2023年05月

「パリタクシー」

2022年のフランス映画。パリでタクシー運転手をしている男シャルル。多額の借金を抱えて路頭に迷う寸前になっていた。そんな時、92歳の老女マドレーヌを乗せる。かなり距離のある場所を移動しながら、マドレーヌはそれまでの人生を語りだす。それは男女同権ではない古い時代に、夫からの虐待の仕返しとしての罪を背負い苦難した半生だった。二人の距離が近くなり、、、、。小品ながら納得の展開だった。評価 〇

劇場版 TOKYO MER 走る緊急救命室」

テレビで話題になったシリーズの映画版。このようなスケールの大きい作品は映画になっても映える。最初と中盤と大きな災害が二つあり、それぞれ医者とそのスタッフ、消防隊員たち、そして都知事をあℌ締めとする行政の皆が一丸となって働く姿が、実に気持ちよい。主人公の隊長(鈴木亮平)の妻との関係も描かれていて、感涙も誘った。評価 ◎

「ブラックフォン」

昨年公開のアメリカ映画。連続誘拐魔の報道が続く田舎町で、ある少年がマジシャンを名乗る男に連れ去られ、地下室に監禁される。少年は6番目の被害者で、彼のサバイバルが中心になっていた。鳴らないはずの黒い電話がキーになっていた。ホラー&サスペンス。評価 〇

「TAR/ター」

昨年来話題になっている洋画。フィクションであるが、臨場感が見事だった。ベルリンにある高名なオーケストラの首席指揮者として女性で初めて就任したナディア・ター(ケイト・ブランシェット)を描いた心理ドラマ。様々な重圧にも耐えて仕事をしているが、ある時かつて彼女が指導した若手女性指揮者の自殺から思わぬ事態に発展する、、、、。暗いストーリーだが、引き込まれた。評価 ◎

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Volume3」

洋画の新作。題名のように第3作目にして最終章とのこと。このシリーズはマーベルの映画陣の一環として制作され、「アベンジャーズ」シリーズでも登場しているので、見慣れたキャラクターたちだった。ストーリーは特に書くようなこともないが、アライグマの”ロケット”の過去のことが中心になっていた。まあ観ている時に楽しめるので良しとしよう。  評価 〇

「アダマン号に乗って」

今年2月のベルリン国際映画祭で見事「金熊賞」に輝いたドキュメンタリー映画。フランス:パリのセーヌ川沿いにある船が「アダマン号」。ここはデイケアセンターで、精神疾患を持つ人々が集う。無料で受け入れ、創造的な活動を通して、社会と再び繋がるようにサポートしている。画面ではどれが患者で、だれが医療従事者か不明のところもあったが、それが監督の狙いでもあったそうだ。音楽を演奏したり、歌ったりするシーンが4か所あったが、どれも魅力的だった。評価 〇

「ぼくの歌が聴こえたら」

2021年の韓国映画。題名が昨日のと似通っているので取り上げたが、全く内容は異なる。人前で歌うことができない若いミュージシャンが、借金まみれの元敏腕プロデューサーと共にデビューの道を探るべく韓国の町を転々として成長するロードムービー。大きな紙のボックスの中でしか歌えない という設定からして、夢物語の域を超えられなかった。残念。評価 〇マイナス

「私だけ聴こえる」

2022年の日本映画。監督は日本人だが、主にアメリカでの聴覚障碍者の家族を支援する健常な聴覚を持っている家族の一員(主に10代の若者で、CODAコーダと呼ばれてる)を扱ったドキュメンタリー映画。彼らならではの苦悩を見せてくれて、考えもしなかった悩みを知った。評価 〇プラス

「ホリック xxx HOLiC」

2022年の邦画。同名のコミックの映画化。人の心の闇が見える高校生が、思いもよらない戦いに巻き込まれていくダークファンタジー映画。蜷川実花監督作品で、相変わらず奇抜な色彩が目立つ映画だった。評価 〇マイナス

「銀河鉄道の父」

新作邦画。宮沢賢治の父:政次郎を主人公にした作品で、題名のつけ方が実に良い。その父を役所広司が演じている。映画はその父の人生を描いたものだが、観た印象は、政次郎の父のボケとその葬式、娘トシ(賢治の妹)の結核発病からその死&葬式、そして賢治自身の発病とその死を扱っていて、それらが中心というか、それしか残らなかった。自分としては、やはり賢治の執筆活動や農民との共同作業などをもっと描いて欲しかった。 評価 〇マイナス

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