院長コラム

「三尺魂」

2018年日本映画。打ち上げ花火で集団自殺を図るネットで知り合った4名の男女。だが三尺玉を爆発させるたびに、集合前の時間に戻ってしまう。そこからそれぞれの自殺の原因をお互いに知るようになり、遂には皆自殺を留まることになる、不思議な雰囲気の喜劇。それぞれのその後まで描いてあり、後味がよかった。 評価 ◎

「長いお別れ」

日本映画。老いた両親において夫(父)が70歳を前に認知症になる。妻(母)と家を出ている二人の娘たちが協力した父の最期までの7年間を綴っている。静かな映画であり、人生のラストをどのように過ごすか? それぞれ状況は違っていても、その準備や覚悟が必要なことを改めて問っていた。英語にすると”Long Goodbye”になるが、大分ニュアンスが異なる。主役の蒼井 優は先週結婚報道があったので、役柄とのギャップを多少感じてしまった。(笑) 評価 〇プラス

「ハングマン」

2017年アメリカ映画。往年のスター アル・パチーノが敏腕の刑事に扮したクライム・ドラマ。殺害後遺体を吊るして文字を刻む猟奇連続殺人事件が起こる。仲間と犯人を追いながら、それぞれの過去を振り返る。まあありきたりの展開で、新しい趣向は見えなかった。 評価 〇

「ザ・キング」

2017年韓国映画。世の中で優位にたてる職業は検事しかないと思ったやんちゃな高校生が努力してその検事になる。しかし、その検事でも権力を持つ派閥に入らなければ上にいけないことを悟る。上司にへつらいながら出世街道を突き進むが、大統領選挙でのドタバタ劇に巻き込まれてしまう、、、。喜劇的な要素を交えての骨太の社会派ドラマで、見ごたえあるエンタメになっていた。評価 〇プラス

「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」

昨年の邦画。長い題名だ。ウェブサイトの投稿から生まれたコミックエッセイの実写映画化。年の少し離れたカップルのなれそめと題名のような行動の意味を問っているハートウォーミングな軽いタッチの映画。それなりに面白かった。特にいくつもある夫の帰宅事の迎え方には笑ってしまった。榮倉奈々ならではのキャラクターが生きていた。 評価 〇プラス

「ジグソウ:ソウ・レガシー」

2017年アメリカ映画。2004年から謎の男ジグソウが仕掛ける殺人ゲームの恐怖を描いたこのシリーズも彼の死で一応完結したはずだったが、彼を模倣した同様の事件が起こる という新たな続編(?)。内容は相変わらずの流血の多い刺激的なサスペンスホラー。 評価 〇

「天国でまた会おう」

2017年のフランス映画。原題も同じニュアンス。100年前の1918年、第一次世界大戦に従軍していた二人の兵士が主人公。その一人エドゥアールが顔の下半分を負傷する。それを仲間のアルベールが助けて、戦後二人で国家に対してある詐欺事件を起こす、、、、というストーリーだが、その話を超えての友情や人生の機微がちりばめられていて、痛い中にも不思議な感動があった。久しぶりに心を動かされた映画。フランスでは『セザール賞5部門受賞で大ヒットしたようだ。これぞ大人の映画だ! 評価 ◎プラス

「グレート・アドベンチャー」

2017年の中国(香港)映画。題名からはどんな映画か解らなかったが、超人的なアクションとコメディ要素を取り入れていて、かつての香港映画を彷彿とさせられる作品。最後の大仕事としてルーブル美術館の秘宝を狙う中国系の泥棒たち(アンディ・ラウ ほか)とそれを阻止して逮捕しようとするフランスの刑事(ジャン・レノ)との攻防。観終わった後何も残らないのも相変わらずだ。 評価 〇

「ゴジラ  キング・オブ・モンスターズ」

ハリウッドリメイクだが、東宝も噛んでいるようだ。その東宝での『ゴジラ』シリーズでは最近のものはましになったが、かつてのシリーズではありえないというか荒唐無稽が度を越していた。本作もそれを踏襲してしまった。突っ込みが多すぎて、怪獣バトルがかすんでしまった。残念! 評価 △

「THE GUILTY  ギルティ」

2018年デンマーク映画。場所は夜の警察内の緊急指令室。そこにかかってくる電話からの音声を頼りに誘拐事件(?)に遭遇した警官が主人公。ワンシチュエーション・サスペンス。映画はその一室から出ていなくて、後は電話のやりとりだけの1h28。そこで主人公の犯した「罪」も明かされる。アイディアが勝負の映画だ!  評価 〇

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