテイストしか味わえなかった。評価 〇マイナス

「ハーフ・ア・チャンス」

1998年のフランス映画。かつて人気を二分した男優アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンドが中年になって共演したことで話題になった1本。アクションコメディ。ある若い女性の父がお互いかもしれないということで知り合った二人が娘(?)と3人で協力してギャングたちと戦う話。それなりに面白かった。評価 〇プラス

「土を喰らう十二ヵ月」

新作邦画。題名のように水上 勉の原案を基に映像化している、主演の沢田研二が年相応の役で24節気の四季をそれぞれに一人雪多い田舎暮らしをしている様子、自給自足での生活を実に見事に演じている。ヤマとなるのは義理の母の葬式の模様。古来から日本人はこのような質素で謙虚な生き方をしていたのだろう。 評価 〇プラス

 

「ザリガニの鳴くところ」

洋画の新作。同名のヒット小説の映画化。アメリカ南部の湿地帯で一人で生きてきた少女の成長の話で、そこに殺人事件が絡んでくる。裁判ものともいえる。南部アメリカの白人男性の暴力とそれに耐えている女性や子供という定型的な流れの中で、被害者たちの生き抜く知恵を感じた。ラストのオチ(?)には驚いたが、全体的には満足した。評価 〇プラス

「復讐者たち」

2021年ドイツ=イスラエル映画。史実に基づく衝撃のサスペンス映画。第2次世界大戦直後「ホロコースト」を生き延びたユダヤ人たちによるドイツ国民を標的にした復讐計画をスリリングに描いている。ナチス党員に対する報復はいろいろと知っているつもりだったが、一部の過激派が水道水に毒を混入して無差別にドイツ人を殺そうとしていたことは知らなかった。根が深い話だ。評価 〇プラス

「ホテル・アイリス」

2021年の日本=台湾映画。小川洋子の官能小説を永瀬正敏と台湾の女優:陸夏の主演で映像化した。海沿いの寂れたリゾート地を舞台に、翻訳家の中年男性と心に闇を抱えた若い娘によるSM的な禁断の愛を綴っている。ムード的には納得だが、やや退屈でもあった。評価 〇マイナス

「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」

日米同時公開の新作アメリカ映画。シリーズ2作目だが、実際に「ブラックパンサー」を演じた俳優が若くして死んだために、この第2弾でも同様に彼の死から始まる。王でありヒーローだった男を失ったアフリカにあるワカンダ王国。喪に服している最中、謎の海の帝国からの脅威が迫っていた、、、。荒唐無稽なストーリーにさらに拍車がかかり、高年齢者にはついていけなくなってきたなあ。 評価 〇

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