院長コラム

「高速道路家族」

2022年韓国映画。題名のように、夫婦と子供二人の一家4人が、定職も定住もなく、高速道路のサービスエリアを徒歩で転々としながら、そこに来たドライバーたちから小銭をせびって生活していた。ある時、家具屋を営む女性と出会ったことから思いもかけない方向に話が進む。人情もので心に残った。評価 ◎

「アイアンクロー」

この題名から、自分の若かりし頃の1960~70年代にプロレスの世界で一世を風靡した悪役レスラー フリッツ・フォン・エリックを思い出す。果たしてこの映画は、その息子たちと両親の話だった。フリッツは息子4名を皆プロレスラーにしたが、映画の主人公は一番上のケヴィン。彼のレスラー人生と恋の話と共に、弟たちに起こった悲劇を見せてくれる実話に基づく作品だった。懐かしさと過酷さを味わった。評価 〇プラス

「アーティスト」

2011年のフランス映画。アカデミー賞において、作品賞他を獲得した秀作。サイレント映画時代のスターが辿る栄枯盛衰をモノクロ&無声で綴った。あらゆる映画の原点があり、オマージュがあった。ストーリー自体には目新しさはなかったが、、、。 評価 〇プラス

「パスト ライブス/ 再会」

新作の韓国=アメリカ映画。韓国系カナダ人の女性監督の彼女自身の体験に基づく脚本。12歳の時にソウルで別れた男性と、24歳でネットで再会(?)する。その後また疎遠になるが、36歳の時にニューヨークで再会する。その時、彼女は結婚していた。二人の出会いがイニョン(縁)だったかもしれないが、、、。原題は「前世」という意味。不思議なラブストーリーとも言えるし、男女の気持ちのすれ違い とも。未練の差もあったかな? 評価 〇

「縁路はるばる」

2021年香港映画。シャイな青年が、個性の異なった5人の女性と知り合う。その5人とも街の中心部からかなり離れた場所に住んでいた。それぞれの女性と付き合うために、友人の車を借りて香港中を運転していく。あの種のロードムービーともいえる青春ドラマ。そして5番目の旧知の女性と縁ができる。 評価 〇

「オッペンハイマー」

昨年のアメリカ映画。今年のアカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演&助演男優賞など計7部門を獲った問題作。日本では8か月遅れでの公開になった。「原爆の父」と呼ばれた天才科学者ロバート・オッペンハイマーの半生を綴ったドラマ。前の2時間でその原子爆弾の製造までを見せていて、後半の1時間はその後の彼の没落を描いている。「なぜ原子爆弾を作ったか?」という科学者の苦悩がよくわかる。是非観て欲しい1本だ。 評価 ◎

「告白、あるいは完璧な弁護」

2022年韓国映画。邦題からその内容は少し窺えるかも。 スペイン映画「インビジブル」を基にしたれメイク。不倫をしていた実業家の男が、その相手をホテルで殺したとして捕まる。その部屋には彼以外は誰もおらず、密室状態だった。彼の弁護を依頼された弁護士の女性が現れ、事件の詳細をチェックするが、、、。その後の予測不能な展開に驚かされた。ただスペイン版を観ている者にとっては、やや物足りなかった。評価 〇

「山女」

2023年の邦画。柳田国男の『遠野物語』に収められた民話を基に作られたドラマ。冷害による飢饉に襲われた江戸時代中期の東北を舞台に、閉鎖的な村社会の中で、自然信仰による支配に翻弄されてきた人々の生活を冷静な目で見つめていた。最後村を出て山に住んでいた女性の火あぶりの刑の際に雷により助かることが。この映画の総てだった。 評価 〇

「オスカー・ピーターソン」

20世紀のジャズ界において不動の人気を誇った名ピアニスト:オスカー・ピーターソン(1925~2007)の生涯を綴ったドキュメンタリ―。改めて彼の偉大な足跡に触れてよかった。繊細で緻密なピアノタッチが懐かしい。人柄も温厚で素晴らしかった。 2020年のカナダ映画 評価 〇

「ある人形使い一家の肖像」

2023年のスイス=フランス映画。題名の通りの内容。伝統的な昔からの人形劇で生計を立てていた一家。ある時老いた父が亡くなる。残されたのは妻と成人している子供たち。その仕事を続けようとする娘たちと別の仕事を模索する息子たちが互いに苦労するストーリー。特には何もなかった。評価 〇マイナス

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