院長コラム

「愛と銃弾」

2017年イタリア映画。南イタリアのナポリを舞台にした異色の犯罪ドラマ。登場人物たちが途中で歌で心情を語るミュージカル仕立てになっているのがユニークで、しかもコメディタッチだった。マフィアの権力争いで殺伐とした殺し合いの中で、殺し屋が幼馴染の初恋の女性看護師に出会ったことで、彼女を守るために組織を裏切る、、、という筋立て。いかにもイタリアらしい厳しさと愛のロマンスが盛り込まれていて2h20の長さを感じさせなかった。 評価 〇プラス

「悪人伝」

韓国の新作封切り映画。『やくざと刑事が悪魔を捕まえる』というユニークなコンセプトで、実際これが原題(英語タイトル)になっている。この発想素晴らしい! 連続殺人犯を追っているやり手の敏腕刑事と偶然その殺人犯に襲われて傷を負った組長が共同して犯人を追う というストーリー。ラストまで息を付けないほど面白かった。エピローグもニヤリとさせて納得だった。 評価 ◎

「ロボット2.0」

2018年のインド映画で続編。インド映画史上最高額(90憶円)の製作費をかけ、歴代第2位の記録的大ヒットしたそうだ。今回はスマホが次々に消える事件が起き、それらが一体化して巨大なモンスター鳥になって人々を襲う という事件が起きる。それは鳥を愛した博士が鳥の保護を訴えても相手をされず、自殺して鳥の保護者として復活して人類に復讐をしていた。それを阻止するにはかつて人類を救ったスーパーロボット:チッティしかない。チッティは更なるスーパーパワーを装備しヴァージョン2.0として復活して戦う。荒唐無稽なドラマだがVFXが凄すぎて訳がわからない大バトルになっていた。 評価 〇

「火口のふたり」

昨年の邦画。キネマ旬報ベストテンで第1位になるなど好評を得た白石一文の同名小説の映画化。出演者は男女二人。従妹の関係だが、女が近々結婚するにあたり、男がその引っ越しを手伝いことになったことから成り行きで肉体関係を結ぶようになる。その1週間を描いた私小説的な人間ドラマ。映画ならではの味わいもあるが、原作本並びにこの映画の脚本の冴えを感じた。評価 〇プラス

「カセットテープ ダイアリーズ」

2019年のイギリス映画。どこか懐かしい感じがしたのは1987年のイギリスの田舎町が舞台だということと描かれた内容が、かつてのイギリス映画独特の風情があったことで「小さな恋のメロディ」「ベッカムに恋して」そして昨年の「イエスタデイ」などを思い出した。果たして「ベッカムに恋して」と同じ監督だった! アメリカのブルース・スプリングスティーンの歌に憧れて大ファンになったパキスタン系の高校生の青春を上手く捉えていた。賛同する箇所が多々あり、家族の問題や恋、またその当時のイギリスの経済事情と有色人種排斥運動などもよく描いていた。評価 〇プラス

「僕はイエス様が嫌い」

2019年の邦画。外国の国際映画祭で最優秀新人監督賞を受賞した奥山大史監督の長編デビュー作品。ミッション系の小学校に転校してきた少年が主人公。引っ込み思案の彼の元に小さなイエス様が現れ、彼をじっと見守るようになる。そのうちに一人親友ができる。楽しい学園生活を過ごしていたが、その友人が事故で死んでしまう。少年は学校で弔辞を読むことになるが、そこに現れた小さなイエス様を彼は叩き潰してしまう、、、、。少年の深い悲しみがよくわかるシーンだ。そこに奥山監督の意図が感じられた。評価 〇プラス

「「女の機嫌の直し方」

2019年の邦画。基はベストセラー小説。結婚式場でアルバイトをしている理系の女子大生が、結婚披露宴で起こる様々な出来事を見事に解決していく というストーリー。人生の晴れ舞台の裏ではあのようなことも多々起こっているのだろうなあ と察してしまった。出来過ぎの感はあるが、そこはそれでコメディとして楽しませてもらった。評価 〇プラス

「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」

ウディ・アレン監督の新作。こうして彼の映画が日本で(広島で)観られるのは嬉しい。85歳になって、また近年のセクハラ問題等渦中での映画撮影と公開までの道のりは大変だったようだ。また出演者からも「出なければ良かった」発言などもあった。映画の内容は題名の如くで、他愛のない若者の恋愛事情を描いているが、随所にアレン監督らしい軽妙なモダンさがあり、それなりに楽しめた。 評価〇プラス

「コナン・ザ・バーバリアン」

2011年のアメリカ映画。かつてアーノルド・シュワルツェネッガーの出世作として作られたことがあったが、これはそのリメイク作品。いつの時代か不明だが、妖術が支配している古代に部族間の権力争いに負けて家族を惨殺されたコナン少年が成長して、その強敵を倒すストーリー。冒険活劇映画としては、問答無用に楽しめた。主役は肉体派俳優ジェイソン・モモア。シンプルに面白かった。時にはこのような映画もよい。 評価 〇プラス

「僕に、会いたかった」

2019年の邦画。へんてこな意味深な題名だ。島根の隠岐島を舞台に、記憶を失くした青年が母や周囲の人々との交流を通して再生していくストーリー。EXILEのTAKAHIROが主演している。記憶を失くした裏には悲しい事実があった。なかなかシリアスな話で、監督は島根県で多く撮っている錦織良成氏。評価 〇

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