2019年11月

「影踏み」

横山秀夫の推理小説の映画化。主人公は「のび師」と呼ばれる泥棒。ある家に忍び込んだことから逮捕され2年の実刑をくらう。出所後その事件を自ら追って捕まった経緯とその裏を調べようとする。出所した時の迎える若者と、元恋人につきまとう男が双子だったというのがキーであるが、そこらが映像ではうまくいってなく不満が残ろ出来だった。主人公を演じた山崎まさよしにも難があった。評価 〇

「くるみ割り人形と秘密の王国」

昨年劇場公開されたディズニーの実写映画。チャイコフスキーのバレエ音楽を用いている。くるみ割り人形に導かれて不思議な世界に迷い込んだ少女の冒険を圧倒的な映像美CGで描き出している。物語の内容よりもその方が見どころが多い。主役の少女マッケンジー・フォイの綺麗さもよい。評価 〇プラス

「永遠の門 ゴッホの見た未来」

2018年のドイツ・フランス・アメリカ映画。フィンセント・ファン・ゴッホの30代(晩年)を描いたフィクション映画。ほとんど英語で話していることに違和感を覚えたが、それ以外では満足できた。フィンセントが絵を描く様子やそれを飾ってある場面などため息がでた。変わり者のフィンセントを温かくサポートしている弟テオの存在も素晴らしかった。ゴッホの絵画ファンにとっては必見の映画だ。評価  ◎プラス

「ひとよ 一夜」

邦画。3人の子供たちへの夫(父)の絶え間ない暴力を阻止すべく、その夫をひき殺したタクシー運転手の妻(母)が、刑期を終えて15年ぶりに故郷に戻ってくる。10代だった子供たちもそれぞれ屈折しながら大人になっていて、母に対する気持ちが微妙に異なっている。 この映画では周囲の者を含めて、改めて皆で過去を総括することが必要だと説いている。もう一つの父と息子のエピソードがかぶさってくるストーリーもアクセントになって良かった。 評価 〇プラス

「愛しのアイリーン」

2018年の日本映画。農家の一人息子42歳の岩男は独身。日本の女性との結婚をあきらめて大金を払ってフィリピンで花嫁を探す。そしてアイリーンという女性を娶る。環境もそれまでの生活も異なる二人の前途は厳しかった。前半は日本の男(安田 顕)が主人公だが、終盤はアイリーンがメインとなる。岩男の母親役の木野 花の演技に圧倒された。いまの日本の農村の問題を深く掘り下げていた。評価〇プラス

「ターミネーター ニュー・フェイト」

この「ターミネーター」映画も何本作られただろうか? 第1作のド派手なアクションと創造性は衝撃的だった。あれでジェームズ・キャメロン監督と主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは共にブレイクした。今回はその第1作目の主人公二人(サラ・コナーとT-800)が復活し、さならるスケールで描いたアクション映画。それなりに懐かしく満足できた。評価 〇プラス

「マチネの終わりに」

邦画。中年の男女の恋を描いている。イケメンの男女が主人公で、ロケーションも日本国内だけでなくパリやニューヨークにも及ぶ。天才ギタリストの男と国際ジャーナリストの女性が出会うべきして出会う 、、、というストーリー。携帯電話(スマホ)の小道具の使い方も全編流れるギターの音楽もツボにはまっていた。後は観客側の問題だろう。評価 〇プラス

「閉鎖病棟 -それぞれの朝ー」

医師でもある作家の原作本をベテラン監督が映画化している。精神病院にいる3人の男女が中心だが、その他の入院患者もいろいろと描かれている。パニック発作を起こす若者、義父に暴行されていた少女、そして死刑執行で死ねなかった車いすの老人。彼らの過去と現在の状況を見据えながら、それでも未来はあるのか? というテーマを静かに語っている。正解はないのだが、それでも「人は生き続けなければならない」ことが重要だ。評価 ◎

「ジェミニマン」

アカデミー賞監督のアン・リー&人気俳優ウィル・スミスの新作。題名のように、主人公の敏腕スナイパーが、自分と同じ能力を持つ若者に狙われる。若者は自分のクローン人間だった。そこからの話の展開が何だか変に凝りすぎでついていけなかった。アクションシーンはCGを駆使して凄いものがあったのに、、、。残念だ。 評価 △

「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」

2018年のロシア映画。第2次世界大戦下の戦地が舞台。前半はソ連の戦車1台がナチスドイツの戦車軍団と戦う。そこで捕虜になったソ連の戦車士官が兵士3名とポンコツになった戦車T-34を操って脱出する話。かつての活劇風のノリで、笑いあり、恋あり、そして仲間の友情あり。戦闘の迫力も半端なく、特に砲弾の軌道描写には驚いた。評論家たちの評判が良いのも納得! 評価 ◎

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