院長コラム

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

 

2021年のイタリアドキュメンタリー映画。映画音楽の大作曲家として有名なエンリオ・モリコーネ氏を5年間に渡って、多くの知名人と共に記録した作品。彼は2020年に91歳で亡くなっている。またインタビューに登場した人も何人かは鬼籍に入っている。その意味でも貴重な映画であるが、何よりモリコーネ氏の人となり、生き方そして作った音楽が見事だった! 評価 ◎

「別れる決心」

新作の韓国映画。各映画祭で、特に「監督賞」として高い評価をされている。ある殺人事件から被害者の妻(中国人)が参考人として呼ばれる。彼女は刑事の執拗な追跡にも証拠が出ず、無罪となる。その間に二人には特別な感情が生まれていた。その後、刑事は容疑者の妻のアリバイ崩しができる。一方、別の殺人事件が起こり、またしても彼女が疑われる、、、、。凝った脚本で、そのムードについていけなかった。残念。評価 〇マイナス

「忠治旅日記」

1927年(昭和2年)の邦画。無声映画で、広島市映像文化ライブラリーで2月19日だけ2回上映された。「活弁シアター」と称して活動弁士(澤登 翠女史)とカラー・モノトーン・ディオの2名の楽団付きでの上映だった。無声映画の醍醐味が十分味わえた。貴重な体験だった。 評価 ☆

「バビロン」

新作洋画。1920年代のハリウッド無声映画全盛の「狂乱」の時代から始まる。その様子がまさに堕落した古代都市:バビロンのようだった。そこで映画界に足を踏み入れた二人の男女と、かつての大スターのその後の10年~映画がトーキーに変わる時期~をドラマチックに描いている。3h09はチト長いが見応えはあった。 評価 〇プラス

「銀平町シネマブルース」

新作邦画。関東の架空の町:銀平町を舞台に、かつて青春時代を過ごしたその町に帰ってきた一文無しの青年と彼を取り巻く仲間との話。ひょんなことから映画館:銀平スカラ座にバイトを始め、住まいも提供される。彼はかつて映画監督をしていた。その彼を救ったのは映画好きの人々だった。マイナーな作品ではあるが、充分に「映画愛」は伝わってきた。 評価 〇プラス

「きさらぎ駅」

2022年の邦画。「都市伝説」をモチーフにしたホラーサスペンス。民俗学を専攻する女子大生が現代の神隠しとして話題になった「きさらぎ駅」の真相を取材する。その後、取材したのを同じ電車に乗って同じシテュエーションに遭遇する、、、、。82分と短い時間によくまとめてあった。オチもまずまず。評価 〇

「仕掛人・藤枝梅安」

新作邦画。池波正太郎が原作、というよりもテレビシリーズで大人気だったイメージが強い。そのためこの映画では殺人シーンがおとなしすぎて、妙な違和感があった。この映画だけ見ればよいのだろうが、、、。ただ2h14は長すぎて、30分短くしてもよかったのでは。プロの闇の暗殺者として、お金をもらっていない殺人にも疑問が沸いた。残念。評価 〇

「前科者」

2022年の邦画。その前にWOWOWで30分X6回シリーズで放送されたオリジナルドラマの劇場版。元受刑者の更生を手伝う保護司の女性が主人公で、有村架純が演じている。自らはコンビニに勤めて(バイト)いる。殺人事件で服役した男の社会復帰を支えている その等身大の姿が見事だ。劇中にテレビでのキャラクター達も登場するが、特に金髪のヤンキー娘役の石川静河の再登場が嬉しかった。評価 ◎

「かもめ食堂」

2006年の邦画。但し全編フィンランドで撮影されている。首都ヘルシンキで小さな日本食堂を営む主人公の女性の元に、日本からの旅行客がやってくる。意気投合して一緒に仕事をするようになる。馴染みのない地元客が、次第に彼女たちの異国情緒ある日本食の虜になっていく様子もほのぼのとした中で描いた小品。過去に何度も見ているが、いつ観ても心が洗われる気持ちになる秀作だ。評価 ◎

「ボス・ベイビー ファミリー・ミッション」

2021年のアメリカアニメ映画。シリーズ第2弾。前作の25年後が舞台。大人になったボス・ベイビーと兄ティムが再び子供の姿に戻って、家族と世界を救うため壮大なミッションに挑む。どのような続編になるのか不安視していたが、その脚本に納得した。25年後というのがミソだった。 評価 〇プラス

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