2022年10月

「獣の剣」

1965年の邦画。故五社英雄監督作品。モノクロ。時代劇で二人の武士(平 幹二郎と加藤 剛)の悲哀と怒りを描いている。平は訳あって上司を斬り敵として追われている侍、加藤は妻と共に藩のために砂金を川から集める仕事をしている。そんな二人が出会って武士の矜持と絶対的な権力に対する考えの違いを観客に問っている。斬新な趣向の映画だった。 評価 〇プラス

「耳をすませば」

新作邦画。かつてスタジオジブリで同名のアニメが公開されたが、今回はその実写での映画化。登場人物は前回の中3の中学生の時代と共にその10年後の1998年のそれぞれの成長と悩みを描いている。まだまだ携帯電話(スマートフォン)がなかった時で、じっくりと青春が見られた。イタリアロケはコロナ禍で国内で撮影されていた。 評価 〇

「地下室のヘンな穴」

フランス映画の新作。本国では大ヒットしたとのこと。邦題から観にいく気持ちが出る人とそうでない人に分かれると思う。私は興味を持ち、いつものように予備知識なしに観に行った。題名の穴は降りるとその家の2階に通じ時が12時間進み、しかも3日若返る というもの。それを信じるかどうかは映画のお楽しみ。男女の違いがよくわかり、アイロニカルでブラックユーモアはフランスならではだった。評価 〇

「OSS117 アフリカより愛をこめて」

2021年フランス映画。題名からして「007」のパクリはミエミエだ。1960年代のスパイのイメージをパロディ化したスパイコメディだが、日本未公開のようだし、納得(?!)のナンセンスだった。笑えない喜劇は辛い。見る価値なし! 評価 △

「崖っぷちの男」

2012年アメリカ映画。 劇場で観てよかったという記憶が残っている。冒頭NYのホテルの高層階から飛び降りようとする男がいる。女性刑事がその説得に臨むが男の真の目的が次第に明らかにされる というサスペンスドラマ。予想外の展開で緊張感が全編にみなぎっていた佳作だ。 評価 〇プラス

「ラストナイト・イン・ソーホー」

2021年のイギリス映画。ロンドンの歓楽街ソーホーを舞台にした幻想的なスリラー。デザイナー志望の若い女性がロンドンにやってくる。下宿で1960年代の女性の夢を見て、その彼女の服をモチーフにデザインして褒められる。その後も彼女の影響をうけるが次第に60年前の殺人事件の真相を辿るようになる。いろいろな要素が詰まった作品で話題にもなり評判も良かった。評価 〇プラス

「殺人鬼から逃げる夜」

2021年韓国映画。題名の通りの作品。ただターゲットになる女性2人のうち、一人は母と共に聾唖の女性、もう一人は妹想いの兄がいる というのがこの映画の面白さに繋がっていた。非常な殺人鬼も凄かった。評価 〇プラス

「スティール・レイン」

2020年韓国映画。『鋼鉄の雨』って銃器による戦争のこと。韓国・北朝鮮&アメリカの3国の首脳会議を開催中の北朝鮮でクーデターが起こる。3国の代表らは原子力潜水艦に監禁され戦争の危機が迫る。敵味方入り乱れての攻防が緊張感を呼ぶ。骨太の政治ドラマで仮想ながら現実感を味わった。その裏には中国の陰が見えるし、日本も関与せざるを得なかった。評価 ◎

「アイ・アム まきもと」

新作邦画。観る前に予備知識なしで臨んだ。身元がはっきりしない孤独死の人を弔う「おみおくり係」の市の職員が主人公。彼は時には身銭を切って仕事をしている。ある時、その課の廃止が決まり最後の遺体の男の身元調査をすることになって、、、、。人生を振り返る方法を改めて諭らされた気がした。ラストシーンでこの映画が2013年のイギリス映画「おみおくりの作法」のリメイクだと解った。評価 〇

「草の響き」

2021年邦画。函館市出身の作家:故佐藤泰志の小説の映画化。これまでにも氏の原作は多く映画化されている。心に失調を来し妻と共に故郷の函館に帰ってきた男がランニングを通して再生に向かう姿を描いている。古い原作ながら心の痛みは今も同様に伝わってくる。主演の東出昌大が好演していた。評価 〇プラス

 

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