2020年06月

「デッド・ドント・ダイ」

2019年のアメリカ映画。一部にコアなファンを持つジム・ジャームッシュ監督の新作。今度はゾンビ映画。原題も同じで『死者は死なない』ということ。今までのゾンビ映画と同様に墓場から蘇り、生きた人を襲ってその肉を食う。食われた人もすぐにゾンビになる。彼らを退治するのは、首を落とすか頭を破壊するしかない、、、という基本に忠実に映画を撮っている。その分新しさはなく、結局主人公たちを含めてほとんどの人はゾンビになって終わってしまう。ムーン それでいいの?!  評価 〇マイナス

「きみと、波にのれたら」

2019年の日本のアニメ映画。サーフィン好きの大学生ひな子は消防士の青年:港と出会い、恋に落ちる。その後港は海で水死する。失意のひな子の前に自分だけ見える、いろいろな水の中から現れる港と再会する というファンタジー作品。甘酸っぱい青春映画の1本。 評価 〇

「Diner ダイナー」

昨年の邦画。殺し屋専用の食堂(ダイナー)を舞台に、店主である元殺し屋のシェフが、個性的な殺し屋たち(客)と死闘を繰り広げる という筋立て。監督:蜷川実花、主演:藤原竜也。本人たちは満足のようだが、共に空回りしていて観客を置き去りにした感あり。 評価 △

「ストーリー・オブ・マイライフ  わたしの若草物語」

昨年のアメリカ映画。長い邦題だ。原題は”Little Women”。そう19世紀中頃に発刊された名作の映画化で、何度か観た気がする。今回はその時代背景を変えずに、小説を書いている次女ジョーと4女エイミーの話を中心に、4姉妹とその母の生活を描いている。時間軸をずらした構成に戸惑うシーンもあったが、その分飽きさせずに最後まで気持ちよく観られた。今年のアカデミー賞に6部門でノミネートされ、衣装デザイン賞を見事獲得している。評価 ◎

「イメージの本」

2018年フランス映画。鬼才ジャン=リュック・ゴダールの新作。かつての有名な映画の映像や絵画、文章や音楽をコラージュした作品。彼のイメージの世界を綴ったアート映画で、相変わらず私はついていけなかった。 評価 △

「ビッグ・リトル・ファーム」

2018年のアメリカ映画。副題に『理想の暮らしのつくり方』とあるように、普通のアメリカ人の夫婦があることをきっかけにカリフォルニアの荒れ果てた農地を購入する。自然を愛する夫婦が様々な仲間と共に『究極の農場』を作るという夢を追った8年間の奮闘努力を描いたドキュメンタリー映画。いろんな難問が起こる日常茶飯事に対処する人間のすばらしさと、人を含む動物たちの生と死を素直に綴っているのが凄く感動した。映画を観ながら時に笑い、時にしんみりしたのも久しぶりの体験だった。是非観るべき映画だ。評価 ◎

「スター誕生」

同名の映画は何本かある。一応すべて同じ脚本によるもので、1954年のが一番有名だが、これは1976年のもの。主人公はバーブラ・ストライサンドとクリス・クリストファーソン。新しい2018年版と同様に、売れない女性シンガーがすでにカルスマ的な人気のある大酒飲みのロック歌手に見いだされてビッグになっている様を描いている。ヒロインの男(夫)への純な愛があるにもかかわらず悲劇的になってしまう、、という筋は不変だ。やはりヒロインの魅力がこの映画のキーになっていた。評価 〇

「君がいる、いた、そんな時。」

呉市出身&在住の若手監督:迫田公介氏の劇場長編作品。二人の小学生と図書司書の女性との交流を通じて人生のある時期のある面を切り取っている。題名は意味深だが、上手く伝わって来なかった。しかし、カメラの安定さや会話の聞き取りやすさなど良い面も見えていた。呉の町というのを意識させない撮影も悪くなかった。マイナー映画製作が次第に熟成するのを期待している。広島市では「横川シネマ」で上映中。評価 〇 マイナス

「時の行路」

邦画の新作。マイナーな作品であるが、監督は定評のある神山征二郎氏で30作目になる。リーマンショックの2008年末、大手自動車メーカーの「派遣切り」で突如解雇された非正規社員たちが、組合に身を置きながら「不当解雇」の裁判を起こす。結果的には彼らの主張は通らず敗訴となる。仲間や家族に支えられた7年間を淡々と描きながら現在の日本の暗部を描いている。実話に基づく話のようだが、やはり現実は厳しかった。 観るべき映画である。 評価 〇

「ハリエット」

昨年のアメリカ映画。19世紀のアメリカ南部で奴隷として生まれ、その農場から逃れて北部に行き、その後南部に戻って800人以上の奴隷解放を手助けした実在の女性ハリエット・タブマンの半生を綴ったドラマ。やはりこのような女性がいるからこそ時代の歯車は動くことを教えられた。エンタメな映画としても上等で、アカデミー賞授賞式でも聴いた主題歌は圧巻だった。観るべき映画だ。評価 〇

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