院長コラム

「SHADOW/ 影武者」

中国映画。かつての雄:チャン・イーモウ監督作品。戦国時代 小国ペイの領土の一部が20年に渡って大国エンに奪われていた。その小国ペイの重臣がある策を弄して奪還しようとする話を軸に、それに関わる多くの人々の欲と武術が交わるストーリー。モノクロのような場面に邦楽のような音楽という美術がいかにも東洋的で、ゆっくりとした風情も味があった。 評価 〇プラス

「荒野の誓い」

この題名はやや難しい。ただ「荒野」で西部劇のようなニュアンスはわかる。2017年のアメリカ映画。1892年の開拓時代の終りで、ネイティヴ・アメリカンたちが迫害を受けた後、より過激に反撃する部族もいた反面、白人たちに従って抵抗を止めて故郷に帰る者たちもいた頃を描いた、異色のウェスタン。主人公の陸軍大尉の寡黙ながら、洞察力と生命力のある行動に魅了されてしまった。まさに「男は黙って、、、」だ。評価 ◎

「シャザム」

魔法のことば「シャザム」を唱えれば普通の少年がスーパーヒーローに変身する、、という奇抜なアメコミヒーローものの実写版。普通の少年と書いたが,そこは今どきの子どもで自惚れもあるし、悪さもする。外見は大人でも中身は10代。そのギャップに気付きながら野望を持つ科学者と闘うハメになる。馬鹿にしてみていたが、どうしてどうしてなかなかの出来だった。 評価 〇プラス

「嘘はフィクサーのはじまり」

2016年アメリカ映画。リチャード・ギア主演で、富と名声に憧れる中年男ノーマンを演じる。上流社会に食い込もうと、偶然知り合った政治家にある親切を施す。その政治家が出世したことで、ノーマンの存在感が増して思わぬ波紋が起こる。一応コメディということだが、皮肉的であまり笑えなかった。むしろ中年の悲哀を感じた。またアメリカの政治にユダヤ系の力が強いことが改めて思い知らされた。評価 〇

「見えない太陽」

2019年のフランス映画。日本未公開。主演カトリーヌ・ドヌーヴ。久しぶりに故郷の牧場に戻ってきた孫はイスラム教の信者になっていた。また自爆テロの志願者にも! それを知って阻止しようとする祖母(ドヌーヴ)の葛藤と決断・行動が見もの。このような社会現象をとらえた映画にも積極的に参加する彼女の生き方に感銘した。 評価 〇プラス

「響~HIBIKI~」

昨年の邦画。アニメが原作。「欅坂46」のメンバーが主演。高校生の主人公:響が我流を通しながら小説家としてデビュー。有名な賞を無欲で獲得するが、本人の気持ちと世間の評価とはギャップがあった。そのために彼女の起こした行動とは、、、。圧倒的な存在感と行動力で周囲の者たちを戸惑わすのがこの映画の魅力だろう。 評価 〇

「アーリーマン~ダグと仲間のキックオフ!~」

ニック・パーク監督によるクレイアニメ。粘土で作った人形たちを一コマずつ動かして作っている気の遠くなるような作業だ。今回は石器時代が舞台。ダグ少年とその仲間たちが奪われた故郷を取り戻すために、サッカーの試合で強敵に立ち向かう。 評価 〇プラス

「トールキン 旅のはじまり」

題名は「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」の原作者として名高いJ.R.R.トールキンの名前を指している。彼の生い立ちから執筆者になるまでの半生を描いた青春ドラマ。イギリスのハイスクール時代からの学友たちと恋愛、そして第1次世界大戦への従軍が中心に描かれている。真摯な映画で共感できる部分も多かった。 評価〇プラス

「引っ越し大名」

江戸時代、参勤交代とは別に藩の「国替え」も頻繁に行われていた ようだ。今回は姫路(15万石)から九州・豊後の日田(7万石)に国替えを命じられた者たちの騒動を描いている時代劇喜劇。予想された展開ではあるが、コメディタッチということで気楽に観られた。ピエール瀧が普通に登場したことには驚いた。層重要な役どころではなかったが、存在感はあった。 評価 〇

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

クエンティン・タランティーノ監督作品。2h41と長い。1969年のハリウッドの映画&テレビ事情を背景に、架空のテレビ俳優とそのスタントマンが主演。長々とした2時間の後、その半年後がクライマックス。あの事件を知っている者にとっては、いたたまれない状況で観ていたが、そこはタランティーノ。観終わっての伏線と題名に納得。評論家たちの評価がやけに高い、高すぎじゃ!  私の評価は〇プラス

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