院長コラム

「怪盗ルビィ」

 

1988年の邦画。イラストレーターで映画をこよなく愛していた故和田 誠氏の監督2作目。1作目とうって変わって屈託のない軽妙な青春ドラマを作った。今見ると緩くて何ともない出来だが、なんとなくノスタルジックな香りのする小品だ。評価 〇

「太陽を盗んだ男」

1979年の邦画。今まで見逃していた映画。噂には聞いていたこの作品を見られたことに意義がある、中学校の理科教師が原子力発電所からプルトニウムを盗み出す。自宅で原子爆弾を作って、政府に理不尽な要求を突き付けていく。大味なところもあるが、単独行動で迫る主人公がいまでもあせないのが驚きだった。評価〇

「TOBE/トーベ」

2020年のフィンランド映画。世界的に有名な童謡作家ムーミンの生みの親であるトーベ・ヤンソンの半生を描いた伝記映画。1940年代世界大戦の前後、絵画制作を本業としているトーべだったが、女性ということもあり、なかなか世間では認めてもらえなかった。保守的な社会の中で同性の伯爵夫人との愛をうけてより自由な発想が生まれてムーミンの世界観が出来上がっていった。評価 〇

「くじらびと」

2021年の日本映画。題名のように「鯨」を扱った人々を追ったドキュメンタリー映画。但し舞台は日本ではなくてインドネシア。日本人写真家:石川 梵がそこで密着取材して作品にした。手作りの舟とモリ1本で鯨取りに挑む村人たちの400年前からの生活を赤裸々に見せている。いまだにこのような人々がいるという現実に驚いた。評価 〇プラス

 

 

「僕と彼女とラリーと」

2021年の邦画。この映画のこと全く知らなかった。WRCラリージャパンの開催予定地の二つの市(豊田市と恵那市)を舞台に描いた青春ストーリー。疎遠だったメカニックの父の急死を受けて、父が目指していたラリージャパンへの参加をその主人公の次男が果たそうとする。都会から故郷に戻って頑張る姿が良かった。評価 〇

 

「椿の庭」

2021年の邦画。写真家:上田義彦の監督デビュー作。写真家ならではのカットやショットが見られた。美しい庭のある高台の一軒家を舞台に、夫を亡くしてまもない老女(富司純子)が相続税の問題などに直面しながら孫娘(シム・ウンギョン)と二人で暮らす日々を綴っている。結局その後老女も亡くなり庭を含めて解体されてしまう。名曲♪トライ・トゥ・リメンバーが効果的に使われていた。評価 〇

「私たちの偽装結婚」

 

2019年の韓国映画。題名のようにそれぞれの思惑から偽装結婚を謀った男女の結婚騒動の顛末。結婚が財産相続の条件とされた青年と親の結婚圧力から逃げたい女性が偽装結婚することにするが、様々な問題が次から次に起こるコメディ。気楽に見られた。評価 〇

「キングダム 2  遥かなる大地へ」

邦画の新作。3年前の続編。コミック原作のの映画実写版。紀元前3世紀中国で群雄割拠している中で大国:魏と戦う小国:秦の兵士たちの攻防を描いている。存亡の危機にある秦を助けて、主人公の信は仲間たちと大胆に敵を攻める。CGを駆使しているが、大勢の人馬を用いた戦いは迫力があった。次の「3」が楽しみだ。評価 〇プラス

「冬薔薇」

新作邦画。題名は『ふゆそうび』と読んで冬に咲くバラを指している。横須賀で自堕落に生きてきた青年と彼を取り巻く家族や親戚、そして友人たちを描いている。脇の俳優が皆見事。監督もストーリーテラーで映画にずっと引き込まれたが、「チンピラが堅気になる夢をみたが結局駄目だった」という内容なので共感できなかった。劇中で従兄弟の父が「(元教師だった息子が辞めさせられたのは)生徒に手を挙げたのではなくて、手を出したから」という言葉が衝撃だった。評価 〇

「エルヴィス」

新作洋画。我々の時代ではこのタイトルからエルヴィス・プレスリーのことだとわかる。しかし彼の死後45年経っているのでアメリカ人や音楽関係者ならいざ知らず60歳以下の多くの日本人には誰のことかわからないかもしれない。彼の辣腕で悪徳マネージャーだったトム・パーカー大佐の眼を通してみたE・プレスリーを外連味なく見せていた。2h39はチト長かったが、もっと歌声を聞きたかった気もした。評価 〇プラス

ページ上部へ