2020年10月

「その女諜報員 アレックス」

2015年アメリカ映画。題名の意味があったのか? まあ主人公の女性が特殊な人だということだけはわかるが。冒頭銀行強盗を働くグループの1員だったが、その強奪物とは無関係に話は進み、ハードなアクションと共にある陰謀が見え隠れしながら話が進む。結局そのアクションプレイで映終始していた。女性も強いということ?!  評価 〇

「インサイド・マン」

2006年アメリカ映画。知的な銀行強盗犯と敏腕刑事(デンゼル・ワシントン)の頭脳合戦に秘密を握る女性弁護士(ジョディ・フォスター)が絡む異色のクライム映画。銃の発砲や殺人などは一切起こらないクライム映画だった。その分迫力は乏しかったが、役者たちの演技を観る心理戦の趣があり、観る価値はあった。評価 〇

「パレス・ダウン」

2015年フランス映画。2008年インド:ムンバイの高級ホテルで起きた無差別テロ事件を題材にした映画。テロリストたちが占拠したホテルの客室に一人取り残された18歳のフランス女性と外で食事をしていたその両親との話を中心にしたセミドキュメンタリー風の映画。それなりに緊張感があった。同じ題材にしたアメリカ映画「ホテル・ムンバイ」(’18)の方が迫力があったが、それは捉え方・作り方の差だろう。 評価 〇

「デンジャラス・ラン」

2012年のアメリカ映画。元CIAの最強のエージェントで指名手配受けている男(デンゼル・ワシントン)が、南アフリカで何者かに命を狙われる。苦肉の策でアメリカ領事館に逃げ込むが、追っ手は執拗に彼を抹殺しようとする。現地のCIAの若手職員(ライアン・レイノルズ)と共に決死の逃亡劇を繰り広げる。世界情勢の裏の裏まで見せるハードなアクション映画。評価 〇プラス

「コレクター」

この題名の映画は何本かある。一番有名かつ古いものは1965年のウィリアム・ワイラー監督作品だろう。モーガン・フリーマン主演の1997年のも浮かぶ。これは2012年のもので、原題は”The Factory”。サイコキラーと娘を誘拐された刑事(ジョン・キューザック)の死闘を描くスリラー。だがその裏に更なる話があったとは! 凄い話だった。 評価 〇

 

「ラスト・ムービースター」

2017年のアメリカ映画。かつてのアクションスターだった男優が淋しい老後を送っていた。ある日彼の若かりし日の大ヒット映画の上映会に招待される。そこは貧しい若者たちの開いた映画祭?だった。2018年に死去したバート・レイノルズの最後の主演作となったコメディ映画。自身を彷彿とさせる映画スターの晩年を自虐的なパロディ描写とペーソスを織り交ぜて描いていて、感無量だった。 評価 ◎

「ミッドナイトスワン」

邦画の新作。草薙 剛がトランスジェンダー役で注目されているが、本当の主役は新人の服部樹咲さんかもしれない。東広島で不幸な生活をしていた14歳の一果(服部)が親戚の凪沙(草薙)の元へ上京してしばらく預かられることになるのが発端。二人の東京での生活と一果のバレリーナとしての才能が開花するのが中心。随所で見せたいシーンがあるのはよいが、それがてんこ盛り過ぎて少し脈絡がなかったのが残念。でも観るべき映画の1本だ。評価 〇プラス

「82年生まれ、キム・ジヨン」

韓国映画の新作。基は日本でも話題になった本で、私も読んでいる。このエッセイ的な小説をどのように映画化するのか楽しみだった。果たして原本のエキスを活かしながら夫婦の話にしているのが成功していた。特に本ではあまりはっきりしないジヨンの夫の存在が大きく、彼の支えがとても素晴らしかった。妻と共に悩んで解決する姿に感動した。韓国でも日本でもセクハラやパワハラが問題になっているが、その意味でも一石を投じた映画だった。 評価 ◎

「ヒットマン:レジェンド 憎しみの銃弾」

2019年イタリア映画。老殺し屋が同業者の息子を殺された裏を探り、これまで属していた犯罪組織への復讐を果たすアクション映画。イタリアのコミック界で活躍しているアーチストが監督&美術をしているため、大変スタイリッシュな作品になっていた。銃撃戦のカメラワークが興味深かった。 評価 〇プラス

 

「ツナグ」

2012年の邦画。劇場で観ている。辻村美月の小説の映画化。死者との再会を一度だけ叶える仲介者の役割を同居している祖母(樹木希林が実に良いし、まだまだ元気そうだった)から引き継ごうとしている高校生(松坂桃季)の葛藤と成長を感動的に綴っている。映画の中で見せてくれた3つのエピソードがそれぞれに良かった。評価 ◎

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