院長コラム

「おじいちゃん、死んじゃったって。」

2017年の邦画。題名のように、祖父の死をきっかけに、葬儀に集まった一族。それぞれに事情を抱えていた。互いにこれまでの不満やうっ憤を吐露する。そして、それら愛憎や確執を乗り越えるまでを描いている。近くて遠いのが身内であるが、話せば解りあえるのも同様だ。評価 〇プラス

 

「ジュリア(s)」

2022年のフランス映画。ピアニストを夢見る一人の女性の半生を描いた人生讃歌。ベルリンの壁崩壊の1998年の時に音楽の学生だったジュリアの、何気ない選択の積み重ねによって分岐した4つの展開をそれぞれ見せてくれた。まずはそのべルリンへ行ったことと、行けなかったことからその後の人生が変化する。映画ではそれらを並列的に見せてくれて、時々混乱するが、最後は結局どれも、それなりに納得の幸せを得るという展開になっていた。素晴らしい! 評価 ◎

「男はつらいよ お帰り寅さん」

2019年松竹映画。シリーズ第50作ともいえるが、前作から24年経っていて、大部様子が異なっている。柴又の「くるまや」はあるが、おいちゃんやおばちゃん、隣りのタコ社長の姿はなく、印刷工場もない。満男はその後小説家になっている。泉とは別の女性と結婚して娘が一人いるが、妻とは死別。そんな現在、外国で生活している泉が日本に帰ってきて、偶然満男と再会する。近くにいるリリーとも会うが、寅さんは不在だった。よくできた後日談で、その流れに納得する人もそうでない人もいるだろう。  評価 〇プラス

「男はつらいよ 拝啓車寅次郎様」

1994年、シリーズ第47作。次の48作目がラストになったことを思うと、感慨深いものがある。琵琶湖ならびに郡上八幡市を舞台にしている。満男は一応小さな靴屋に就職している。大学の先輩を訪ねて郡上八幡へ行き、その妹(牧瀬里穂)を紹介される。(泉との仲は不明) 寅さんは旅の途中で、趣味で写真を撮っているミセス(かたせ梨乃)と知り合うが、進展はない。そのうちにまたしても満男に出逢う。ムーン副題もいまこれ?って感じ。評価 〇

「男はつらいよ 寅次郎の縁談」

1993年、シリーズ第46作。これまた内容と時代に合わない副題だ。満男が就職で悩み家出して、瀬戸内の孤島で漁師の手伝いをする。寅さんが迎えに行くが、そこにいた女性(松坂慶子)と例によって騒動になる、、、。マドンナとしては2回目だが、今回は彼女も精彩がなかった。残念。評価 〇マイナス

「男はつらいよ 寅次郎の青春」

1992年のシリーズ第45作目。この副題も疑問がある。 泉が卒業して、名古屋から東京のレコード店に勤めることになる話と、大分で寅さんが床屋の独身女性(風吹ジュン)と恋仲になる話とが描かれている。でもどちらも中途半端だ。評価 〇

「男はつらいよ 寅次郎の告白」

1991年、シリーズ第44作。 題名とは違って、満男の告白のようだ。後藤久美子扮する泉との恋の3作目。またしても二人と旅先であった寅さんが満男をけしかけるが、、、そこは甥。同じように優柔不断で想いを語れない。寅さんは昔、結婚を考えた旅館の女将(吉田日出子)と再会するが、、、。互いにもどかしい気持ちで終わってしまう。 評価 〇

「男はつらいよ 寅次郎の休日」

1990年 「寅さんシリーズ」第42作目。前作に続いて、満男と泉の仄かな恋心を中心に、母と住んでいる泉が九州にいる別れた父(寺尾 聡)のところに訪ねていく話が中心。寅さんは題名のように、一歩引いた状態で、満男の恋の指南役だった。 評価 〇

「男はつらいよ ぼくの伯父さん」

1989年の松竹映画。シリーズ第42作目。このころから甥の満男の話が中心となる。高校2年生の満男(吉岡秀隆)はブラスバンド部に入っていて、後輩の泉(後藤久美子)に仄かな恋心を抱いている。家庭事情が複雑な泉は、名古屋に引っ越すが、その後九州の親戚に預けられる。満男はバイクでそこまで行き、寅さんにも逢う、、、。新しい展開だった。 評価 〇プラス

「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」

1989年の松竹映画。「寅さん」シリーズの第41本目。マドンナは3度目の竹下景子。彼女はそれぞれ違う役で出ている。ひょんなことから真面目なサラリーマンと知り合った寅さんは、彼がストレスで悩んでいることを知り、彼の希望でウィーンに共に行く羽目になる。そのウィーンで知り合ったのがツアーガイドの竹下。海外ロケは初めてで、竹下と付き合っている地元の男とのキスシーンもあった。 ただマドンナとしての魅力は薄れていた。評価 〇

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