院長コラム

「キリエのうた」

新作邦画。2010年~2023年のいまが舞台。この13年間の主人公のキリエ(ルカ)の半生を綴った作品。2010年小学生のルカが大阪で保護される。その前にはあの「3.11」での石巻での地震&津波の被害があった。その後帯広での高校時代と東京でキリエの名前でライヴ活動。4つの時代の4つの場所がうまく編集されて、壮大なドラマになっていた。評価 〇プラス

「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」

1981年松竹映画。「寅さん」シリーズの第27作。マドンナは松坂慶子。寅さんが瀬戸内の島で彼女と出会い、その後大阪で再会する。芸者の役で、幼い時に別れた弟を一緒に探す。恋とは違う方向に進むが、人情ものとしてはよくできていた。また松坂の美貌にうっとりした。今も頑張っている彼女だが、やはり若い時は美しかったなあ。 評価 〇プラス

「コンビニエンス・ストーリー」

2022年の邦画。スランプに陥った若手脚本家が車で郊外に行く。そこで立ち寄ったコンビニは不思議なところだった。異世界での体験を通じて、これまでの彼の人生を振り返らせた。テレビからのスピンオフ作品で、不条理なサスペンス、一部ホラーがかった味付けだった。 評価 〇マイナス

「シアター・キャンプ」

2023年アメリカ映画。USAでは夏休みに10代の若者を集めて、演劇の指導をしているサマーキャンプがある。一応営利企業だ。といっても小規模で家族経営もどきの施設も多いようだ。そんな『キャンプ』を舞台に、代表者が倒れて入院、存続が困難の中で頑張ってオリジナルミュージカルを上演するまでをドキュメンタリータッチで描いたコメディ。一部緩いところもあったが、まずまずだ。 評価 〇

 

「3つの鍵」

2021年イタリア映画。ローマを舞台に、ある交通事故がきっかけで、運命の歯車が狂ってしまう3組の家族の5年、そして10年間を追った壮大な人間ドラマ。題名の「鍵」という言葉には違和感を覚えるが、凄く重厚なストーリーに圧倒された。評価 ◎

「がんばっていきまっしょい」

1998年の邦画。1970年代後半の愛媛・松山を舞台に、女子ボート部を立ち上げた高校生の情熱とひたむきな姿を、みずみずしいタッチで描いた青春映画の傑作。主演の田中麗奈とその仲間たちが本当に躍動していた。評価 ◎

「ふたりのマエストロ」

2022年のフランス映画。面白い題名だ。フライヤーの写真から想像できるストーリーではある。老いた父とバリバリの息子(40第か?)が共に指揮者として生きている。ある時 間違って父の元にミラノ・スカラ座の音楽監督の依頼が届く。有頂天の父をみながら真相を知った息子が悩む、、、。家族の話で、この類に弱い私は、劇中の至福のクラシック音楽と共に大満足した。88分と短いのも良かった。評価 ◎

「アンダーカレント」

新作邦画。銭湯を営む夫婦がいた。その夫が突然、訳もなく失踪する。しばらく休業していたが、風呂屋を再開すると共に、友人のつてで探偵を雇って夫の行方を捜す。そんな時、ある男が住み込みで銭湯の手伝いをすることになった。二人の男の狭間で主人公の女性は、、、、。ミステリアスでサスペンスタッチの中で、心の奥に秘めたトラウマが浮かび上がる。中々の佳作だった。評価 〇プラス

「アナログ」

新作邦画。お互いに何も知らない男女が木曜日に喫茶店で知り合う。その後同じ曜日に同じ場所で交際を続ける。携帯電話を持たない女性との交流はそれしかないが、いつしか疎遠になる、、、。 究極の純愛ドラマ。あり得ない設定に原作者のビートたけしの心根を感じた。評価 〇プラス

「ラブストーリー」

2003年の韓国映画。20年前の作品で、この10月に開かれた韓国領事館主催の日韓文化交流の一貫として、3回だけ「広島市映像文化ライブラリー」で無料で上映された。20年ぶりに観てやはり感動した。その年の第1位にしただけあった。 一部覚えていたが、新たな気持ちで観られた。その後ブレイクした女優ソン・イェジン(あの『愛の不時着』のヒロイン!)の初々しいこと! 1960年代と1990年代の母と娘の双方を演じていた。ペンダントやホタル、そして虹なども印象深かった。評価 ☆

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