2023年04月

「ザ・ホエール」

今年のアカデミー賞授賞式において、主演男優賞(ブレンダン・フレイザー)を獲得した映画。巨食のせいで体重が272kgにもなり、余命僅かになった男が主人公。凄いメイキャップだ。最期の5日間を描いた感動作で、特にラストは映像と音楽がうまくマッチしていた。登場人物は6名だけで、元々舞台劇だったことにも納得できた。 評価 〇プラス

「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」

今年のアカデミー賞授賞式において、長編アニメ作品賞を獲得した映画。監督の一人がギレルモ・デル・トロで過去には実写でおどろおどろしいダークファンタジー映画を作っている。オスカーを獲った「シェイプ・オブ・ウォーター」(’17)が有名。今回は有名なピノキオの話で、第2時世界大戦前のイタリアを舞台にしているのが特徴で、ミュージカルの要素も含まれるストップモーション・アニメになっていた。評価 〇プラス

「仕掛人・藤枝梅安2」

新作邦画。この2月に続く第2弾。「1」からの流れで江戸から京都に舞台を移す。そこで「暗殺の仕事=仕掛」を依頼された梅安(豊川悦治)は、仲間の彦次郎(片岡愛之助)と共に、傍若無人の侍たちを仕掛ける。そこで因縁の別の侍たち(佐藤浩市ら)に素性を知られて、仇として逆に命を狙われる。東京での反撃も一瞬で勝負が決まった。前作ではテレビシリーズの影響で馴染めなかったが、この続編は納得して堪能できた。評価 〇プラス

「ゼロの焦点」

2009年の邦画。有名な松本清張のサスペンス小説の二度目の映画化。戦後のドサクサ期を体験した時では納得だろうが、今の時代では設定が難しいだろうと思った。新婚の妻が北陸に出向いた夫の消息を調べる というところから物語は始まる。まあ古き良き時代(?)の趣は感じられた。 評価 〇マイナス

「極主夫道 ザ・シネマ」

2022年の邦画。人気漫画の実写版で、テレビシリーズからの拡大。専業主夫として家事に奔走する伝説の元極道が、最大の危機?に立ち向かっていく様子をコミカルに描いている。やはり元やくざの男(玉木 宏)というのが主役では、どうしても現実離れした笑えない喜劇になっていた。評価 〇マイナス

「四日間の奇蹟」

2005年の邦画。ベストセラー小説の映画化。瀬戸内海の孤島にある病院&サナトリウムが舞台。そこに暮らす意味ありの女性職員(石田ゆり子)が落雷事故で意識を失ってしまう。と共に、偶然ボランティアで来ていた障害のある少女と魂が入れ替わってしまう という愛のファンタジー作品。興味ある題材だったが、うまく消化されていないもどかしさを感じてしまった。 評価 〇マイナス

「愛は静けさの中に」

1986年のアメリカ映画。聾唖の女優が初めてアカデミー主演女優賞を獲得したことで話題になった。聾唖学校に赴任してきた若い男性教員とそこにいるハンディにある女性との愛の姿を描いている。古いパターンの作品ながら性的な描写は実にリアルだった。この女優マーリー・マトリンが昨年のアカデミー賞作品賞その他を獲得した「コーダ あいのうた」にも母親役で出ていて、健在ぶりをアピールしていた。 評価 〇プラス

「オートクチュール」

2021年のフランス映画。高級ブランドの『ディオール』のアトリエを舞台に、そこの責任者として長く携わった女性と、偶然知り合った不良少女との絆を綴ったドラマ。一筋縄ではいかないストーリーが静かな感動を呼ぶ。フランス映画らしく、甘えた表現のないシリアスな人間関係が素晴らしかった。 評価 〇プラス

「ブルー・バイユー」

2021年のアメリカ映画。養子として1980年代に韓国からアメリカにやってきた男が主人公。成長してアメリカ人として生きてきて恋もするが、昔の移民政策で市民権が与えられていなかった。そのため問題を起こして、強制的に韓国に送還されることになる。韓国系アメリカ人が監督・脚本・制作そして主演を務めたシリアスな人間ドラマ。このような事実もあるのだなあ。 評価 〇プラス

「生きる LIVING]

新作のイギリス映画。ただ内容は1952年の邦画の名作と同じ。1953年のロンドンを舞台に、市役所市民課の課長が主人公。何も起こさない彼が末期の癌に侵されていることを知り、市民の要望である公園を造ることに最後の尽力をするが、、、。原作とは40分短いので簡潔ともいえるが、物足りなさも残った。評価 〇

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