院長コラム

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

昨年来話題になっているアメリカ映画。中国系アメリカ人の女性が主人公。家庭内で多くの問題を抱えている彼女が、夫の発言から世界を救うべく”マルチバース”に入っていく。このハチャメチャな発想からのアクションコメディ。主役は多くの香港映画などで活躍しているミシェル・ヨー。彼女ならではの活劇シーンは素晴らしい。今年のアカデミー賞で最多の11部門でノミネートされているが、果たしでどうなるか? 評価 〇

「フェイブルマンズ」

新作洋画。スティーヴン・スピルバーグ監督の自伝的なストーリー。彼が幼少の時に両親と映画を初めて観にいったエピソードから、アリゾナの田舎に住んでいて8ミリ映画に夢中になった少年時代。そして高校生になってカリフォルニアに移り、ユダヤ人として差別を受けながらも、再び映像の世界を目指すようになるまでの青春時代を家族と共に描いている。2h31は長かったが、家族愛を感じた。評価 〇プラス

「エンパイア・オブ・ライト」

洋画の新作。1980年代のイギリス南部の港町にある映画館『エンパイア劇場』を舞台に繰り広げられる人間模様。 主人公は独身の中年女性ヒラリーで、その映画館の副支配人で、10人ばかりの従業員を従え仕事をしている。ある時、若い黒人の男性がそのスタッフに加わり、彼を巡ってヒラリーにも変化が起こる。落ち着いた演出で、俳優たちの演技も光っていた。秀作だ。評価 ◎

「ロシュフォールの恋人たち」

1966年のフランス製ミュージカル映画。このたび3月4日のみ「広島市映像文化ライブラリー」で上映された。私この映画1967年の封切りの際に今はなき『朝日会館」で観ている。53年前になる。その後も何度か見ている。当時のパンフレットも、また後年購入したサントラ盤CDも持っている。よって細部までよく覚えていた。懐かしさもあり、当時のことも思い出してしまった。いま観ると大した映画ではないかもしれないが、これも私の生涯のベストテンに入る映画だ。 評価 ☆

「パイプライン」

2021年韓国映画。石油をパイプラインから盗んで、それを転売する強盗団を描いた犯罪アクション映画。「盗油」のプロが仲間を募り、それを実行するのにギャングや警察が絡んで、より複雑な構成になっていた。その分散漫になった印象がある。主人公たちに魅力がないのもマイナス。 評価 〇

「私はいったい、何と闘っているのか」

2021年の邦画。スーパーで長年主任を務める中年男(安田 顕)が主人公。真面目な仕事ぶりだが、なかなか店長にはなれない。家庭でもそれなりに頑張って家族奉仕しているが、その影は薄い。そんな悲哀に満ちた彼の人生を淡々と綴っている。題名の勇ましさとは裏腹に、切ない男心が伝わってくる人情ものだ。評価 〇プラス

「愛のまなざしを」

2021年の邦画。男女の愛憎の行方を描く心理サスペンス。妻を失った精神科医師と孤独を抱える女性患者が主人公。二人は立場を超えてお互いに求めあうが、次第に現実と虚構の世界に混沌としていく、、、。かつてこのような映画もよく観られたが、最近では珍しくなった。その意味では評価するが、結局モヤモヤ感が残ってすっきりしなかった。 〇マイナス

「メイド・イン・アメリカ」

1993年のアメリカ映画。精子バンクの人工授精で娘を出産した黒人女性(ウーピー・ゴールドバーグ)。娘が高校生になり、ふとしたことから自分の父が白人だと知る。そしてその父(?)は近くにいた というファミリーコメディ。しかし、書類のミスでそれが間違いだと判明して、更なるドタバタが起こる、、、。やや不発に終わっていた。評価 〇

「ファイター 北からの挑戦者」

2020年韓国映画。題名から何となく想像できるように、北朝鮮からの脱北者の女性が韓国でボクシングを習うというストーリー。偶然ボクシングジムの清掃係をしていた女性が、素質を見出されて選手としてリングに上がるようになるまでを描いていて、その後は語っていなかった。根性はあるが、粗削りな才能が今後どうなるか? ということで、サクセス物語ではなかった。評価 〇

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