院長コラム

「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」

1979年のシリーズ23作。時代を感じる題名である。マドンナは桃井かおり。結婚式の最中、逃げ出して一人で北海道に。そこで偶然寅さんと知り合う。結婚に漠然とした疑問を抱いての行動だったが、新郎(布施 明)も同様だった。寅さんやその家族と付き合ううちに未来が見えてくる。このシリーズの中では5本の指に入るほど好みの映画で、見直しても同じように感動があった。評価 ◎

「男はつらいよ 噂の寅次郎」

1978年のシリーズ22作目。マドンナは大原麗子で離婚寸前の薄幸の女性を演じていた。彼女が「とらや」にバイトとして雇われたことから物語は始まる。お馴染みの笑いと涙があったが、彼女よりも旅先で出会った泉ピン子の存在が印象的だった。副題名も今思うと疑問だ。評価 〇

「今はちょっと、ついてないだけ」

2022年の邦画。同名小説の映画化。挫折したカメラマンの男が主人公。彼が移り住んだシェアハウスで、共に不器用ながらも懸命に生きている住民たちとの交流を通して、再起を図る姿を優しく見つめている。イマイチ感があった。評価 〇

「ザ・クリエイター 創造者」

新作洋画。2065年の近未来、人類と同等のAIが互いに戦っている。設定はかつての「ターミネーター」シリーズと似ている。但し、この映画は人類が徹底的に(無害な?)普通の生活をしているAI達も含めて抹殺しようとしていることだ。そこにいま世界で起こっている戦争の根底にある大国が力で小国を弾圧している構図に類似していて、嫌悪感や恐れを抱いたのは自分だけか? その意味では評価できる。〇

「RENT/レント」

2005年のアメリカ映画。ミュージカル映画として、当時話題になった。その後日本でも何度か舞台で上演されている。1980年代末のニューヨークの下町で、家賃も払えない若者たちが古いビルに住んでいる。それぞれが様々な問題に直面しながらも、夢に向かって生きている様を描いた人生讃歌。その当時不治の病だったエイズとゲイの問題が中心ともいえる。評価 〇プラス

「イコライザー THE FINAL」

洋画の新作。デンゼル・ワシントン扮する凄腕の暗殺者が主人公。リタイアしているが、イタリアである仕事をした。そのことで傷つきシシリー島の小さな漁村で癒す。こでの生活に慣れたころ、そこでイタリアンマフィアのために住民が酷い目に遭っているのを知る。そして彼は再び立ち上がる、、、。68歳のデンゼルがカッコよかった。 評価 〇プラス

 

「キリエのうた」

新作邦画。2010年~2023年のいまが舞台。この13年間の主人公のキリエ(ルカ)の半生を綴った作品。2010年小学生のルカが大阪で保護される。その前にはあの「3.11」での石巻での地震&津波の被害があった。その後帯広での高校時代と東京でキリエの名前でライヴ活動。4つの時代の4つの場所がうまく編集されて、壮大なドラマになっていた。評価 〇プラス

「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」

1981年松竹映画。「寅さん」シリーズの第27作。マドンナは松坂慶子。寅さんが瀬戸内の島で彼女と出会い、その後大阪で再会する。芸者の役で、幼い時に別れた弟を一緒に探す。恋とは違う方向に進むが、人情ものとしてはよくできていた。また松坂の美貌にうっとりした。今も頑張っている彼女だが、やはり若い時は美しかったなあ。 評価 〇プラス

「コンビニエンス・ストーリー」

2022年の邦画。スランプに陥った若手脚本家が車で郊外に行く。そこで立ち寄ったコンビニは不思議なところだった。異世界での体験を通じて、これまでの彼の人生を振り返らせた。テレビからのスピンオフ作品で、不条理なサスペンス、一部ホラーがかった味付けだった。 評価 〇マイナス

「シアター・キャンプ」

2023年アメリカ映画。USAでは夏休みに10代の若者を集めて、演劇の指導をしているサマーキャンプがある。一応営利企業だ。といっても小規模で家族経営もどきの施設も多いようだ。そんな『キャンプ』を舞台に、代表者が倒れて入院、存続が困難の中で頑張ってオリジナルミュージカルを上演するまでをドキュメンタリータッチで描いたコメディ。一部緩いところもあったが、まずまずだ。 評価 〇

 

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