院長コラム

「空に住む」

封切りの邦画。急な両親の事故死のあと、叔父夫婦の管理している高層マンションの1室に愛猫と住むことになった30歳前の女性の話で、タイトルになっている。癒しとその後の身の振り方を模索しているのがテーマなのかもしれないが、それが感じられなかった。残念。評価 〇マイナス

「朝が来る」

封切りの邦画。素晴らしい!の一言だ。このような映画が観られる喜び&満足感を感じた。河瀨直美監督の映画は最近の3作(「あん」「光」「ビジョン」)がいずれも必見の映画だ。今回技術的にも内容的にもさらに上手く&深くなっている。主演の永作博美さんに参ってしまった。私の今年の主演女優賞本命だ。内容を知らずに是非観て欲しい。この映画も広島が一部舞台になっていた! 評価◎プラス

「スパイの妻」

今年のヴェネチア国際映画賞で銀獅子賞(監督賞)を黒沢 清監督が受賞したことで話題になっている。昭和15年の太平洋戦争前夜、神戸の貿易商が満州で軍部の恐ろしい実験を見たことから起こる、その夫婦の行動。全くのオリジナル脚本だが、実際にもありそうな事件だった。舞台劇的な演出と画面の色彩がその時代を感じさせるようだが、私には合わなかった。 評価 〇

「ストレンジ・ワールド 異世界への招待状」

2019年のイタリア=ドイツ映画。日本未公開作品。高校生5名の乗ったスクールバスに凶暴な脱獄囚が乗り込んでくる。また知らない森に迷い込んで怪物に襲われてしまう。若者のサバイバルを描いているが、どうってことにない内容だった。これがいま全米で公開されているとは! 評価 △

「アンストッパブル」

2010年のアメリカ映画。実際に起こった列車事故(未遂)を扱ったワンシテュエーション・ドラマ。ある不慮のことから有害物質を積んだ貨物列車が暴走する。大惨事を防ぐためにベテラン機関士(デンゼル・ワシントン)と新人の二人が命を張って列車を止めようとする題名通りのノンストップアクション。どのようにして撮影したのか気になる臨場感だった。 評価 〇プラス

「エリカ38」

2019年の邦画。故樹木希林が企画して、親しい浅田美代子に声をかけて映画化された由。少し前に実際にあった詐欺事件を扱った犯罪ドラマ。水商売の傍らネットワークビジネスをしている主人公の女性:聡子(浅田)はある時、世界的な規模で事業をしている という詐欺の天才の男(平 岳大)と知り合う。二人で更なる大きな風呂敷を広げてビジネス(?)をするが、男女関係のもつれから袂を分かつ。そして身動きが取れない状況になり聡子はタイに逃げるが、、、。シリアスな話をコメディタッチに見せているのがよい。人間の欲 を赤裸々に綴っていた。 評価 〇

「その女諜報員 アレックス」

2015年アメリカ映画。題名の意味があったのか? まあ主人公の女性が特殊な人だということだけはわかるが。冒頭銀行強盗を働くグループの1員だったが、その強奪物とは無関係に話は進み、ハードなアクションと共にある陰謀が見え隠れしながら話が進む。結局そのアクションプレイで映終始していた。女性も強いということ?!  評価 〇

「インサイド・マン」

2006年アメリカ映画。知的な銀行強盗犯と敏腕刑事(デンゼル・ワシントン)の頭脳合戦に秘密を握る女性弁護士(ジョディ・フォスター)が絡む異色のクライム映画。銃の発砲や殺人などは一切起こらないクライム映画だった。その分迫力は乏しかったが、役者たちの演技を観る心理戦の趣があり、観る価値はあった。評価 〇

「パレス・ダウン」

2015年フランス映画。2008年インド:ムンバイの高級ホテルで起きた無差別テロ事件を題材にした映画。テロリストたちが占拠したホテルの客室に一人取り残された18歳のフランス女性と外で食事をしていたその両親との話を中心にしたセミドキュメンタリー風の映画。それなりに緊張感があった。同じ題材にしたアメリカ映画「ホテル・ムンバイ」(’18)の方が迫力があったが、それは捉え方・作り方の差だろう。 評価 〇

「デンジャラス・ラン」

2012年のアメリカ映画。元CIAの最強のエージェントで指名手配受けている男(デンゼル・ワシントン)が、南アフリカで何者かに命を狙われる。苦肉の策でアメリカ領事館に逃げ込むが、追っ手は執拗に彼を抹殺しようとする。現地のCIAの若手職員(ライアン・レイノルズ)と共に決死の逃亡劇を繰り広げる。世界情勢の裏の裏まで見せるハードなアクション映画。評価 〇プラス

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