2020年08月

「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」

2018年のイギリス・ロシア・フランス合作映画。ソ連から「西側」に亡命した伝説のダンサー:ルドルフ・ヌレエフの半生を描いたドキュメンタリータッチの作品。バレエの能力を磨いた幼い時から1961年にパリで亡命するまでの彼の軌跡を描いている。ヌレエフを演じたのは現役の一流ダンサー:オレグ・イヴェンコ。ラストの20分のパリ空港での亡命の攻防が真に迫っていた。 評価 〇プラス

「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」

2019年のスウェーデン映画。結婚して40年、専業主婦だった63歳の女性が、夫の浮気の発覚をきっかけに外に生きがいを見つける話。やっと得た仕事は田舎の町での少年少女のサッカーの指導だったが、、、。邦題のような内容ではあるが、1h37と短いため中途半端な気持ちで終わった。残念。 評価 〇

「アルプススタンドのはしの方」

邦画の新作。題名がユニークだ。元々舞台劇だったようで、そこに出ている無名の若い役者たちを使っての映画化。タイトルのように高校野球の試合の応援が舞台。それが「甲子園球場」での試合だと推測できる。野球の模様は画面には一切出ず、ノルマで応援に来た数人の高校生の会話がメインだった。何気なく他愛のない話に臨場感があって面白く観られた。評価 〇プラス

「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」

8月6日「原爆祈念日」の夜WOWOWで放送された。13歳の時に広島で被爆し生き延びたある日本女性のドキュメント。その後縁があってカナダ人と結婚された。アメリカ大陸に移り住んで自らの被爆体験を語り伝えるとともに反核運動に尽力している様を、この映画の共同制作者である竹内 道さんのファミリーヒストリーと共に綴っている。広島市民だけでなく日本人には必見の映画だ。評価 ◎

「はちどり」

2018年の韓国映画。時は1994年。その時に14歳だった少女が「はちどり」のように常にはばたいていないと生きていけない(精一杯生きている)様子を淡々と綴っているアート系の香りの強い映画。家族、同級生や後輩、そして塾の女性教師などとの交流が細かく描写されていて、監督の自叙伝的な内容だった。「ポケベル」などの小道具も効いていた。 評価 〇プラス

「軍旗はためく下に」

1972年の邦画。結城昌治の直木賞受賞作を基に深作欣二監督が映画化した鮮烈な反戦映画。ある軍曹が第2次世界大戦末期パプアニューギニア戦線で「敵前逃亡」により処刑された。そのため戦後残された家族に遺族年金が支払えないことを受けて、その真相を知るべく生還した兵士たちを一人ずつ訪ね歩いた未亡人が知ったこととは! もっと様々な凄い事実がいろいろとあるのだろう。衝撃的な問題作。このようなテーマでの映画化は今はもう難しい。 評価 ◎

「ステップ」

邦画の新作。4月公開が3か月延びての公開。若いお父さん:健一が妻の急死により、娘の1歳半から小学校卒業までの10年余りを奮闘する話。重松 清氏の原作。娘:美紀を3人の少女が演じていて、どれも可愛い。母のいない生活での不自由さをみせながらも二人で懸命に明るく生きている姿が愛おしかった。ただ、これから思春期に入る美紀であり、再婚を考えている健一と共に、更なる困難があるだろう。 義理の父役:國村 隼 好演。評価 〇プラス

中島みゆき 夜会VOL.20『リトル・トーキョウー』

ご存じ1989年から続いている「夜会」の最新版で、2019年1月~2月に東京で行われた第20弾の舞台のライブ映像。臨場感のある画面を再現している。アップも多様しているので一人ひとりの顔の表情がわかる。全曲中島みゆきさんが作っている。相変わらずシュールな筋立てであるが、わかり易い方だった。東京に行かなくても味わえるのが嬉しい。評価 〇プラス

「海辺の映画館 ーキネマの玉手箱」

尾道出身の大林宣彦監督の新作にして遺作。映画館が廃館になるのに際して多くの人が集まる。そこにいた3人の若者がスクリーンを通して過去の日本にタイムスリップして、これまでの殺戮と戦争の実態を体験する。その根底には「戦争反対」があった。映画の最後は原爆投下の広島と「さくら隊」のエピソードもあり、大林監督が生前それを撮りたかったことを思いだした。まさに監督の集大成と言ってよいだろう。3時間と長い。評価 〇

「いちごの唄」

2019年の邦画。高校生の二人の男子が共に憧れていた同級生の女子がいた。ある日、その女子を守るために一人が交通事故に巻き込まれて死んでしまう。数年後生き残った二人が東京で偶然再会して、その後も「七夕の夜」に再会することになる。そして事故に関してお互い知らなかった事実が判る、、、という甘酸っぱい思い出を見せてくれた佳作。脚本家の岡田恵和氏とミュージシャンの峯田和伸氏の共著を基に映画化。NHKの連続テレビの『ひよっこ』のキャストが多く出ているのに驚いた。 評価 ◎

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