院長コラム

「約束の宇宙(そら)」

2019年のフランス=ドイツ映画。夫と離婚し7歳の娘を引き取った主人公のサラ。彼女は宇宙飛行士候補として日夜頑張っていた。母としての立場と自分の夢の実現のために。ある時欠員が出てサラがその候補になる。サラは娘とは1年会えなくなるという過酷な選択をする。理想と現実の狭間で揺れる女性の気持ちが痛いほど伝わった。 評価 〇

「余命10年」

新作邦画。同名の小説の映画化。題名のように主人公の女性の将来が映画の冒頭から推測させる。「限りある命をいかに生きるか?」という命題はとても重い。本人だけでなく彼女を支える家族や友人たちの想いも伝わる。その中での同窓会で再会した男との特別な関係と小説の執筆。本当に夢のような話。「事実は小説よりも奇なり」ではないが、それを映像化した意義を考えてしまった。 評価 〇

「国際捜査!」

2020年韓国映画。ポリスアクションコメディ。韓国の刑事が家族を連れてフィリピン旅行をする。その地で韓国で指名手配された男を見つけたり、自分が殺人の容疑者にされたりしながらも何とかうまく対処するが、、、。日本映画でも同様だが、異国でのドタバタ劇は言葉の壁や制度・習慣の違いもあり違和感があった。 評価 〇マイナス

「グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告」

2020年アメリカ映画。原題は『祖父との戦い』。凄い邦題になっている。ロバート・デ・ニーロがその祖父役で、彼のこれまでのキャリアを思い出すとどうしてもギャングなどの怖いイメージがある。今回は妻に先立たれ、一人で住むのを危惧した娘一家と一緒に住むことになったトラブルを、コメディタッチで描いたファミリードラマ。気持ちよく観られた。 〇プラス

「姉と過ごした最後の夏」

2017年イギリス=スウェーデン映画。スウェーデンというのはこの映画の主演である妹役のアリシア・ヴィカンダーがプロデュースも兼ねているから。長年逢うことを拒んでいた妹は久しぶりに姉の誘いでパリにやってくる。そこで末期の癌であらゆる治療が無効になった姉は、自殺志願者が集う施設に妹といく。そこで目にしたことに妹は衝撃を受けるが、、。最期になった時に皆が思うことを端的に描いたシリアスなドラマ。いろいろと考えさせてくれた。 評価 〇プラス

「私のちいさなお葬式」

2017年のロシア映画。片田舎に住む老女が医師に死期が近いと告げられ、一人で自らの葬儀の準備をするというシンプルなストーリー。都内に住む一人息子に迷惑をかけないように考えての行動だが、、、。回顧として何度か ♪恋のバカンス♪ が流れるのが時代を感じさせる。 評価 〇マイナス

 

「シラノ」

洋画の新作。題名はカタカナなので、人名? シラノ・ド・ベルジュラックのことかな? と思うとおり。この原作での映画は過去にも何度かされているが、今回はミュージカル仕立ての舞台の映画化。主人公が小人症だったり、青年が黒人の下級兵士だったりは舞台と同じだろうか? 17世紀のフランスの政情をよく再現してくれたが、ストーリーがシンプルで先が読めるのと「レ・ミゼラブル」とダブってしまったのは私だけ? 評価 〇

「ナイル殺人事件」

新作洋画。アガサ・クリスティーの小説の何度かの映画化。冒頭からどんな映画になったのか期待していたが、結婚式の後から前作の1978年版を思い出して犯人がわかってしまった。よってなぞ解きとしては(私にとって)復習のようで物足りなかった。この手の映画はなかなか楽しめないなあ。 評価 〇マイナス

「ファイナル・プラン」

2020年のアメリカ映画。少し趣向を変えた犯罪作品。かつての大泥棒が身を固めるにあたってこれまで盗んだ物を返すべく警察に連絡を取る。その盗品の中に莫大な現金があったことでそれを調査した刑事が「魔が差して」自分の物にすべく主人公の泥棒を亡き者にしようとするが、、、。結局なるべきような方向に行ってしまった。 評価 〇

「最後の決闘裁判」

昨年の秋に劇場公開されたアメリカ映画。封切り後3か月で自宅で見られるのは驚きだ。中世のヨーロッパで騎士の妻が親友に犯されるという事件が起きる。3人の主張が食い違っているが、14世紀ではその決着は決闘しかなかった。最初は馬に乗って互いに槍で突きあい、その後は剣で戦う。そして勝者が真実として認められる、、、。ムーン いまこれを制作する意図は?! 評価 〇

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