院長コラム

「フィッシャーマンズ・ソング」

2019年イギリス映画。副邦題に『コーンウォールから愛をこめて』とある。イギリスの南西部の小さな漁村コーンウォールで、音楽プロデューサーの男が偶然地元の漁師たちがバンドの演奏とコーラスを楽しんでいることを見る。その素朴な音楽に接して、より多くの人に聴いてもらいたくなって行動を起こす。実話を基にした漁師たちのコーラスグループの存在がプロデューサーの恋の行方(これはフィクション?)と共に描き出されている。気持ちの良い映画になっていた。 評価 〇プラス

「マイ・スパイ」

2020年のアメリカ映画。ある家族を監視する任務に就いたCIAエージェントの男が主人公。大きな男で腕力はあるが、どこか抜けたところもあった。監視している母子の小学校の娘に簡単にその正体を見破られてしまう。この異色の二人の活躍を描いた肩の凝らないアクションコメディ。この手の映画はハリウッド映画の定番でもあり、安心して楽しめた。評価 〇

「ステージ・マザー」

2020年カナダ映画。テキサスに住む女性にある日息子がサンフランシスコで急死したとの訃報が届く。単身葬儀に参加した母は息子がドラッグクイーンで「ゲイバー」の共同経営者だったことを知る。息子の友人や仲間と共に、彼らの将来が皆うまく行くように「ショーパブ」の再建を図る、、。すっかりハマってしまった。ストーリー良し、音楽良しで大満足の93分だった。評価 ☆

「プロジェクトV」

ジャッキー・チェンの新作。彼の集大成的な作品。ロンドン、アフリカの大自然、砂漠の要塞そしてドバイの近未来都市を舞台に繰り広げられるスーパーアクション。さすがにジャッキーだけの体を張った演技ではないが、主役らしい堂々とした中に若手を多用したアイディアあふれるアクションに彼の映画に対するポリシーを感じた。評価 〇プラス

「映画 バイプレイヤーズ」

新作邦画。副題名に『もしも100人の名脇役が映画を作ったら』とあるように、男女の役者(俳優)が織りなす撮影所を舞台にしたフィクション映画。俳優たちが皆そのままの名前で役(?)を演じている。古参の男優たち4名と濱田 岳を中心にした若手俳優5名が映画を作る過程を見せてくれる。まあストーリーはないようなもので俳優たちの生の仕事ぶりが一番の見所だった。 こんな映画が作られ公開されるのがよいなあ。評価 〇プラス

「アンモナイトの目覚め」

洋画の新作。1840年頃のイギリスの海辺の寒村を舞台に、実在の古生物学者のメアリー・アニングを主人公にしたフィクション。海岸で化石を見つけることを生業にしてきたメアリーがある時療養にきていた若い貴婦人シャーロットと知り合う。初めは互いに嫌悪していたが、次第に心が通うようになる、、、。時代に翻弄されながらもお互い生きる目的を求めあう二人の女性が美しい。2大女優の競演に満足した。評価 ◎

「砕け散るところを見せてあげる」

新作の邦画。凄い題名だ。何が「砕け散るところ」を誰が「見せてあげる」のか気になる。高校生の男子が偶然下級生のクラスでいじめにあっている女子をみたことから、彼女のことが気になり、予想外の方向に発展するストーリー。どれが現実でどれが現在かわからなくなるほどの事件が起きる。この混沌とした事態が惹きつける力を持っていた。評価 〇プラス

「街の上で」

邦画の新作。といってもコロナ禍のせいで公開が1年遅れた由。今注目の今泉力哉監督作品。下北沢に住む若者たちの話。そこは演劇の街でもあり、また人情味のある若者の街でもある。古着屋に勤める一人の青年が自主映画にスカウトされることから少しの波風が起こる日常を淡々と描いている。オジサンには判らない部分も多かった。評価 〇マイナス

「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」

2017年イギリス映画。二人の女性によるラブロマンス。厳格なユダヤのコミュニティのもとで育った二人。一方のロリートはラビの娘として生まれ、父の影響のないアメリカに住んでいる。その父の急死を知り久しぶりに故郷のイギリスに帰ってくる。そこで昔恋仲だったエスティが若いラビの妻として迎えてくれた。禁断の恋の再燃とその苦悩、そして将来のことなどを見せてくれる。二人のレイチェル(R・ワイズ とR・マクアダムズ)が上手く演じていた。評価 〇

「ルル・オン・ザ・ブリッジ」

1998年のアメリカ映画。懐かしさ一杯。というのもその年の私のベストテンの上位にしたので。人気作家ポール・オースターの監督(単独)デビュー作として当時の単館ロードショーで話題になった。瀕死の重傷を負った中年のミュージシャンが辿る特別な石を巡っての ある女性との数奇な出会いと別れ、そこには満たされないもう一つの人生があった、、、、。 ラストは切ない。いま見ると多少色あせていた。 評価 〇プラス

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