院長コラム

「OSS117 アフリカより愛をこめて」

2021年フランス映画。題名からして「007」のパクリはミエミエだ。1960年代のスパイのイメージをパロディ化したスパイコメディだが、日本未公開のようだし、納得(?!)のナンセンスだった。笑えない喜劇は辛い。見る価値なし! 評価 △

「崖っぷちの男」

2012年アメリカ映画。 劇場で観てよかったという記憶が残っている。冒頭NYのホテルの高層階から飛び降りようとする男がいる。女性刑事がその説得に臨むが男の真の目的が次第に明らかにされる というサスペンスドラマ。予想外の展開で緊張感が全編にみなぎっていた佳作だ。 評価 〇プラス

「ラストナイト・イン・ソーホー」

2021年のイギリス映画。ロンドンの歓楽街ソーホーを舞台にした幻想的なスリラー。デザイナー志望の若い女性がロンドンにやってくる。下宿で1960年代の女性の夢を見て、その彼女の服をモチーフにデザインして褒められる。その後も彼女の影響をうけるが次第に60年前の殺人事件の真相を辿るようになる。いろいろな要素が詰まった作品で話題にもなり評判も良かった。評価 〇プラス

「殺人鬼から逃げる夜」

2021年韓国映画。題名の通りの作品。ただターゲットになる女性2人のうち、一人は母と共に聾唖の女性、もう一人は妹想いの兄がいる というのがこの映画の面白さに繋がっていた。非常な殺人鬼も凄かった。評価 〇プラス

「スティール・レイン」

2020年韓国映画。『鋼鉄の雨』って銃器による戦争のこと。韓国・北朝鮮&アメリカの3国の首脳会議を開催中の北朝鮮でクーデターが起こる。3国の代表らは原子力潜水艦に監禁され戦争の危機が迫る。敵味方入り乱れての攻防が緊張感を呼ぶ。骨太の政治ドラマで仮想ながら現実感を味わった。その裏には中国の陰が見えるし、日本も関与せざるを得なかった。評価 ◎

「アイ・アム まきもと」

新作邦画。観る前に予備知識なしで臨んだ。身元がはっきりしない孤独死の人を弔う「おみおくり係」の市の職員が主人公。彼は時には身銭を切って仕事をしている。ある時、その課の廃止が決まり最後の遺体の男の身元調査をすることになって、、、、。人生を振り返る方法を改めて諭らされた気がした。ラストシーンでこの映画が2013年のイギリス映画「おみおくりの作法」のリメイクだと解った。評価 〇

「草の響き」

2021年邦画。函館市出身の作家:故佐藤泰志の小説の映画化。これまでにも氏の原作は多く映画化されている。心に失調を来し妻と共に故郷の函館に帰ってきた男がランニングを通して再生に向かう姿を描いている。古い原作ながら心の痛みは今も同様に伝わってくる。主演の東出昌大が好演していた。評価 〇プラス

 

「ダウントン・アビー 新たなる時代へ」

2022年の新作洋画。かつてテレビシリーズで話題になったドラマの映画化第2作。今回は前作から9か月後の1928年のイギリス・ヨークシャー州の貴族の邸宅を舞台に、そこに住む貴族一家とその使用人たちが織りなすドラマを再び見せてくれる。南フランスの別荘を遺言で譲り受けることになりクローリー家の面々がそこを訪れる話とハリウッド映画がその邸宅でロケをする騒動がメインになってストーリーが展開する。個々の人物の個性もユーモアを交えて描かれ、満足できる出来栄えだった。 評価(今年初めて)の☆

「ニューイヤー・ブルース」

2021年韓国映画。それぞれに不安や悩みを抱える4組のカップルがクリスマスから年明けまでの1週間に繰り広げる物語を綴った恋愛コメディ。そのうちの1組はアルゼンチンで撮っていた。豪華だ、最初は馴染みのない顔ばかりで戸惑ったが、それを超えると気持ちよく映画に入っていけた。すばらしい! 評価 ◎

「沈黙のレジスタンス 」

2020年のアメリカ映画。副題に「ユダヤ孤児を救った芸術家」とあるようにナチスドイツ統治下の1940年代にユダヤ人孤児123人の面倒をみていた若者たちの抵抗を描いている。その中心にいたのは後年「パントマイムの王様」と呼ばれた芸術家マルセル・マルソーだった。シンプルで緊張感のある映画だった。戦後70年経ってもこのような映画が作られることに意義がある。 評価 〇

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