院長コラム

「リンクル・イン・タイム」

2018年アメリカ映画。本国では大ヒットしたが、日本では劇場未公開になっている。アメリカの児童文学書『五次元世界の冒険』の実写映画化。行方不明になった科学者の父を探すために、少女メグが弟や友人たちと時空を超える旅にでる。話は壮大で夢もあるし画像も綺麗だが、やはり日本では観客のターゲット絞りが難しく、お蔵入りになったことも納得だ。 評価 〇

「マイ・サンシャイン」

2017年のフランス・ベルギー映画。しかし舞台はアメリカのロサンゼルスで英語。1992年のLAで起きた人種差別に端を発する暴動を背景に、偶然それに遭遇した者を描いていた。主人公の黒人女性(オスカー女優のハル・ベリー)は、訳あって親と過ごせない子供たちを引き取って一緒に暮らしていた。その中には乳飲み子から思春期の多感な少年まで計10名近く、白人や黒人、そして東洋系の子供もいて、日々悪戦苦闘していた。それが突然起こった暴動に遭遇し、子供たちを守るための彼女の奮闘ぶりを見せてくれた。体を張った行動は凄かった。甘い邦題にギャップがあった。評価 〇プラス。

「サムライせんせい」

2018年の邦画。原作は漫画で、これを実写したもの。幕末の土佐藩士:武市半平太(市原隼人)が150年後の現代にタイムスリップする。彼は(当然)戸惑いながらもサムライ姿の塾の講師として皆から好かれていく。そして役目を果たして(?)元の時代に戻って,天命を全うする。 高知県がバックアップしているようだ。言いたいことは解る(気がする)が、タイムスリップのいい加減さからして、少し詰めが甘かった。 評価 〇プラス

「華氏119」

2018年のアメリカ・ドキュメンタリー映画。監督は有名なマイケル・ムーア。2016年のアメリカ大統領選挙を取材しながら、泡沫候補だったトランプ氏が共和党の候補となり、大統領になった様子を克明に見せてくれる。そこではいびつな選挙制度や政治家の偽善にも切り込んでいる。それがアメリカの現実のある一面でもある。ムーア監督はトランプ大統領を予言していた! 評価 〇

「スキャンダル」

2019年のアメリカ映画。その3年前の2016年に全米最大のニュース放送局で実際に起きた衝撃のセクハラ・スキャンダルの全貌を映画化した。俳優が実名のニュースキャスターや関係者を演じている。一方的に首にされた女性キャスターが同社のCEOをセクハラで告訴した事件を受けて女性たちが立ち上がった。この映画の主役である人気キャスター:メ―ガン・ケリーをシャーリーズ・セロンが演じているが、それがメーガンそっくりとの評価を受けている。それを担当したカズ・ヒロ氏は見事にアカデミー賞メーキャップ賞を受賞した。但しそんな情報に疎い者にとっては、映画の内容はやや難しかった。評価 〇

「この道」

昨年の邦画。この題名から童謡(唱歌)を思い出すと内容が判る。この歌が代表作の一つといえる詩人&歌人&童謡作家だった北原白秋の人生を盟友だった音楽家:山田耕作の視点で撮っている。大正時代、運命的な出会いをした二人が多くの唱歌を作ったいきさつを丁寧に撮っていた。北原白秋は抒情的な詩とはかけ離れた俗人で女好きだったが、自分に忠実でもあった。一方、山田耕作は真面目な男で、このコンビだからこそ名曲が生まれたともいえよう。評価 〇プラス

「ハスラーズ」

2019年のアメリカ映画。実話に基づいたクライムエンタメ(犯罪娯楽)作品。ニューヨークのストリップクラブを舞台に、夜ごと体を張って金を稼いでいた女性たち。2008年のリーマンショックで景気がガタ落ちして、彼女たちも営業が落ちた。そこでウォール街の富裕層をターゲットにして、グループで色気とアルコールとドラッグを用いてクレジット詐欺をするようになる。その盛況と破綻を描いている。逞しい女性たちを見せてくれたが、やはり犯罪は遺憾。評価〇プラス

「喜望峰の風に乗せて」

2018年のイギリス映画。単独無寄港で世界一周する過酷なレースに挑んだ実在のイギリス人実業家の挑戦を描いている。これが成功したら凄いことになっていたが、やはり素人で、場所も解らず食料も底をつき大変なことになるという失敗談。緊張して見ていたが、残念だった。評価 〇マイナス

「影 裏」

新作邦画で『えいり』と読む。芥川賞を受賞した原作本の映画化で、舞台は岩手の盛岡。そこのテレビ会社が全面バックアップしている。30歳の独身男性今野(綾瀬 剛)が主人公。そこに転勤して同じ年の同僚:日浅(松田龍平)と親しくなる。その半年後日浅が転職してたまにしか逢わなくなる。そして、東日本大震災が起きて日浅の行方がわからなくなる。彼の言葉「光の当たってない影の深いところに真実がある」がキーであるが、彼の真実は何だったのか? また心を震わす感動のヒューマンミステリー という触れ込みに私は納得&理解できなかった。残念。 評価 〇

「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」

2019年のアメリカ映画。南部を舞台に、孤独な若い漁師とダウン症の青年、それに施設の看護師の3名が図らずも夢を求めて旅をする  というロードムービー。広いアメリカならではの心温まる話。小品ながら感じるものがあった。今年のアカデミー賞授賞式でも主役の二人の男優がプレゼンターとして参加していた。アメリカでも愛された1本ということだろう。 評価 ◎

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