院長コラム

「ノマドランド」

昨年のアカデミー賞作品賞や主演女優賞を獲得した映画。私も昨年劇場で観たが、今回2度目を自宅で見た。「このような人生もあるのだなあ」「アメリカは広いなあ」というのが前と同様な感想だった。主演した女優は演技とは思えない自然な状態で、そこに深いものを感じた。興行的には全米で130万ドルというオスカー受賞映画としては寂しいものだった。今年賞レースで注目を集めている邦画「ドライブ・マイ・カー」は一応200万ドルを超えている。評価 〇プラス

「ウェディング・ハイ」

新作邦画。題名のように あるカップルの結婚式とその披露宴を中心に描いたドタバタコメディ。文句なしに笑えて楽しめる喜劇だった。脚本もよく編集も上手く、すべての話やエピソードが繋がっていて、気持ちよく劇場を後にできた。邦画では珍しく秀逸な喜劇だった。 評価 ◎

「居眠り磐音」

2019年松竹映画。有名な時代劇のベストセラー小説の映画化。主人公の磐音が国元から出奔するまでとその後江戸で浪人生活をする様を描いている。江戸で両替商の用心棒になったことから新貨幣を巡る陰謀に巻き込まれていく。それなりに面白かったが何か足りないものも感じた。続編はあるのかな? 評価 〇

「83歳のやさしいスパイ」

2020年のチリ映画。昨年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた作品。題名が実ににくい。高齢の老人が探偵事務所に雇われる。その依頼は老人ホームに潜入して、老女(母)が虐待を受けていないかどうかの調査だった。調べていくうちに老人たちの孤独さ、特に身内が訪ねてこないことが浮き彫りにされた。ノンフィクションとはとても思えなかった。評価 〇

「ロン 僕のポンコツ・ポッド」

2021年のアメリカ アニメ映画。少年とロボットが育む友情を描いている。学校で唯一ロボット型デヴァイス”Bポッド”を持っていなかったバーニー。誕生日にそのBポッドを貰いロンと名付けるが、ロンは不良品だった。しかし、、、。個人的にはアニメ作品は苦手で、この映画は世間的には特に話題にもならなかったが、いたく気に入った。評価 ◎

「チック、チック・・・ブーン!」

NTEFLIXで配信されている新作映画。私は劇場で観た。変わった題名だが、爆発魔を描いたものではなくて、ミュージカルの作曲家になる夢を見ていた若者の話。1990年のニューヨーク まだ陽の目を見ていない音楽家の若者の生活を描いていて、ミュージカル仕立てでもある。エイズが致死の病と言われた時代でもあった。若者の苦悩がよく解かった。 評価 〇プラス

「約束の宇宙(そら)」

2019年のフランス=ドイツ映画。夫と離婚し7歳の娘を引き取った主人公のサラ。彼女は宇宙飛行士候補として日夜頑張っていた。母としての立場と自分の夢の実現のために。ある時欠員が出てサラがその候補になる。サラは娘とは1年会えなくなるという過酷な選択をする。理想と現実の狭間で揺れる女性の気持ちが痛いほど伝わった。 評価 〇

「余命10年」

新作邦画。同名の小説の映画化。題名のように主人公の女性の将来が映画の冒頭から推測させる。「限りある命をいかに生きるか?」という命題はとても重い。本人だけでなく彼女を支える家族や友人たちの想いも伝わる。その中での同窓会で再会した男との特別な関係と小説の執筆。本当に夢のような話。「事実は小説よりも奇なり」ではないが、それを映像化した意義を考えてしまった。 評価 〇

「国際捜査!」

2020年韓国映画。ポリスアクションコメディ。韓国の刑事が家族を連れてフィリピン旅行をする。その地で韓国で指名手配された男を見つけたり、自分が殺人の容疑者にされたりしながらも何とかうまく対処するが、、、。日本映画でも同様だが、異国でのドタバタ劇は言葉の壁や制度・習慣の違いもあり違和感があった。 評価 〇マイナス

「グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告」

2020年アメリカ映画。原題は『祖父との戦い』。凄い邦題になっている。ロバート・デ・ニーロがその祖父役で、彼のこれまでのキャリアを思い出すとどうしてもギャングなどの怖いイメージがある。今回は妻に先立たれ、一人で住むのを危惧した娘一家と一緒に住むことになったトラブルを、コメディタッチで描いたファミリードラマ。気持ちよく観られた。 〇プラス

ページ上部へ