2022年11月

「種まく旅人~華蓮のかがやき」

2021年の邦画。第一次産業に携わる人々に焦点をあてた「種まく旅人」シリーズの第4作。金沢を舞台に[加賀れんこん]の栽培農家の苦悩と未来を捜す物語。その農家の息子が銀行を辞めて転職する様子とそれを支援する農水省の女性職員を中心に描いている。評価 〇

「選ばなかった道」

2020年のイギリス映画。ニューヨークを舞台に、認知症を患い”かつて選ばなかった人生”を想いながら彷徨う老父と、彼に付き添いながら現実を生きる娘の心模様を描いている。原題もおなじ。86分と短いながら長く感じてしまった。評価 〇マイナス

「あちらにいる鬼」

新作の邦画。同名の井上荒野の小説の映画化。昨年99歳で亡くなった瀬戸内寂聴と井上光晴との1966年以降の(性的も含まれる)交流を基に、名前を変えて小説にしたものの忠実な再現。世間でいわれる不倫とは一線を画した男女の長年に渡るいきさつは実に興味深かった。その関係を断つために瀬戸内(劇中では長内)は出家したとされていた。映画ではその二人と井上(劇中では白木)の妻の3者がほぼ対等に描かれ、それを演じた3人の俳優の存在感が素晴らしかった。 評価 〇プラス

「すずめの戸締り」

邦画アニメ。注目の新海 誠監督の新作。災いの元となる「扉」を閉める旅に巻き込まれた女子高生すずめの冒険と成長を描いた映画。見ていると題名がその通りだと気づく。いつもの新海監督らしいシテュエーション満載でジブリ作品を彷彿とさせるシーンもあるが、やはりオリジナリティに満ちているのが素晴らしい。封切り時、あるシネコンでは一日24回も上映されていた!! 評価 〇プラス

「パラレル・マザーズ」

2021年のスペイン映画。有名なペドロ・アルモドヴァル監督作品で、主演はペネロペ・クルス。二人のシングルマザーが主人公。共に同じ日に女子を出産。その半年後ペネロペ扮する40代の母親はDNA鑑定で育てているベイビーが自分の子ではないことがわかる。その後予想とは異なった展開になるが、それとは別にかつてのフランコ独裁下での非情な現実も見せてくれた。優れた大人の映画だった。評価 ◎

「人斬り」

1969年の邦画。主演 勝 新太郎。幕末土佐勤王党の武市半平太の右腕として有名な”人斬り以蔵”こと岡田以蔵の半生を描いたドラマ。西部劇調の音楽が印象的。映画の中盤 濡れ衣で切腹した役を演じたのが三島由紀夫!何か予感を感じた。評価 〇プラス

「サマーフィルムにのって」

2021年の邦画。高校生の「映画部」で2つの映画を作る話。一つは青春もので、もう一つは時代劇。時代劇マニアであった女子高生が主人公。ある日映画館で出会ったイケメンの男子を主人公にして映画を作ろうとするが、彼には隠された秘密があった。彼は『未来人』である任務を持っていた、、、。少しSF がかったシテュエーションに興味を覚えた。評価 〇

「犯罪都市 THE ROUNDUP]

韓国映画の新作。日本でも人気の男優マ・ドンソク主演&共同制作の刑事アクション。その腕っぷしで悪者を捕まえてきた刑事が仲間と共に活躍するストーリー。前半はタイのバンコックで韓国人の指名手配の男を連れ戻す任務に就くが、そこでさらなる凶悪犯の存在を知る。後半はその凶悪犯が韓国の戻り、さらなる犯罪を犯す、、、。ドギツサもユーモアもあった。マ・ドンソクの魅力爆発! 評価 〇プラス

「チケット・トゥ・パラダイス」

アメリカ=イギリス映画の新作。20年前に離婚した元夫婦が一人娘の大学の卒業式に集う。その後娘は旅行したバリ島で現地の男との結婚を決め、両親はそれを阻止しようと現地に向かう、、という予測可能なロマンチックコメディ。ハリウッドの王道の作品で気持ちよく観られた。バリの美しい風景も心に残った。評価 〇プラス

「日本以外全部沈没」

2006年の邦画。小松左京の「日本沈没」のパロディとして筒井康隆が書いた小説の映画化。題名のように世界の大陸が沈没して難民たちが大挙日本に殺到するという前半に対して、後半はあらゆる差別や不正がはびこる不条理を描いている。笑えないコメディ。最後は日本も沈没する。 評価 〇マイナス

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