院長コラム

「ワンダーストラック」

2017年アメリカ映画。1927年と1977年の二つの時代のアメリカで、それぞれ大切な人を探してニューヨークへ向かった少女と少年の運命の物語。50年の時を超えてそれらが交錯する というのだが、感銘や驚きもなく監督の意図が伝わったとは思えなかった。その当時の風俗(人々の服装、ビルの装飾や車など)はうまく再現して素晴らしかったようだが、本編の出来栄えには無関係だ。評価 △

「Be With You~今、会いにゆきます」

2018年の韓国映画。昨日紹介した同名の邦画の14年後のリメイク。亡くなったはずの妻とのつかの間の幸せな日々を描いているが、いろいろな点でうまく韓国的にアレンジしてある。友人のこと、陸上から水泳の選手だったこと、絵本のキャラクターの変化、兵役に行ったこと等、、、。しかし、コンセプトは同じで、切ないファンタジー感はどちらも甲乙つけがたかった。竹内結子の役を日本でも人気のあるソン・イェジンが演じているのも良かった。 評価 ◎

「いま、会いにゆきます」

2004年の邦画。話題になった小説の映画化だった。今見ても色あせてないのが素晴らしい。死んだ妻がその1年後の梅雨の雨の日に戻ってくる という不条理ながら切ないストーリーが今の時世心に沁みる。予想通りに終わって単なる夢物語にせずに、その後の展開(亡き妻の日記を語る)がにくい演出だ。 評価 ◎

「未来のミライ」

2018年夏公開されたアニメ。細田 守監督作品。4才のくんちゃん(男子)に妹ができた。名前は未来。その赤ん坊に両親の愛情を奪られたと感じたクンちゃんの前に、未来からやってきた妹:未来が高校生の姿で現れる、、、というストーリー。その現実と夢の世界が交互に見られながら、新しい家族と命の話を綴っている。映画の内容とは別に、この家族の家の造りが大変ユニークだった。 評価 〇

「嵐電」

2019年の邦画。京都の電車:京福電鉄嵐山線(通称らいでん)をモチーフに、交差する3つの物語をそれぞれ見せてくれる。作家の男性は亡き妻との思い出を辿るために来た。若手の俳優は京都の撮影所に仕事で来ていて方言で悩んでいる時にそこの女性と知り合う。高校生の男子は片思いの気持ちを伝えられないでいる。『雷電』沿線で繰り広げられるそれぞれの想いを時間軸を変化させてみせてくれるので少し戸惑う個所もあるが、逆にそれが魅力にもなっていた。 評価 〇プラス

「NUMBER37 ナンバー37」

2018年の南アフリカ映画。珍しい。内容は犯罪多発の町でどん底生活を送っている男の話。彼ランダルはある儲け話のために高利貸しから金を借りるが、失敗し自らも歩けない状態になっている。妻と安アパートに住み、外を望遠鏡で覗くような生活をしていた。ある時隣のアパートで、そこに住むギャングたちが(悪徳)警官を殺害する場面を目撃する。ランダルはギャングたちを脅迫して金をせしめようと計画するが、、。最後はギャングたちと高利貸しの双方から命を狙われるハメになる。サスペンスタッチのアクション映画。面白く見られた。題名はギャングの住む隣のアパートの部屋番号。 評価 ◎

「クレイジー・グッド」

2018年アメリカ映画。アフリカ系アメリカンの監督による同様の若者たちを描いた話。要旨は不良の妹が生真面目な姉のために奮闘するコメディ となっているが、ちょっとニュアンスが違っていた。カップルになって夫婦になるまでにはセックスの相性が大事だということを家族の問題を交えて喜劇タッチで描いていた。監督のタイラー・ペリーは同様のテーマ(家族とセックス) でシリーズものまで作っている。日本ではあまり知られてなくて、この映画も劇場未公開だ。母親役にウーピー・ゴールドバーグが出演しているのが嬉しかった。評価 〇

「ハート・オブ・マン」

 

2019年のアメリカ映画。’00年のメル・ギブソン主演「ハート・オブ・ウーマン」の女性版コメディ。広告代理店で頑張っている女性が、その肌の色と性別でなかなか昇格できないでいた。ある時、事故で男性の心の声が聞こえるようになる。そこから起こる様々な出来事から自分を見つめ直すようになる。言いたいことはわかるが、やはり設定に無理があるため単純に笑えなかった。日本劇場未公開なのも納得。評価 〇マイナス

「パティ・ケイク」

2017年のアメリカ映画。「サンダンス映画祭」で高く評価された青春映画。この映画祭はインディーズ系の秀作を世に多く出している注目のもの。病弱の祖母とアル中の母(元自称ロック歌手)の面倒を見ている23歳の女性パティが主人公で、その超肥満体から『ダンボ」とからかわれている。夢はラップ歌手になること。東洋系の友人とふと知り合った黒人の男と共にその夢を叶えるべく曲つくりやCDの自主制作などを地道にしている。そして、、、。夢のある前向きな映画だった。そのダイジェストを編集して保存した。評価 ◎

「バルバラ セーヌの黒いバラ」

2017年のフランス映画。題名のように伝説のシャンソン歌手バルバラの半生を描いている。劇中で彼女の映画を作る過程をみせている という設定がユニーク。バルバラを演じた女優がセザール賞の主演女優賞を獲得している。しかしバルバラのことや彼女の歌を知らない者にとってはこの映画は興味外だった。評価 △

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