院長コラム

「メランコリック」

2018年の邦画。変わった題名だ。”訳あり銭湯”を舞台にした巻き込まれ型サスペンスコメディ。無名の俳優ばかり出ているので新鮮味があるというか、先が読めない展開が増していた。東大卒業後ニートの引きこもりの30代の男が主人公。彼がふとしたことから銭湯で働くことになる。だがそこが殺し屋の仕事場として使われていることを偶然知ることになり、彼もそれに加担していくようになる、、、、。 とてもユニークなストーリーで引きこまれてしまった。 評価 〇プラス

「聖女/Mad Sister」

2019年韓国映画。邦題では異なる2つのニュアンスの言葉が並んでいる。知的障害のある妹と二人姉妹の姉が主人公。彼女が刑務所から出所するところから映画は始まる。なぜそこに入ったのかは不明のまま、また姉妹の静かな生活が始まる かと思ったら、妹が何者かに誘拐される。その妹を探して奪還するために姉は全身全霊を懸けて戦う というストーリー。綺麗な顔の姉役には元ボクシング韓国代表の経歴を持つイ・シヨンが扮して迫力あるアクションを見せていた。評価 〇

「サイレント・トーキョー」

封切りの邦画。12月になってあわただしい東京で爆破騒ぎが起こる。犯人の真の目的は? 冒頭からスピード感ある展開で最後まで飽きさせない演出だった。観終わって感じるものを得たが、落ち着いて振り返ると少し無理があったかな? でも観て損のない映画だった。 評価 〇プラス

「感謝離 ずっと一緒に」

邦画の新作。平穏だった老夫婦に起こる必然(?!)の出来事。妻が脳梗塞で倒れ、夫が一人で身の回りのことをする。幸い夫は普段から家事全般(特に料理)をしていた。段々弱っていく妻、それを支える医療従事者。しかし老い(=死)からは逃れられない。まさに他人事ではない現実を静かに見せてくれた。題名からは「断捨離」にかけているのか と思ったが、それらしい様子はなかった。我々世代には観るべき映画かな? 評価 〇

「ナイト・オブ・シャドー 魔法拳」

2019年中国映画。この「ナイト」は夜ではなくて『騎士』を表している? 時代は不明の中国時代劇。凄腕の妖怪ハンターで小説家の男が主人公。二人の妖怪が少女を誘拐した事件を追う というのが本筋であるが、CGを多用したファンタジーもので、ジャッキー・チェン主演。但しアクションを含めて消化不足でいかんせん、何も残らなかった。 評価 △

「ベル・カント とらわれのアリア」

2018年アメリカ映画。1996年にペルーで起きた日本大使公邸占拠事件に着想を得たフィクション映画。日本のPRを兼ねてのパーティーの夜、公邸が武装した貧しいゲリラたちに乗っ取られた。その中には世界的に有名なソプラノ歌手もいた。それから数か月の硬直が続く間に公邸内では不思議な連帯感が生まれつつあった。しかし、政府の突然の行動で事件は決着を見た。日本人としては渡辺 謙と加瀬 亮が参加していたが、共に持ち味を出していて印象深かった。評価 〇プラス

「無垢なる証人」

2019年韓国映画。ある殺人事件を担当している弁護士は唯一の目撃者である自閉症の少女から証言を得るため彼女と仲良くなろうとする。中学生である少女は自分の想いを口に出すことが困難な病いを背負っていたが、同時に驚きべきな才能~それは瞬時にいろいろなものを数えたり、人の会話をそのまま記憶する等~を持っていた。二人が接近して遂に彼女の口から真実が明らかにされた。よくあるパターンのストーリーではあるが、脚本も良く俳優たちも皆上手く演じていた。  評価 〇プラス

「幼い依頼人」

2019年の韓国映画。2013年に実際に起こった事件を基に描く実録サスペンス。父にも継母にも虐待を受けていた姉弟。その弟を殺したと10歳の姉が補導される。事件の前から姉弟を知っていた若い弁護士は、その裏にある真実を求めて奔走。そして遂に継母の暴力の果てに弟が死んだことを明らかにする。題名が実ににくい。家庭内暴力はどこでも起こっているもので、それを映画化した作品も多いが、さすが韓国映画とうならされる説得力があった。 評価 〇プラス

「国家が破産する日」

2018年の韓国映画。1997年の韓国の通貨危機の衝撃の内幕をみせた実録経済サスペンス映画。この事実はいまだ記憶に新しいが、その時の政府の無策や後手後手の方針とそれに踊らされた一般国民の嘆きや悲惨さを克明に見せている。そこで大もうけした輩もいたようだ。これが現在の韓国の格差社会への道筋を作ったといわれてもいる。このような骨太で辛口の映画を作れる韓国映画界に感服した。評価 〇プラス

「ブルー・ダイアモンド」

2018年カナダ=アメリカ映画。キアヌ・リーヴス主演。彼は50歳を超えているのにまだまだアクション映画に出ている若さがある。ロシアンマフィアに最高級のダイアモンドを売るために単身ロシアに向かう。しかし手違いがあり、本物のダイアは1個しかなくてマフィアとの取引に支障が出る。最後は打ち合いになって主人公も命を落とす。結局何を訴えたかったか? 映画製作の意図がいまいちわからなかった。残念。 評価 〇マイナス

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