院長コラム

「イメージの本」

2018年フランス映画。鬼才ジャン=リュック・ゴダールの新作。かつての有名な映画の映像や絵画、文章や音楽をコラージュした作品。彼のイメージの世界を綴ったアート映画で、相変わらず私はついていけなかった。 評価 △

「ビッグ・リトル・ファーム」

2018年のアメリカ映画。副題に『理想の暮らしのつくり方』とあるように、普通のアメリカ人の夫婦があることをきっかけにカリフォルニアの荒れ果てた農地を購入する。自然を愛する夫婦が様々な仲間と共に『究極の農場』を作るという夢を追った8年間の奮闘努力を描いたドキュメンタリー映画。いろんな難問が起こる日常茶飯事に対処する人間のすばらしさと、人を含む動物たちの生と死を素直に綴っているのが凄く感動した。映画を観ながら時に笑い、時にしんみりしたのも久しぶりの体験だった。是非観るべき映画だ。評価 ◎

「スター誕生」

同名の映画は何本かある。一応すべて同じ脚本によるもので、1954年のが一番有名だが、これは1976年のもの。主人公はバーブラ・ストライサンドとクリス・クリストファーソン。新しい2018年版と同様に、売れない女性シンガーがすでにカルスマ的な人気のある大酒飲みのロック歌手に見いだされてビッグになっている様を描いている。ヒロインの男(夫)への純な愛があるにもかかわらず悲劇的になってしまう、、という筋は不変だ。やはりヒロインの魅力がこの映画のキーになっていた。評価 〇

「君がいる、いた、そんな時。」

呉市出身&在住の若手監督:迫田公介氏の劇場長編作品。二人の小学生と図書司書の女性との交流を通じて人生のある時期のある面を切り取っている。題名は意味深だが、上手く伝わって来なかった。しかし、カメラの安定さや会話の聞き取りやすさなど良い面も見えていた。呉の町というのを意識させない撮影も悪くなかった。マイナー映画製作が次第に熟成するのを期待している。広島市では「横川シネマ」で上映中。評価 〇 マイナス

「時の行路」

邦画の新作。マイナーな作品であるが、監督は定評のある神山征二郎氏で30作目になる。リーマンショックの2008年末、大手自動車メーカーの「派遣切り」で突如解雇された非正規社員たちが、組合に身を置きながら「不当解雇」の裁判を起こす。結果的には彼らの主張は通らず敗訴となる。仲間や家族に支えられた7年間を淡々と描きながら現在の日本の暗部を描いている。実話に基づく話のようだが、やはり現実は厳しかった。 観るべき映画である。 評価 〇

「ハリエット」

昨年のアメリカ映画。19世紀のアメリカ南部で奴隷として生まれ、その農場から逃れて北部に行き、その後南部に戻って800人以上の奴隷解放を手助けした実在の女性ハリエット・タブマンの半生を綴ったドラマ。やはりこのような女性がいるからこそ時代の歯車は動くことを教えられた。エンタメな映画としても上等で、アカデミー賞授賞式でも聴いた主題歌は圧巻だった。観るべき映画だ。評価 〇

「スウィング・キッズ」

劇場封切りの韓国映画。久しぶり(2か月ぶり)に映画館で観た。1951年の朝鮮戦争時の韓国の捕虜収容所が舞台。そこには北朝鮮兵士が多数捕まっていた。統治するアメリカ軍所長はそこでの人道的な配慮をアピールするために、黒人兵士に捕虜の中から数人のダンスチームを作ることを要請する。集まった4名と共に5名はクリスマスに向けてダンス(特にタップダンス)の特訓をして当日に臨むが、、、、。政治色の強い背景でその当時の状況をうまく再現している。後味はよくないかもしれないが、ダンスシーンは圧巻だった。評価 〇プラス

 

 

「Love Letter」

1995年の邦画。タイトルバックは全編英語だが、れっきとした日本映画。岩井俊二監督の注目作だった。私もこの年の映画ベスト1にしている。その当時は感性あふれる凛々しい作品だと感じてすっかり魅了されてしまった。25年後の今年、その続編というか、アンサー作品というか、同じような題材で岩井監督は新作「ラストレター」を公開した。それと相まって改めてこれを見た。25年前の輝きは感じられなかったが、その雰囲気に十分満足した。 評価 ◎

「パルプ・フィクション」

1994年のアメリカ映画。クエンティン・タランティーノ監督作品。いまやカルト化している問題作。この映画の登場で、この手のヴァイオレンス・アクション映画は「タランティーノ」以前と以後に分けられるという輩もいるほどだ。3つの犯罪劇が交差しながら話が進み、時間軸の枠を超えた部分もある。どのパーツも(いまは)ビッグになった俳優たちが出ている。ユーモアを交えたガンプレイが新鮮で、台詞も多くて魅力的だった。カンヌ国際映画祭で高く評価されている。但し、私は改めて見てそれほどの感慨はなかった。評価◎

「時計じかけのオレンジ」

1971年のイギリス映画。監督の故スタンリー・キューブリックの名前と共に、いまやカルト化した伝説の(?)映画。暴力とセックスにふける若者の生態をあからさまにした衝撃の近未来映画。50年経てもその激しいシーンの連続は、観る者の心を動揺させる。私も多感な10代に劇場で観ているが、その時の印象が残っていることを改めて感じた。その意味でも凄い映画だ。評価 ◎

ページ上部へ