院長コラム

「スキャンダル」

2019年のアメリカ映画。その3年前の2016年に全米最大のニュース放送局で実際に起きた衝撃のセクハラ・スキャンダルの全貌を映画化した。俳優が実名のニュースキャスターや関係者を演じている。一方的に首にされた女性キャスターが同社のCEOをセクハラで告訴した事件を受けて女性たちが立ち上がった。この映画の主役である人気キャスター:メ―ガン・ケリーをシャーリーズ・セロンが演じているが、それがメーガンそっくりとの評価を受けている。それを担当したカズ・ヒロ氏は見事にアカデミー賞メーキャップ賞を受賞した。但しそんな情報に疎い者にとっては、映画の内容はやや難しかった。評価 〇

「この道」

昨年の邦画。この題名から童謡(唱歌)を思い出すと内容が判る。この歌が代表作の一つといえる詩人&歌人&童謡作家だった北原白秋の人生を盟友だった音楽家:山田耕作の視点で撮っている。大正時代、運命的な出会いをした二人が多くの唱歌を作ったいきさつを丁寧に撮っていた。北原白秋は抒情的な詩とはかけ離れた俗人で女好きだったが、自分に忠実でもあった。一方、山田耕作は真面目な男で、このコンビだからこそ名曲が生まれたともいえよう。評価 〇プラス

「ハスラーズ」

2019年のアメリカ映画。実話に基づいたクライムエンタメ(犯罪娯楽)作品。ニューヨークのストリップクラブを舞台に、夜ごと体を張って金を稼いでいた女性たち。2008年のリーマンショックで景気がガタ落ちして、彼女たちも営業が落ちた。そこでウォール街の富裕層をターゲットにして、グループで色気とアルコールとドラッグを用いてクレジット詐欺をするようになる。その盛況と破綻を描いている。逞しい女性たちを見せてくれたが、やはり犯罪は遺憾。評価〇プラス

「喜望峰の風に乗せて」

2018年のイギリス映画。単独無寄港で世界一周する過酷なレースに挑んだ実在のイギリス人実業家の挑戦を描いている。これが成功したら凄いことになっていたが、やはり素人で、場所も解らず食料も底をつき大変なことになるという失敗談。緊張して見ていたが、残念だった。評価 〇マイナス

「影 裏」

新作邦画で『えいり』と読む。芥川賞を受賞した原作本の映画化で、舞台は岩手の盛岡。そこのテレビ会社が全面バックアップしている。30歳の独身男性今野(綾瀬 剛)が主人公。そこに転勤して同じ年の同僚:日浅(松田龍平)と親しくなる。その半年後日浅が転職してたまにしか逢わなくなる。そして、東日本大震災が起きて日浅の行方がわからなくなる。彼の言葉「光の当たってない影の深いところに真実がある」がキーであるが、彼の真実は何だったのか? また心を震わす感動のヒューマンミステリー という触れ込みに私は納得&理解できなかった。残念。 評価 〇

「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」

2019年のアメリカ映画。南部を舞台に、孤独な若い漁師とダウン症の青年、それに施設の看護師の3名が図らずも夢を求めて旅をする  というロードムービー。広いアメリカならではの心温まる話。小品ながら感じるものがあった。今年のアカデミー賞授賞式でも主役の二人の男優がプレゼンターとして参加していた。アメリカでも愛された1本ということだろう。 評価 ◎

「1917 命をかけた伝令」

今年のアカデミー賞において10部門でノミネートされ、3部門(撮影賞、録音賞、視覚効果賞)で見事オスカーに輝いた作品。結果的にはそれをゲットしたことに納得した。全シーンをワンカットのように見せている ということで注目されたが、100年以上前の第1次世界大戦での人力による戦いの模様には本当に緊張感を持って観た。先の読めない恐怖もあったし、死と直面している兵士の気持ちも痛かった。評価 ◎

「AI崩壊」

話題の邦画。題名のように近未来AIによって日本人がほとんど健康を含めて管理されるようになる。これを政府の上の者たちがチャンスとしてそれぞれの将来を選別する機械に転用とする、、、というサスペンスアクション。映画ならではのスケール感で描いている。大筋は想定内だが、それなりに楽しめるし未来への警鐘も感じた。主題歌をAI(女性歌手のアイさん)が歌っている。 評価 〇プラス

「ヲタクに恋は難しい」

邦画の新作。題名のようにヲタク(私にはよくわからない存在だが)の若い男女が就職してからの仕事と恋愛の狭間で生きていく様をみせた青春映画。途中で歌やモブダンスを織り込みミュージカル仕立てになっているのが楽しい。それだけで十分だ。但しストーリーにはついていけなかったなあ。 評価 〇

「ダンボ」

昨年のディズニー映画。かつて1941年にアニメーションで制作された映画の実写版。話はよく知っていると思うが、大きな耳で空を飛ぶサーカスの小象が母を探して救出するストーリーを中心に、人間との関りを添えている。お伽話と思えば何も問題ない。評価 〇

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