院長コラム

「スーパーノヴァ」

2020年イギリス映画。同性のパートナーとして暮らしてきた二人の男性が織りなす人生ドラマ。20年以上連れ添ったピアニストのサムと作家のタスターだが、タスカ―が不治の病に侵されていることを知り、二人でキャンピングカーで旅に出る。あてのない予定ではあったが、これまで二人が世話になった親戚や友人たちと会うことにより、現在の心境が発露される。人生の終盤に考えさせられる物語だった。 評価 〇

「ロックンローラ」

2008年イギリス映画。ガイ・リッチー監督作品。これも彼らしい暗黒街を舞台にした犯罪映画。裏社会の不動産ビジネスに手を出した小悪党や地元のボス、さらにロシアンマフィアらが入り乱れて騙し合いを繰り広げる。コメディ要素もあるが、全体的には殺伐としている群像劇。冒頭のナレーションの声の主がわかると先がよめる かな。  評価 〇プラス

「海辺の家族たち」

2017年フランス映画。南フランスの片田舎の海辺の家を舞台に綴る人間ドラマ。老いた父がその家で倒れ、3人の子どもたち(といっても中年の姉弟)が集う。その後の父の処遇を皆で考える。そんな時アフリカからの難民のボートが漂着する。彼らは入江から離れた場所で難民の幼い3人の姉弟を見つける。まさに3人に自分たちの過去を見ているようだった。彼らのその後の行動は、、、。フランス人の大人の対応に納得。評価 〇プラス

「ジェントルメン」

2019年の洋画。ガイ・リッチー監督作品。彼の映画の特徴は多くの出演者を起用していろいろなストーリーを紡いでいって、最後にそれが一つのまとまる というような形が多いが、今回も同様。一応メインの話はロンドンを舞台に、大麻ビジネスで成功した男が引退に当たってそれをある富豪に売ろうとしたところ、暗黒街のギャングたちが暗躍を始めて、、、というもの。ガンアクションで多くの人が死ぬという展開も監督の持ち味か?! 評価 〇

「大河への道」

新作邦画。立川志の輔の新作落語の映画化。主演の中井貴一がその制作に強く関与しているようだ。日本地図を作ったとされる伊能忠敬だが、彼の死亡3年後にその地図が完成している。その理由や意味は? を現代の解釈を踏まえて謎解きをしている。但し演出が凡庸で大義かった。残念。評価 △

「聖なる犯罪者」

2019年ポーランド映画。一昨年のアカデミー賞で国際長編映画賞にノミネートされた作品。実話を基にしている。少年院を仮釈放になった青年が地方の村で新任の司祭に成りすまして村人たちの信頼を得ていくが、、というサスペンス映画。絶妙な邦題だ。評価 〇

「流浪の月」

新作邦画。2020年の本屋大賞を受賞した小説の映画化。少女と青年のある事情からの同居をする。その15年後二人は再会する。二つの時点をそれぞれ見せながら男女の心の触れ合いを綴っている。ガラスのように繊細な物語を広瀬すずと松阪桃季が見事に演じている。評価 ◎

 

「私が熟れた季節」

2020年ブラジル映画。小学校の女性教師が主人公。彼女はプライデベートで多くの男性と肉体関係を持ちながらも満たされない気持ちで悶々としていた。それがある時哲学科の教授との出会いから真実の愛と向き合うようになる。心身ともに成熟した女性が精神と肉体を解放していく様を描いた官能ドラマ。珍しいブラジルの映画だが、人と人の関りはどこも同じだ。評価 〇

「茜色に焼かれる」

昨年の邦画で高い評価を受けている。主人公を尾野真千子が演じる。夫が不慮の事故で死んだ後、息子を育てるために昼はスーパーのバイト、夜はピンクキャバレーに勤めている。どちらでも様々な問題を抱えながらも子育てのために奮闘努力している彼女の姿に現代社会で生きる困難さを見せている。前向きな姿勢が素晴らしい。評価 〇プラス

「キャラクター」

昨年の邦画。若い未熟な漫画家の青年が主人公。彼は気が弱くて刺激的な描写が書けなくてイマイチ伸び悩んでいた。ある時一家殺人事件の現場と犯人を目撃する、それ以後残酷なシーンが描けるようになり人気漫画家になっていく。その後殺人犯がその漫画を真似て殺人を続けるようになり、自らも危険な状態になる、、、、。殺伐としたホラーまがいのサスペンス作品だが登場人物のキャラクターに凄さを感じた。  評価 〇プラス

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