院長コラム

「女神の見えざる手」

2016年アメリカ映画。2017年末に劇場で観て、私のベストテン第4位にランクした映画。久しぶりに自宅で見たが、あの時の緊張感を思い出した。アメリカの政界で敏腕ロビイストのヒロインが、銃所持規制法案を巡る熾烈な戦いに巻き込まれていく社会派サスペンス。主人公は規制法案に賛成の立場を取って、自らの法律違反も物ともせず主張していくその姿が立派だった。評価 ◎プラス

 

 

 

 

 

「Village  ヴィレッジ」

新作邦画。「村」を指す。ある集落を舞台に、限界集落、格差社会、若者の貧困そして環境問題などの社会の闇を扱ったヒューマンサスペンス。そこに住む青年が主人公で、彼の日々の生活を通じて様々な現代の問題をみせている。明るい内容ではないが、画面の引き込まれてしまうのは、この藤井道人監督の力量だろう。見ごたえがあった。評価 〇プラス

「いつかの君にもわかること」

2020年のイギリス=イタリア映画。なかなかの邦題だ。インパクトがあり、興味も覚える。そして誰に対しての言葉かも最後には解る。窓ふき職人の33歳のシングルファーザー:ジョンとその4歳の息子マイケルの話。ジョンは不治の病で余命いくばくもない。マイケルの将来のために養子縁組の手続きをして、役所の女性職員とその候補者を訪ねる。そして出した結論は、、、。しみじみとした感慨があった佳作。 評価 〇プラス

「ニュー・シネマ・パラダイス」

1989年のイタリア映画。この映画に関しては何も説明することはないだろう。この2時間強のヴァージョンと、それよりも1時間長いヴァ―ジョンを共に劇場で観たのは、もう30年以上になるが、いまでもはっきり覚えている。今回久しぶりに観たが、改めて名作だと再認識した。この冬作曲家エンリオ・モリコーネのドキュメンタリーを観たが、この映画の音楽もそうだった。サントラ盤も購入したなあ。 評価 ☆

「キャッスル・フォール」

2021年のアメリカ映画。典型的なB級ムービー。原題は複数形で、舞台となった田舎の町の名前。爆破解体間近の廃ビルに隠された大金を巡り、刑務所の看守(主人公で、娘の医療費のために囚人から情報を得た)と銀行強盗したギャングたち、そして偶然大金を見つけた建設作業員の3者が三つ巴の闘いを繰り広げる。ラストは予想通りの展開だった。 評価 〇

「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」

2021年ドイツ映画。題名の後半でネタバレしているのがどうかな? 但し前半の原題だけでは集客力が弱いのも確かだ。近未来 理想的な相手として、完璧なAIアンドロイドが作られる。彼と女性学者の実験的な同棲生活と恋の行方を描いたファンタジー。コメディとも謳っているが、そうは思えなかった。でも将来このようなことが起こるかも? という期待もあった。アンドロイドを演じたイギリスの男優がベルリン国際映画祭で評価された。評価 〇プラス

「イリュージョン」

2020年のロシア映画。よくあるタイトルだ。命がけのマジック~イリュージョン~を売り物にする3兄弟が主人公。ある時 舞台の上でのパフォーマンスをしている最中 助手で長男の恋人の女性がいなくなる。彼女の命を守るために、「死の罠」が仕掛けられたイリュージョン機材でショーを敢行する というサスペンスタッチのドラマ。黒幕がその彼女だった!  評価 〇プラス

「ミッドナイト・キラー」

2021年のアメリカ映画。日本劇場未公開。実際の事件を基に、若い女性を狙うシリアルキラーとFBI捜査官との攻防を描いたクライムドラマ。但し、活躍したのは地方の保安官だった。クレジットされた俳優の順序と劇中で頑張った俳優とのギャップが気になった。B級止まりの出来。 評価 〇マイナス

「こんにちは、私のお母さん」

2021年中国映画のコメディ。といってもやはり我々には馴染のない世界観があった。あることで20年前にタイムスリップして独身時代の母親に出会った主人公が、母親の幸せのために奮闘する という骨子だが、社会主義国家の貧しさと自由にモノが言えない風潮を強く感じて笑えなかった。評価 〇マイナス

「わたしはダフネ」

2019年イタリア映画。ベルリン国際映画祭で評価された。ダウン症の娘ダフネとその父が主人公。映画の冒頭母(妻)が突然死んでしまう。残された二人は、その母の故郷まで旅することで心の喪失を乗り越えていくというロードムービー。ダフネの障害は軽く人並み以上に生きる術を持っていて、父を何度も励ましていく姿が素晴らしかった。評価 〇プラス

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