院長コラム

「ブラインド・マッサージ」

2014年中国映画。題名から風俗を思い浮かべる輩も多いと思うが、いたって真面目な社会ドラマ。中国本土でも視覚障碍者は多くいて、仕事は日本と同じあんまというかマッサージ業が主体のようだ。南京のマッサージ院を舞台に、そこで働く男女の人間模様を鮮烈なタッチで描いたヒューマンドラマ。ノンフィクションではないようだが、実際に目の不自由な人々が参加していてドキュメントを観ているようだった。 評価 〇プラス

「ボクは坊さん。」

2015年の邦画。祖父の急死で寺の住職となった青年の実話の映画化。四国の寺で生まれ育って一応京都の寺で修業をした主人公であるが、同僚たちの中には修行を終えて他の道に進んでいった者もいる。そんな時急遽後継ぎになった伊藤淳史扮する主人公が、住職となって初めて知る僧侶の世界に戸惑いながらも成長していく様を描いていた。決して甘くない現実と人間の死という厳粛さを感じた。特に、寺の総代(イッセー尾形)とのエピソードには深いものがあった。 評価 〇プラス

「一度死んでみた」

新作の邦画。題名のようにある新薬で2日間だけ死ぬことができることから起きるドタバタ喜劇。大風呂敷過ぎてあまり共感できず、サプライズもなかったなあ。この手のコメディはやはり観客の賛同をもらうことが難しい。俳優は皆頑張っていたが、、。 残念。評価 〇マイナス

「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」

2018年の邦画。長い題名で、ある意味映画の内容を総て表しているようだが、プラスアルファがあるとすればそれは何だ という感覚で映画に臨んだ。安田 顕と倍賞美津子の親子の関係が素晴らしい。次男で末っ子だった主人公の、母親への気持ちが痛いほど伝わった。特に中学生の時に白血病で入院したことと母が末期のがんと分かってからの最期の2年間は、共に厳しいが懐かしい大切な思い出になるだろう。 評価 ◎

「37セカンズ」

素晴らしい邦画を観た! 原題は『37秒』のことで、その意味は映画の終盤に明らかになる。私は障碍者の女性の話 ということしか知らずに観にいった。ドキュメンタリー映画かな? とも思ったが、堂々とした俳優たちの演じたフィクションだった。今の日本の一面を見せると共に人が生きる意味を含んだ感動の映画だった。是非予備知識なしに観て欲しい。 評価 ☆

「Fukushima 50」

2011年3月11日のあの東日本大震災から丸9年経った。その時想定外の大津波によりメルトダウン寸前までになった福島第一原発の当時の模様を再現したドラマ。その内部に残って戦い続けた対策室&中央制御室の人々を中心に描いている。どこまでが事かは疑問が残るが、政治の混乱と共に見直さなければ いや忘れてはいけないテーマである。原発に携わっている人々の生活を考えると単純に「原発廃止」とはならないだろうが、次世代に日本を託す者として、その在り方を改めて考えたい。そんな映画だった。評価 〇プラス

「エージェント・ライアン」

2014年アメリカ映画。トム・クランシー原作の人気シリーズの映画化。かつてハリソン・フォード主演で3本作られているが、これはそれよりも前の若きライアンを描いたリブート作品。経済アナリストを目指していた主人公が負傷して、その後その頭脳を買われてCIAにスカウトされる。そしてその第1番目の任務がロシアで発覚された大規模テロ計画を阻止するためにロシアとアメリカの地で活躍する。その次のシリーズ映画がないことから興行成績は芳しくなかったのかな? 一応楽しめる娯楽作品になっていたが。 評価 〇プラス

「おかえり、ブルゴーニュへ」

2017年のフランス映画。邦題からはブルゴーニュ地方がブドウの産地であり、外に出た男が再び故郷でワイン作りを続ける話かと思ったが、半分違っていた。父との仲が良くなかった長男は家出して母の死には戻らなかった。父の病気の悪化で久しぶりに故郷に帰った。そこでは妹と弟が跡を継いでいたが、苦戦中だった。長男は流れたオーストラリアで改めてワイン作りに励んでいた。ワインにかける兄弟とその後の展開に一ひねりあった。評価 〇プラス

「初恋」

鬼才:三池崇史監督の新作。題名の甘さとは裏腹の相変わらずのバイオレンス映画。ある夜から翌日の未明までに起こる様々な出来事。主役はボクサーの青年(脳腫瘍と宣告された)と父の借金で身を売るヤク中の少女。これにやくざと悪徳刑事、そして中国のマフィアが絡む大騒動。人が何人も殺されるが、ユーモアもあるノンストップアクションに全く飽きさせなかった。ベッキーが凄かった。大変堪能した。評価 ◎

 

ある女流作家の罪と罰」

2018年アメリカ映画。日本劇場未公開作品。著名人の手紙の捏造をしていた女性作家リー・イスラエルの自伝の映画化。かつてベストセラー作家だったが、現在創作意欲が衰え落ちぶれてしまったリー。ある日図書館での資料集めの際に有名作家の本の中からその人の手紙を見つける。そしてそれがかなりの金額で売買されていることを知り、自ら捏造して売り始める。その罪悪感とスリル、そして収入の狭間で揺れ動きながら遂にお縄になる。それもまた人生だなあ。 評価 〇

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