院長コラム

「ザ・ユナイテッド・ステイツVS.ビリー・ホリデイ」

2021年のアメリカ映画。凄い題名だが原題もそうだった。ビリー・ホリデイという稀代の名シンガーの一生を赤裸々に綴っていた。アメリカ政府 特にFBIから執拗に捜査・妨害される様は今となっては酷いパワハラだ。彼女が当時白人にも愛された歌手だったことがわかって良かった。体当たりで演じた女優にも乾杯! 評価 〇プラス

「アネット」

フランスの新作映画。華やかな世界観を背景にダークなファンタジーと音楽で見せる映画。スタンダップコメディアンとオペラ歌手の夫婦、最初は順風満帆だったが娘アネットが誕生したことから仲がよくなくなる。人形(ドール)がベイビー役をしているのが何とも不気味だった。ロックオペラとかミュージカルと謳っているが私には音楽を用いた普通のドラマ仕立てに思えた。くせがあり客を選ぶ映画だろう。評価 〇

「シャイニー・シュリンプス! 愉快で愛しい仲間たち」

2019年フランス映画。実在するゲイの水球チームを題材にしたヒューマンコメディ。差別発言の罰として弱小水球チームのコーチになった男とチームの話。彼は競泳の五輪メダリストで次のオリンピックも目指していたが、ゲイへの差別発言で左遷させられた。水球チームは世界大会出場を目標にしていた、、、。やはりヨーロッパ映画は邦画とは明らかに違うことを認識させられた。評価 〇プラス

「ファーザー」

2020年イギリス映画。認知症の傾向が出ている80代の老人が主人公。ロンドンに一人で住んでいるが、心配する長女の世話を煩わしく思っているし、次女は最近顔を出さない。そのうちに長女が夫婦でパリに引っ越す話や世話をする介護人が複数存在してくる。またそこは自宅ではなくて娘の家だったり、施設だったりする。混沌とした主人公の老人の見たままの映像が進み、我々もどれが真実か見失ってしまいそうになる。演じたアンソニー・ホプキンスがオスカー主演男優賞を昨年獲得した。評価 〇プラス

「地獄の花園」

2021年の邦画。大企業に勤めるOL たちは昔ヤンキーで「番」を張っていた。今も職場の陰でそれを保っていた。彼女らの派閥抗争を軸に、新しく来たOLが波風を起こす という奇想天外なアクションコメディ。そこまで見せられるともう笑うしかない かな? 評価 〇

「とんび」

新作邦画。重松 清のベストセラー小説の映画化。備後市(という架空の町だが広島県のようだ)に住む不器用な男と息子の昭和37年から令和元年までの大河ドラマ。昭和の風景と人情が忘れかけていたノスタルジックさを思い出させてくれた。ただ2h19は少し長かった。広島県が舞台だが撮影がほとんど岡山県でされたのにはがっかりした。 評価 〇

「ヒトラーの贋札」

2007年のオーストリア&ドイツ映画。第80回アカデミー賞で外国語映画賞に輝いた映画。第2次世界大戦下のドイツにおいて、収容所でナチスがイギリスに経済的なダメージを与えるためにポンドの偽札作りに強制従事させられたユダヤ人技術者たちの苦悩を描いた力作。ナチスの非道ぶりと不屈の精神を持つ主人公たちに感服した。 評価 ◎

「愛のタリオ」

2014年の韓国映画。R15指定も納得。好みの男優チョン・イソンがイケメンながら身勝手な大学の教師でプレイボーイ役を演じている。田舎の純な娘の操を奪って捨てる。その数年後復讐されるストーリーだが、その間に彼は目を患って失明状態になる。それが糖尿病による黄斑変性症から果ては角膜の病気 と一転せずに結局手術で直ってしまう という私としては興ざめた展開にあきれてしまった。評価 〇マイナス

「Mr.ノーバディ」

2021年のアメリカ映画。『名のない男』という題名は過去にも何度かあった気がする。平凡な中年男が自宅に二人組の強盗が入ったことからバイオレンスの渦に巻き込まれてしまう。そしてその男の正体は?! 暴力の連鎖から隠された彼の素顔がわかる というシンプルなストーリーが実に面白かった。評価 〇プラス

「ブラック アンド ブルー」

2019年のアメリカ映画。題名は黒人と警官(の青い制服)の意味。若いアフリカ系の女性警官が主人公。彼女がパトロール中に同僚の警官たちの不正とギャングへの殺人を目撃したことから命の危険に遭う。汚職警官たちとギャングの双方から何とか逃れてを悪事を暴こうとする様を緊張感を持って見せている。評価 〇プラス

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