院長コラム

「スティール・レイン」

2020年韓国映画。『鋼鉄の雨』って銃器による戦争のこと。韓国・北朝鮮&アメリカの3国の首脳会議を開催中の北朝鮮でクーデターが起こる。3国の代表らは原子力潜水艦に監禁され戦争の危機が迫る。敵味方入り乱れての攻防が緊張感を呼ぶ。骨太の政治ドラマで仮想ながら現実感を味わった。その裏には中国の陰が見えるし、日本も関与せざるを得なかった。評価 ◎

「アイ・アム まきもと」

新作邦画。観る前に予備知識なしで臨んだ。身元がはっきりしない孤独死の人を弔う「おみおくり係」の市の職員が主人公。彼は時には身銭を切って仕事をしている。ある時、その課の廃止が決まり最後の遺体の男の身元調査をすることになって、、、、。人生を振り返る方法を改めて諭らされた気がした。ラストシーンでこの映画が2013年のイギリス映画「おみおくりの作法」のリメイクだと解った。評価 〇

「草の響き」

2021年邦画。函館市出身の作家:故佐藤泰志の小説の映画化。これまでにも氏の原作は多く映画化されている。心に失調を来し妻と共に故郷の函館に帰ってきた男がランニングを通して再生に向かう姿を描いている。古い原作ながら心の痛みは今も同様に伝わってくる。主演の東出昌大が好演していた。評価 〇プラス

 

「ダウントン・アビー 新たなる時代へ」

2022年の新作洋画。かつてテレビシリーズで話題になったドラマの映画化第2作。今回は前作から9か月後の1928年のイギリス・ヨークシャー州の貴族の邸宅を舞台に、そこに住む貴族一家とその使用人たちが織りなすドラマを再び見せてくれる。南フランスの別荘を遺言で譲り受けることになりクローリー家の面々がそこを訪れる話とハリウッド映画がその邸宅でロケをする騒動がメインになってストーリーが展開する。個々の人物の個性もユーモアを交えて描かれ、満足できる出来栄えだった。 評価(今年初めて)の☆

「ニューイヤー・ブルース」

2021年韓国映画。それぞれに不安や悩みを抱える4組のカップルがクリスマスから年明けまでの1週間に繰り広げる物語を綴った恋愛コメディ。そのうちの1組はアルゼンチンで撮っていた。豪華だ、最初は馴染みのない顔ばかりで戸惑ったが、それを超えると気持ちよく映画に入っていけた。すばらしい! 評価 ◎

「沈黙のレジスタンス 」

2020年のアメリカ映画。副題に「ユダヤ孤児を救った芸術家」とあるようにナチスドイツ統治下の1940年代にユダヤ人孤児123人の面倒をみていた若者たちの抵抗を描いている。その中心にいたのは後年「パントマイムの王様」と呼ばれた芸術家マルセル・マルソーだった。シンプルで緊張感のある映画だった。戦後70年経ってもこのような映画が作られることに意義がある。 評価 〇

「将軍家光の乱心 激突」

1989年東映時代劇。題名のように徳川家光が次の将軍候補の少年を亡き者にしようと画策して、それを阻止する者たちと激突する荒唐無稽な話。アクションシーンでは随所に見所はあるが、それ以上のものはない。このような映画が作られたのも時代を感じる。 評価〇マイナス

「ハッピーアワー」

2015年の邦画。濵口竜介監督作品で5h18の大長編。30代後半の4名の女性が主人公で、それぞれが抱えている悩みや不安をスリリングに描き出している。その女性たちはほとんどが演技未経験者で監督の開いたワークショップの参加者だそうだ。皆何が幸せなのか?と模索しているが、結婚している女性たちは自立というか離婚に向かっているのがどうもね、、、。しかし力作で海外で高く評価されているのも解る。評価 〇

「セイント・フランシス」

劇場封切りで広島では昨日まで1週間だけ(1日1回)の興行だった。2019年アメリカ映画。34歳の独身フリーターの女性が今の生活を見せながら、夏の間だけ就学前の女児の子守り(ナニー)をする。その家族との触れ合いを通じて共に成長する話。ありそうでなかった斬新さが評価されよう。私好みだった。評価 ◎

 

「ヘルドッグス」

新作邦画。「地獄の犬たち」 その通りアンダーカバーの警官が暴力団に紛れて組織をつぶす という指令を実行する様を描いたバイオレンスアクション。日本映画にしてはとてもスタイリッシュで暴力的、会話も早口で欧米や韓国映画のようだった。評価 ◎

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